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真夏の京都で古都の風情撮影(後編)

前編では写真倶楽部の詩仙堂撮影をご紹介しました。

撮影後は徒歩3分の圓光寺に向かいました。
ここは徳川家康が足利学校の学頭を招いて開いた学校でした。(1601年)
多くの僧俗がここで学び、孔子家語・貞観政要など多くの書籍を発行しました。

境内図(圓光寺HPより引用)

美しい「十牛之庭」は有名で、表紙のような額縁構図の写真で知られています。
正門から中門に向かう階段途中に石仏が置かれていました。

階段を登ると「奔龍庭」が現れます。白砂が雲海を、石組みが龍を表現した現代アートのような庭です。
全体をダイナミックに写せる場所を探りましたが、撮影会のためゆっくり探せず断念しました。

「瑞雲閣」に印刷に使用した版木や円山応挙筆の「雨竹風竹図」六曲屏風などの寺宝が展示されていました。

中門から入り、お目当ての本堂の書院から十牛之庭を撮影しました。
庭の端に異様に生命力を感じさせる古木がありました。

このお庭は、牛(悟り)を追う牧童の様子を表現しているとか。凡夫の私には見えませんでしたが(笑)

書院内に飾られていた額のガラスに美しい庭が映りこんでいました。

床の間に達磨大師の掛け軸が掛けられていました。
静かで趣のあるしつらえです。
庭の緑が光の色を変えていますが、あえてそのまま撮りました。(5300K)
手前に置かれた陶器のお道具が何か分かりませんが、大切なもののようです。

書院の風情を自分なりに撮りたいと、カメラを低くして畳に映る光と庭を撮ってみました。
この構図では緋もうせんが写らず、禅寺らしい透き通るような雰囲気が撮れたと自画自賛しています。

本堂には運慶作と伝わる千手観世音菩薩坐像が祀られていました。厳粛な雰囲気で仏像の撮影は遠慮しました。

本堂を出た所に水琴窟がありました。とても美しい音でしたが、写真には撮れません。是非行かれることをお勧めします。左上の円い水盤から水が落ち、竹筒に耳を近付けて聴きました。
水琴窟の前の敷石の配置がとても興味深く、絵になります。

十牛之庭の南を歩くと「応挙竹林」があります。
寺宝の屏風絵のモチーフとなったところです。
たまたま観光客がいない竹林を撮影できました。

竹林を抜けて家康の歯を埋めたお墓に向かいました。
振り返ると京都市街が見えてきました。絶景です!

ここから見える夕景は素晴らしいそうです。
また、撮影に行きたいものです。

境内図に描かれていない小道を下って座禅堂に着きました。
ここは今でも使われている、日本唯一の尼僧専門の道場です。

猛暑の京都で詩仙堂を圓光寺を撮影し、古都の風情の撮影にチャレンジしてきました。
自分のカメラアイを信じて、あえて定番の構図は見向きもせずに撮影に集中できました。

京都の美しさは、たとえ真夏でも真冬でも、いたるところで見ることができる。
そんな感慨を抱いて、反省会に向かいました。

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