コロナで主力事業を失ったぼくらが、突破口を見つけられた話
2020年3月13日。フィリピンの国境封鎖。全事業者に休校命令の発出。
今でも夢であってくれと思う時があるけど、新型コロナウイルスにより、ぼくらの主力事業である「フィリピン留学」の時間は完全に止まりました。
このnoteでは、コロナによって会社の主力事業である「留学」を停止せざる負えなくなったぼくらが、生き残る道を探し、新たなサービスに辿り着くまでの話をまとめました。
「コロナによって仕事や経営が思うように進まない..」と悩む人の勇気に少しでもなればと思って赤裸々に書いています。
突破口を模索し続けた1年間
1年間、死にものぐるいで事業のオンライン化を進めました。
僕らのコロナ前の主な事業は「フィリピン留学」と「店舗での英会話スクール」でした。
この事業の内容をオンライン化し、新たに「オンライン英語コーチング」と「オンライン英会話」といった領域に展開していきました。
それでも、売上は計画通りには伸びきれず、2021年3月段階で現状の打開策に関して頭を悩ます日々が続きました。
No.1への意識
答えが出ないまま1ヶ月が過ぎて、世間的にはコロナ禍、2回目のGWを迎えようとしていました。
そんなある日、共同経営者のジョンスからVALXの只石社長(@kodawari_ceo)と会う話をもらいました。只石さんはサプリメントを大ヒットさせ、フィットネスを中心としたD2C事業を展開する会社の代表です。
悩んでいた僕はヒントをもらえる可能性を信じて、渋谷南平台にあるオフィスに向かいました。
4月でしたが、雨が振り、少し寒かったのを覚えています。
すると始まるや早々に、言われたひとこと。
只)「ミライズはどこでNo.1を取りたいの?」
.....この言葉にガンとバットで頭を殴られたような衝撃を覚えました。
お客様の為に良いサービスを作ろうという気持ちは誰よりも強かったけども、ナンバーワンになる事は意識していなかったことを改めて痛感しました。
そして、学生時代あれほど勉強したビジネスの基本であり、中小零細企業のとるべき戦略であるランチェスター戦略(局地的No.1を目指す経営戦略)を忘れていたと反省したのも覚えています。
また、只石さんの質問の真意は以下の通り。
2位以下で走り続けるのは厳しい。現状、ミライズは大きな山(オンライン英会話や英語コーチング)の2位以下で必死に走っている状態。これだと、いつまで経っても業界1位と戦うフィールドに立てない。
この話を聞いた時、自分の事業の経営状況とは裏腹にテンションが上がったのを覚えています。
理由は、全く見えていなかった「勝ち筋のヒント」が見えた気がしたからです。
そして、この時間の最後に「○○といえばミライズ!」に解答できるものを用意してきてという宿題をもらいました。
ここからまた事業と向き合い続ける時間が始まりました。
会社を前に進めるヒントは会社の中に
この出来事があってから、あーでもない、こーでもないと社内のメンバーと話し合う日々が続きました。
なんとなくミーティングはして、答えらしきものを出すのですが、しっくりこず、時間だけが過ぎていきました。
そんな平日の朝、近所の公園のサイクリングロードを日課の10キロマラソンをしている時に
「あれっ?発音なんじゃね?」
発音、つまり「英語の発音に特化したサービスなら勝ち筋があるんじゃないか?」と思いました。
突然、降りてきた感じで書いてはいますが、実際はなんとなくは考えていたことでした。
理由は「留学カリキュラムの発音授業の高評価」にあります。
僕らがフィリピン留学を展開していた頃、サービスを受講いただいた方からは「発音の授業が目から鱗だった!」とか「発音授業が1番良かった!」という話を数多くもらっていました。
日本での英語学習で発音についてこれほどの時間をかけて専門的な指摘を受けたことがなかったので、正直、目からうろこという感じでした。8週間という短い期間でしたが、自分なりには正しい発音と間違った発音の違いを感じることができるようになった気がしているので、非常に役に立ったと思います。リーディングやライティングは自分でも勉強できるかもしれませんが、発音はやはり指導者がいないと難しいと感じました。
実際に卒業生から頂いたコメント(原文ママ)です。
僕の中にもなんとなくこの「発音の授業」というのがサービスの強みにあるなというのは感じていたものの、それを全面に出すことまでは考えていませんでした。
しかし、改めて只石さんの
「○○といえばミライズ」
この言葉から「発音」が事業を前に進めるヒントになるという予感を肌で感じる瞬間でした。
そこから留学時の発音授業に関するアンケート、また現サービスの中で提供している授業内容で人気があるものを徹底的に調査したところ、改めて「発音の授業の満足度が異常に高い」という揺るぎない事実にたどり着きました。
そしてこの時点で答えが出ました。
僕らがやるべきは「徹底した発音学習」であること。
この時、10キロマラソン時に感じた予感は「確信」へと変わりました。
「行ける。」
なぜ、僕らが発音にこだわったか
「発音にこだわった理由」はもちろん留学時のアンケートやお客さんの満足度から選択したといえばそれまでです。
ただ、僕の中の思いはそれだけではありません。
この話をするには、ミライズ英会話というサービスに関して説明をする必要があるので、少しだけお付き合いください。
僕たちのサービスの中心には「フィリピン人講師」がいます。
英会話のレッスンは彼女達が担当してくれています。自分で言うのも何ですが本当に優秀な先生ばかりで僕の誇りです。
僕が彼女達を褒めても信じてもらえないと思うので、今回このサービスのモニターをしていただいた、らんさん(@hio9o2na)の話をさせてください。
らんさんは以前に、ミライズのサービスを受講してくれた方の1人でした。
今回、カナダ留学を控え「発音を勉強してたけど、上手くならず、英語が嫌いになりそうだった..」そんな悩みを抱えてモニターに手を挙げてくれました。
そして、今回2ヶ月サービスを受けていただいた後に感想を聞かせていただくと
「ずっと越えれなかった壁を、たった2ヶ月で突破できてしまった」
「自分の英語が好きになった」
この感想を聞いた時、フィリピン留学をスタートした時にお客様から頂いた言葉がフラッシュバックのように流れて、身震いしたのを覚えています。
また、他の感想としては
「その場で全部発音矯正してくれたから正解の音がわかった」
という感想もいただいています。
つまり、何が言いたいか、このサービスの要は「フィリピン人講師」なんです。
彼女達が「生徒の発音の課題に瞬時に回答できるスキル」を持つおかげで成り立つサービスなんです。
「賃金が安いから使ってるんだろ」
フィリピン人講師の採用にそんな印象を抱いている方も多いかなと思います。
でも真正面から言わせてもらいたいのが
「全然、ちげぇから。」
と僕の小さなエゴをここで話しても、意味がないのを分かっています。
だからこそ、僕はこのサービスを世の中に広めることで、彼女達の技術や魅力を事業を通じて伝えたいです。
昔話にはなりますが僕らが「留学サービス」を立ち上げた理由も、彼女達の英語を教える力を身を持って体験した経験からです。
起業前、今の創業メンバーと英語を習得するために、フィリピン留学をして、そこで彼女達の実力を肌で感じました。
そして、彼女達の英語を教える力が日本人と世界を繋ぐ力になると信じたからこそ、フィリピン留学を主力事業とした会社を設立しました。
その思いは2012年に創業した当初から変わっていません。
少し長くなってしまいましたが、これが僕が小難しい市場戦略ではなく、「発音」にこだわった理由になります。
サービス名「ハツオン」
5ヶ月間、事業の立て直しをかけて必死の思いで作り上げたサービスの名前は「ハツオン」と名付けました。シンプルに、発音だからハツオンです。ど直球。
また、サービスコンセプトは「日本人の英会話を最短でネイティブに」です。
このコンセプト通りモニター受講いただいた方の発音は以下の動画のように変化を体験いただきました。
また、今回のnoteではサービス内容、そしてこのサービスのコンセプトに関しては深掘りはしていません。
あくまで、サービスを作った僕自身が何を考え、この大変な状況と向き合ってきたかを話すことに意味があるかなと考えたからです。
先の見えないこの状況で戦う、皆さんの少しの勇気にこの記事がなれたら嬉しいです。
実はこのnoteには続きがありまして..笑
上に示したnoteには「ハツオン」のもっと深いコンセプト部分、そして僕が執拗なまでに英語にこだわる理由について書いています。
サービスについて知りたい、または続きが気になると思ってくれた方はそちらにも目を通してくれると嬉しいです。
🔻こうしてできた「ハツオン」のHP🔻
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?