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週刊金融日記 第566号 5分で分かるChatGPT(大規模言語生成系AI)の仕組み 究極の私文コミュ強vs至高の理系アスペ、スイス政府の要請でUBSがクレディ・スイスを救済買収へ、香港に帰ってきてさっそく高級ステーキ食べてきました、アラフォーの不倫相手から妊活を要請されました、他

// 週刊金融日記
// 2023年3月21日 第566号
// 5分で分かるChatGPT(大規模言語生成系AI)の仕組み 究極の私文コミュ強vs至高の理系アスペ
// スイス政府の要請でUBSがクレディ・スイスを救済買収へ
// 香港に帰ってきてさっそく高級ステーキ食べてきました
// アラフォーの不倫相手から妊活を要請されました
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 バタバタしながら香港に戻ってきました。じつは来週にはまた別の国に行くんですけど。それにしても、スギ花粉が飛んでいないのは素晴らしいですね。
 このメルマガでもたびたび話題になりましたが、シダキュア舌下免疫療法がけっこういいらしいです。毎日舌の下にスギ花粉から作ったなんかの物質を入れる、ということを3年ぐらい気長に続けるとスギ花粉に対するアレルギーがかなり和らぐようです。根気のいる治療ですが、アレルギーが治る成功確率は高いようですね。僕は香港居住者で日本の医療保険に入っていませんから、このシダキュアは医師の診断がないと手に入らない薬で、100%負担だと年間10万円超えるぐらいですね。スギ花粉が飛散する2月、3月は日本にいなければいいのですが、まさにこの辺が会社の年度が変わったり学校の入学準備とかの時期なんで、どうしても日本にいなければいけない用事が発生しがちなんですよね。
 さて、香港ですが、空港での入境審査も、僕は香港IDを持っているので、それこそSuicaで駅の改札を出るのと同じような感じでピッとやって指紋でピッとやるだけで終わってしまい、もうすっかりコロナ禍以前に戻っていました。マスクの罰金もなくなったんで(病院等限られた施設では義務があるそうです)、マスクも必要なく、もちろん外国人はほとんどマスクをつけていません。しかし、香港人も日本人も、東アジアのお受験文化圏の民は、どうもマスクが好きなようで、まだ自発的にマスクを付けている人はそれなりにいますね。
 香港の街中も観光客がたくさんいます。僕がよく青島ビールを飲みに行っていた道端の屋台レストランは行列ができてしまっていて、18時ぐらいに行くか21時過ぎぐらいに行かないと座れません。とほほ。

★火鍋は香港の料理ではなく別系統の中華なんですが、やはり中華料理は香港は美味しいです。この写真はiPhone11Sで撮影です。

★ちょっと中途半端な時期でしたが、とうとう香港でiPhone14Proを買いました。ケースなど合わせると20万円ぐらいですね。乗り換えはやはり1日仕事になりますね。セキュリティが厳しい銀行や証券のアプリはいろいろ再設定しないといけないので大変です。ここでパスワード何回も失敗してロックされるといろいろ詰むんですよね。

★こっちがiPhone14Proで撮った写真です。一眼レフ風のAIとかが優秀なんでしょうけど、正直、SNSにアップする写真ならどうせ圧縮されるんで、僕的にはほとんどiPhone11と変わりませんね。たぶんですけど、iPhone8ぐらいで、スマホの進化はもうほとんど止まったように思います。

 ベースボールの世界大会(WBC)が大変に盛り上がっています。僕は生では見ていなかったのですが、日本が劇的な逆転サヨナラで決勝進出です。決勝のカードは、日本vsアメリカで、明日の朝8時に試合開始です。サッカーのワールドカップなんかと違って、両親のひとりが日本人なら国籍はアメリカでも日本チームとして出ていいとか、この辺はゆるいルールのようですね。

●WBC日本【詳しく】村上の逆転サヨナラ打で3大会ぶりの決勝進出
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230321/k10014014771000.html

★村上の逆転サヨナラ打で日本は決勝進出です。

★WBCを通して大人気になったアメリカ人のヌートバー選手(お母さんが日本人)が英語で解説していますね。

 我らの岸田首相ですが、ウクライナ訪問を真剣に検討していました。そして、とうとう本当に訪問したようです。キーウへは他の要人の方々と同様にポーランドに飛行機で行って、そこから列車でキーウへというルートのようですね。戦争にも礼儀というか、ジェントルマンアグリーメントがあり、こうした極めて重大な鉄道は空爆しないことになっているんでしょうね。

●【随時更新】岸田首相 キーウ到着 ゼレンスキー大統領と会談へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230321/k10014014891000.html

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 48歳既婚(非開示)ですがアラフォー彼女に妊活に協力してもらいたいと懇願され困り果てています
- 会社売却し仕事をスローダウンしEUの情報工学修士コースで勉強しています
- 中国製品のパソコンやスマホを使うのは危険ですか
- 社内の女子とアプリ女子の二股を進行させていますがふたりの家が近くて心配です

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.5分で分かるChatGPT(大規模言語生成系AI)の仕組み 究極の私文コミュ強vs至高の理系アスペ

 先週はStableDiffusionなどの画像生成系AIが急に性能アップして、大変に面白い状況になってきた、という話を書いたのですが、今週は言語生成系AIのChatGPT(Generative Pre-trained Transformer)のGPT4がリリースされ、Twitterではこの話題で持ちきりでした。

週刊金融日記 第565号 来たるべきAI時代に備えていま僕が進めていること

●Introducing ChatGPT
https://openai.com/blog/chatgpt

★StableDiffusionの方はいろいろ試していますが、Webベースでサクサクと動くChatGPTと違って、こっちは動かすのも大変で、さらにTwitterにアップされているような美女の画像は、100回生成して1枚できるかどうかの会心の一撃という感じですね。僕みたいな素人ではぜんぜん上手く作れません。もうちょっと慣れてきたら、画像生成AIについては、また記事にしたいと思います。

 正直、こうしたAIのことがあまりわかっていない評論家の方々がいろんなことを申していますが(これでホワイトカラーの仕事はなくなる、etc.)、どれもかなり的外れのように思います。そこで、今週のメルマガでは、また、ざっくりとAI、特にChatGPTの大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)について僕なりに解説したいと思います。
 ところで、僕は昔は物理を研究していたので、人文系の「知識人」の方々が量子力学をいろいろレトリックで語っていて、とても違和感を覚えました。量子力学は「自然はこのように人間の感覚では理解不能なものである、しかし、シュレーディンガー方程式で計算するとぜんぶ辻褄が合うし、それでエレクトロニクスなどの応用もできて文明を発展させることができた、以上。」でしかありません。ところが、その計算方法を勉強するには、最低でも大学1、2年生で習う各数学分野を理解していないといけないので、いつまで経っても「知識人」の方々はそこにたどり着きませんから、レトリックを振り回すことになります。
 量子力学を言葉のレトリックで説明するのは根本的に不可能なのですが、いま流行りのAIのほうは、割と説明できるように思います。こうしたAIはすべて深層学習(ディープラーニング、多層構造のニューラルネットワーク)でできています。僕はニューラルネットワークについては、もう20年以上も前の大学生の頃にパターン認識の授業で勉強しました。ニューラルネットワーク自体はさらにそれの何十年も前からあった人間の脳の神経回路を模範したアルゴリズムです。この辺のニューラルネットワークとそれを多層につなげた深層学習の発展の歴史は、第242号にまとめてあり、いま読んでも、自分で勉強になります(昔書いたことは自分でも忘れています)。
 とりあえず、イントロダクションとして、Twitterで最近つぶやいたことを掲載しましょう。

●ニューラルネットワーク
https://w.wiki/49GD

週刊金融日記 第242号 サルでも分かる人工知能の歴史とこれからのビジネス

★ChatGPTのようなディープラーニング(深層学習)による言語生成系AIは、言ってみれば究極の「私文」なんですよ。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1637325813036228608

(以下、Twitterの転載)

サトウ:GTPの仕組みをざっと勉強してみたんだけど、おどろくほどなるほどと思う反面、とてもシンプルな仕組みなのだなと。GPTは、与えられた文章の次の来るであろう語句を、学習したもののなかから最も可能性の高いものを計算し、推測していく仕組み。「吾輩は」を与えたら、次は「猫」が一番確率高いと答える。

藤沢:そうなのよ。物理の問題解いた、とか息巻いてるけど、ネットに落ちてる問題投げられたから、ネット吸い上げて蓄積した答えのコピペに近いもんを適当に投げてくるのよね。究極的な考えない知能。暗記とコミュ力を極限まで引き上げた、究極の私文がいまのAI。

じゅそうけんの中身:「究極の私文」とかいうパワーワード。

藤沢:答えのある算数の問題なんかは出来の悪い小学生レベルを脱しないけど、芸術とか社会の倫理に対して意見を言うとか答えのない問題は人間を超えてくると思うわ。

藤沢:プログラミングなんかは、ネット上にこんな問題があるんですけど誰か助けてくれませんか?よし、よし、これはこうやって書けばいい、みたいなコミュニティの膨大な蓄積がネット上にあるから、それをぜんぶ吸い込んだAIがかなりいい感じで適切なコピペを投げ返してくれるらしい。

藤沢:AIは司法試験はそのうち通るだろうけど(アメリカのやつはすでに通ってるらしい)、中学受験の算数ぐらいで、もう完全にお手上げ。

藤沢:司法試験みたいに正答率6割で合格(6割かどうかは知らん、単なるたとえ)、というのはAIはクリアできると思うが、実際の法律の問題でAIはあくまでサポートツールの一種だわな。絶対間違えたらだめな答えがあるところでそれっぽいこと言って堂々と間違うから、人間を代替することはない。

藤沢:学問で言えば、深層学習AIが一番不得手なのは間違いなく数学だろうな。

藤沢:ジェンダー論みたいなやつは、偉い人が満足する模範的な政治的に正しい文章がネットにたくさんあるから、それを吸い込んだAIは、すげぇ得意だと思う。満点答案をどんどん書いてくれそう。

藤沢:まあ、ChatGPTみたいなLLM(Large Language Model)はなんかいろいろ騒がれてるが、ブロックチェーンと同じで、かれこれ15年経ってもアプリケーションはビットコインだけ、みたいなことは割とありうる。昔のMicrosoft製品についてたアホなイルカがちょっとしゃべれるようになったぐらいか。

藤沢:実際に、ChatGPTで職を失った人なんて見たことねぇんだよな。

藤沢:あっ!誰が仕事を失うのかわかっちゃった!あれや、出会い系アプリのサクラ女性や!!!ざまぁ(笑)。

(転載終わり)

 それでは、以下、解説していきましょう。

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