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週刊金融日記 第337号 中国のグレートファイアウォールと日本の日本語バリア、日経平均株価は27年来高値、深セン2泊3日で香港空港にリターン、大学進学でFラン大の指定校推薦を選んでしまい学歴コンプレックス、他

// 週刊金融日記
// 2018年10月1日 第337号
// 中国のグレートファイアウォールと日本の日本語バリア
// 日経平均株価は27年来高値
// 深セン2泊3日で香港空港にリターン
// 大学進学でFラン大の指定校推薦を選んでしまい学歴コンプレックス
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 昨日は、東京も暴風がすごかったですね。高層ビルが風で揺れ動いておりました。そして、今日は台風一過で快晴。10月としては記録的な猛暑だそうです。短パンとサンダルですね。

●台風24号 名古屋で高潮3.5メートル 伊勢湾台風迫る
https://mainichi.jp/articles/20181001/k00/00m/040/094000c

●1日台風一過 10月なのに記録的な猛暑か
https://tenki.jp/forecaster/naokoueki/2018/10/01/2267.html

 探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに自走型のロボットを送り込み、次々と画像を地球に送ってきています。なかなかすごいですね。ZOZOの前澤氏が月に行こうとしていますが、人類はそろそろ気楽に宇宙に行くことになるのでしょうかね。個人的には、僕は宇宙より欲望が渦巻く人間社会を観察するほうが楽しいです。はい。

●「はやぶさ2」から新たな画像到着 初の動画も
https://www.bbc.com/japanese/45674769

●JAXA はやぶさ2プロジェクト
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

 今週も興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

-名古屋駅・栄の使えるお店とラブホ 安くて美味しいお店3軒
-30代女子ですが倦怠期の彼から激しく身体を求められたいです
-金融マーケットに関するオススメの本
-零細企業の人材採用は消費税増税後に来るであろう不況期を待つべきでしょうか
-宇宙について学べる本をご教示ください
-大学進学でFラン大の指定校推薦を選んでしまい学歴コンプレックス

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.中国のグレートファイアウォールと日本経済の日本語バリア

 最近、僕は中国語を勉強しているので、日本に来ている中国人留学生と話す機会が多い。前号のメルマガでは、深センに何の準備もせずに行ったら、英語が通じず右往左往するという醜態を晒してしまった。僕なりに中国語はがんばっているのだが、さすがに週に数時間勉強するだけで、数ヶ月で新しい言語を巧みに操りトラブルを解決していく、なんてことは語学の天才でもない限り無理である。中国語の勉強はそこそこ順調に進んでいる。せめて、あと1年ぐらいでレストランやお店で、店員と中国語で会話できるぐらいにはなりたい……。ちなみに、僕のつたない中国語力でわかったのだが、深センは中国中から集まってきた移民都市なので、日本の北海道がそうであるように、かなりわかりやすい標準中国語だったように思う。中国語の練習にはちょうどいい観光地のようだ。
 さて、著しい経済発展を遂げている中国だが、世界の工場としての製造業もさることながら、IT分野がすごい。いまやGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)などの米巨大IT企業に対抗できるのは、中国の巨大IT企業だけだ。しかし、なぜ中国でこんなにインターネット企業が成功したのかというと、種も仕掛けもある。Twitterなど典型的だが、こうしたものは技術的に何かとても難しいプロダクトというわけではない。まあ、こんなこと言うと、ITエンジニアからはいろいろ突っ込まれるかもしれないが。とにかく、最初に多くの人が集う場所を作った、ということが何より大きいのだ。ユーザーが増えれば増えるほど、ネットワークの価値が高まり、ユーザーにとってのそのサイトの価値が増していく、というネットワーク効果などで説明されるが、まあ、とにかく最初にまとまったトラフィックを獲得するのが非常に大切だ。ユーザーが多いので価値があり、価値があるから儲かり、儲かるからさらに設備投資できるし、そうなるとますます価値が上がって、ユーザーもさらに増える、というわけだ。
 しかし、中国はグレートファイアウォールによる検閲や、政府に個人情報を提供しなければいけないという法律などで、こうしたWebサイトをすべてシャットアウトしている。そして、中国には13億人のマーケットがある。だったら、こうしたアメリカ企業の成功ですでにテスト問題の模範解答がわかっているので、政府とつながった、あるいは容認されている中国企業が同じようなものを作って、この閉じられたマーケットに流すだけで、時価総額が数兆円、数十兆円以上に達する巨大IT企業の出来あがりだ。Googleに対応するのは百度(バイドゥ)、Facebookは人人網(レンレン)、Twitterは微博(ウェイボー)である。中国版のYouTubeもあるし、微信(ウェイシン、WeChat)は中国だけでなく世界中で使われている。世界でAmazonに唯一対抗できるECサイトは、アリババである。
 僕は自由市場経済こそが世界を繁栄させると信じているのだが、世界中でアメリカのIT企業が独占的地位を占め、世界の人々は重いApple税に耐えしのぎ、Google八分にされるることを怯えながら生きている。そして、唯一GAFAのような巨大企業に対抗できたのが、完全に情報鎖国をしている中国の企業だという事実は否定しようがない……。

●アマゾンvs.アリババ、戦略比較で分かるアリババの凄さ
https://www.newsweekjapan.jp/m_tanaka/2017/11/vs.php

 とにかく、中国のIT産業は、このグレートファイアウォールで囲われた13億人のマーケットのなかでとんでもない成長を遂げているのだ。こうして中国ではITが金になる成長産業ということがよくわかっているので、国策でIT教育や研究にも力を入れており、コンピュータサイエンスの分野では清華大学や北京大学などは、アメリカのスタンフォード大学やカーネギーメロン大学などの世界のトップ校と肩を並べるまでになった。

●CS RankingがAI分野での2018年世界大学ランキング発表 1位はカーネギーメロン大学。清華大学、北京大学が躍進
https://glotechtrends.com/cs-ranking-top-20-university-180306/

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