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週刊金融日記 第504号 子供を寮のある学校に入れれば中学受験は割に合います、2022年最初の週バリュー株の巻き戻し、正月に安い回転寿司に行ったら美味かった話、専業主婦の妻に家事も育児も手伝えと言われます、他

// 週刊金融日記
// 2022年1月12日 第504号
// 子供を寮のある学校に入れれば中学受験は割に合います
// 2022年最初の週バリュー株の巻き戻し
// 正月に安い回転寿司に行ったら美味かった話
// 専業主婦の妻に家事も育児も手伝えと言われます
// 他

 新年、明けましておめでとうございます。藤沢数希です。
 とうとうオミクロン株の感染爆発とも言って良い、感染者数の急拡大が起こっています。しかも、今回は日本にある米軍基地に持ち込まれたウイルスの集団感染が発端となったようで、基地のある沖縄、山口、広島に蔓延防止等重点措置が適用されました。新型コロナウイルスは、なかなか政治的に一番痛いところを突いてきますね。そして、日本の一大イベントである共通テスト(旧センター試験)が今週末です。感染してしまうと受けられなくなるので、さまざまなところですったもんだしておりますね。
 共通テストで大学受験シーズンがはじまるのですが、中学受験もこれから佳境を迎えます。受験シーズンにオミクロン感染爆発が直撃で、受験生を抱える家庭は大変なコロナ感染ガチャを回さないといけなくなっております。

●米軍基地、全国で1784人感染 住民に不安渦巻く
https://www.sankei.com/article/20220107-LBD4IPTTYVKEDCLWO6FRWG4NSQ/

●オミクロンに感染すると共通テストが受けられなくなりますので、この時期に学校でクラスタが発生すると大変なことになります。

●文科省 個別入試の結果で合否判定するよう各大学に異例の要請
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220112/k10013425841000.html

 年始は諸用で名古屋や大阪などに行っていたのですが、日本の地方都市はとても発展していますね。名古屋駅や大阪駅の駅ビルは大変に立派で、周辺には高層ビルが建ち並んでおります。日本は世界の中で貧しくなっていて、もはや先進国ではない! また、その日本の中でも、東京一極集中が起きており、地方は特に悲惨、などという論説をさまざまなメディアで見かけますが、実際に見ていると、日本は地方都市もこの上なく豊かだと思われます。
 日本もアメリカもイギリスも香港も、市民の生活水準自体はどこも似たようなもので、むしろ治安が良く、トイレは綺麗で、食べ物も美味しく、何でも安い日本のほうがだいぶいい暮らしぶりなんですが、国民ひとり当たりのGDPなどの定量的な経済指標で見ると、日本はどんどん落ちぶれているわけです。それで最近思ったのですが、これって単に為替水準の問題じゃないんか、と。日銀と政府の円安政策によって、日本は基軸通貨のドルに直して世界と比べて見ると貧乏になったわけですが、ふつうに為替水準を元に戻すだけで、先進国の中で中堅国ぐらいになれるように思います。

★大阪梅田はとても賑わっておりました。

 そして、長らく続く円安政策によって日本人は金融的には貧乏になっているのですが、それがコインの裏側だとすれば、表側では、日本を代表する輸出企業のトヨタ自動車がアメリカでも新車販売でトップになり、世界最大の自動車メーカーの地位を築いたわけですね。

●トヨタ 米新車販売で初の首位 90年君臨のゼネラルモーターズ抜く
https://www.fnn.jp/articles/-/294530

週刊金融日記 第500号 トヨタvsテスラ 電気自動車バブルがはじけテスラ株は1年以内に暴落へ
週刊金融日記 第501号 トヨタ自動車がバッテリーEVで反撃の狼煙を上げる

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 2022年の投資戦略のアドバイスをお願いします
- 理系で早慶以上の大学に入学した息子に何の資格を取らせるべきでしょうか
- 30歳の愛人(前職の部下)に新しい彼氏ができてから非モテコミットしています
- ランチをしたり仲が良かった元同僚の女性に子供ができたことを知りショックです
- 自営業者ですが専業主婦の妻に「土曜日も休んで家事と育児をしてほしい」と文句を言われています
- アマゾンのクレカが改悪されましたが政治家は選挙で落とせばよくてもこうしたITインフラとなっている企業は使い続ける他ありません
- 20歳になろうとする学生ですが年金を支払うべきでしょうか
- じつはロスジェネはバブル世代と比較しても生活水準は高いです

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.子供を寮のある学校に入れれば中学受験は割に合います

 Facebookがすでに中高年のメディアになってしまったように、Twitterも良くも悪くも高齢化が進んでいます。若者たちはTwitterを情報収集のために使っていますが、積極的に発言している若者はTwitterにはあまりいません。ビジネス系のフォロワー数多い人たちは、Twitter黎明期はちょっと尖った若手だったわけですが、いまや子育て世代となっています。それで、この人たちが、やれリーダーシップだ、グローバルだ、と「ぼくのかんがえたさいきょうのきょういくろん」を日々垂れているわけですが、もう、これが酷くて見てられません。そんな自分が思うような教育を与えて、それを子供が素直に受け取るとでも思っているのでしょうか。アホです。あなたたちが、どれだけ意識の高い教育の理想を持っていようと、子供は鼻くそほじりながらYouTube三昧ですわ。極稀に、本当に極稀に、親の言うことをよく聞いて、がんばる子供もいますが、本当に例外的です。そして、そういうある意味で「異常な」子供は、大人になるころには、ただの人になるか、それぐらいならいいのですが、何か心の問題を抱えるようになるものです。
 過去に何度か書いていますが、中学受験の最大のメリットは、親が圧倒的な力の差(文字通りの物理的な力)で子供を強制的に勉強させられることです。逆に、だからこそ親の負担は大きいのです。しかし、子供を寮のある中高一貫校に入れることを考えると、中学受験に家族で5年生の夏休みぐらいから1年半程度コミットすることが、トータルで見ると親の負担を劇的に下げることになります。ある意味で、子育てのチートコースがここにあるわけです。

週刊金融日記 第483号 狂気の東京の中学受験を回避して学歴社会に勝つための教育戦略まとめ

 欧米のエリート同士のカップルは家事や育児をお金でかなりアウトソースしていますが(フィリピン人のメイドなどが活躍しています)、子育てアウトソースの究極形がボーディングスクールです。ボーディングスクールというと何かかっこいいですが、単に寮のある学校のことです。上流階級が家事育児を他人にやらせるイギリスは伝統的にボーディングスクールがたくさんあり、年間600-700万円ぐらい払えば、3歳から預かってくれるボーディングスクールがあります。スイスも同様です(こちらは年間1400万円ぐらい)。しかし、他の国だと、ボーディングスクールは中学ぐらいからはじまります。オーストラリアやニュージーランドに中高からホームステイで留学なら、富裕層の子弟が多いこうしたイギリスやスイスのボーディングスクールよりはだいぶ安くなります。海外に子供を留学させる方法とその費用は以下のバックナンバーに書きました。

週刊金融日記 第343号 グローバル資本主義を生き抜くための子供の英語教育 その2

 なぜこうした寮制の学校がいいのかというと、もう誰がなんと言おうと、最大のメリットは子育てのアウトソースに他なりません。子供を寮に入れてしまえば、親の仕事は学校の休暇中に子供と旅行に行くことぐらいになります。子育ての丸投げ、というのは悪い意味ではなく、親にとっても子にとっても良い選択肢だと思われます。中学生ぐらいから子供は反抗期になりますが、これは生物学的に性成熟してそろそろ子供が群れを離れて、さらなる子孫繁栄のために自立しないといけないからです。それを養育期間が現代社会の都合で長引いて、反抗期の子供と親が同居し続けるという、ある意味で動物として異常な状態になっているわけです。動物として異常な状態なのは、一番妊娠しやすく育児の体力もあり余っている繁殖に最適な10代後半から20代前半に子供を生むと、世間から白い目で見られ田舎の学のないヤンキー扱いを受ける一方、子供のいない中年女性が自己実現とかで威張っているなど、現代社会ではこうした動物としては不健全なことは珍しいことではありません。
 そして、何も海外のボーディングスクールなど考えなくても(いまはコロナ禍で無理ですし)、中学受験の延長で、日本には素晴らしい寮のある中高一貫校がいくつもあります。中学受験は親にとっては大変ですが、子供を寮のある学校に入れるために中学受験するのであれば、むしろその後はほぼすべてがノータッチでことが進んでいくため、養育の負担は劇的に減ることになります。
 今週号では、そうした日本の寮のある中高一貫校を紹介したいと思います。

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