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週刊金融日記 第413号 多くの識者や専門家が新コロ禍を過小評価した理由と反中国イデオロギーの人たちが正しく予想できた理由、ニューヨークはあと数日で医療崩壊か、政府要請によりレストラン紹介コーナーは休止、日本の感染の爆発的増加と終息の時期について、他

// 週刊金融日記
// 2020年3月31日 第413号
// 多くの識者や専門家が新コロ禍を過小評価した理由と反中国イデオロギーの人たちが正しく予想できた理由
// ニューヨークはあと数日で医療崩壊か
// 政府要請によりレストラン紹介コーナーは休止
// 日本の感染の爆発的増加と終息の時期について
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 恐ろしいスピードで状況が刻一刻と変わっていますが、新コロ問題ではひとつだけ変わらないことがあります。それは状況が一方的に悪くなっているということです。
 前号の冒頭にちょっとまとめましたが、僕は最初期の頃から新コロの情報は追い続けています。いま思えば運命的なものでしたが、僕は1月下旬に香港のディズニーランドに行く予定だったのですが、直前に香港政府が閉鎖してしまい、行き先をマカオに変えました。フェリー乗り場には誰もいなくて、ゲートでは一人ひとりが検温されるという物々しい雰囲気でした。ガラガラのホテルで美味しい各国料理を堪能できたのですが……。

週刊金融日記 第412号 世界がグリーンゾーンとレッドゾーンに分かれる可能性について

★香港ディズニーが閉鎖され向かったマカオのホテルに滞在し、ガラガラのホテルで美味しいフレンチを食べました。この数日後、マカオ政府は経済のほとんどを稼ぎ出しているカジノ閉鎖に踏み切ります。

 香港やマカオがこのような状態であったにもかかわらず、僕は割と楽観的でしたし、日本のインフルエンサーたちも過剰反応するのはアホだ、というのが主流でした。そして、それから1週間ちょっとして、僕はある意味で手のひらを返し、これは大変なことになる、と警鐘を鳴らし始めたわけです。しかし、その後もずっと日本や欧米の株式市場も反応しませんでしたし、日本の識者もインフルエンサーたちも楽観的でした。

週刊金融日記 第407号 手のひら返しと一貫性について』2020年2月17日

●新型コロナウイルス(COVID-19)の次の感染爆発の地は東京になりそうだ 2020年2月15日
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52168377.html

●新型コロナウイルス感染拡大で株価指数ショートの"Window of Opportunity"か? 2020年2月24日
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52168758.html

 それがいまや世界がこのようになってしまい、各国の要人が感染しては死にはじめ、日本でもたいへん悲しいことに志村けんさんが亡くなってしまいました。志村けんさんはガールズバーなどの夜のお店が好きだったようで、そういうところでもらってきたという話です。
 そして、月曜日には小池都知事が、再び東京は感染爆発の瀬戸際であると警鐘を鳴らし「接客を伴う飲食の場」に行かないように訴えました。

★小池知事 緊急記者会見の詳報
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200330/1000046461.html

★こちらが僕が会見ですぐにでもやってもらいたいことですね。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 日本の感染の爆発的増加と終息の時期について
- 日本はリーマンショック後のような不況になりますか
- 変動金利の住宅ローンを検討していますが金利の上昇はありそうですか
- 文系の大学生はどうして東証1部上場企業の総合職(営業)を目指すのでしょうか
- 最大の新型コロナウイルス対策は尊厳死宣言
- 藤沢先生の著書のアップデートがほしいです

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.多くの識者や専門家が新コロ禍を過小評価した理由と反中国イデオロギーの人たちが正しく予想できた理由

 新型コロナウイルスがこれほどの被害をもたらすとは、多くの識者や専門家が予想していませんでした。しかし、初期からこの重大さを当てた人たちもいました。その辺の事情を、備忘録的に書いておこうと思います。残念ながら、さまざまな識者の発言をさかのぼってタイムスタンプを確認するなど、そうした厳密なことまでしておりませんので、正確性には欠けると思います。しかし、いまのうちに書いておかないと、あとから「歴史」を再現するのはもっと大変になるので、忘れないうちにざっくり書いておきます。
 僕がまだ楽観論で、手のひらを返す前の以下のメルマガを読むと当時の状況をよく思い出せます。

週刊金融日記 第406号 最近まで知らなかったことを10年前から知っていたかのように語る技術 その2』2020年2月11日

 まず、多くの識者が大間違いだった理由は、人間は指数関数の増大、もっと簡単な商売の言葉でいえば複利効果を直感的に捉えられないからです。2月に僕が手のひらを返すときに書いたブログにもくわしく書きましたね。こういうものは自分で手を動かして計算してみる、というようなことができないと実感としてわからないわけです。計量モデルベースの思考が見についていないといけません。こうした指数関数の話は、すでにあまりにも多くの人に語られましたから、今回のメルマガでは触れません。

★過去の事例からのパターン認識やいろいろな意見をバランス良く混ぜる「文系脳」はとことんポンコツだった。

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