大腸の精密検査~一部始終の体験談~

序章~歓迎していない紹介状~

あれは2021年4月の出来事だった…

会社での健康診断を受けた私は、中年という年齢に達したこともあり、これまでよりも多くの項目で検診をしてもらった。

そしてその結果でコレステロールと大腸に異常が見つかり、精密検査をするハメになったのだ。

私はヒョロガリである。

コレステロールの異常とは無縁と思っていたが、流行の16時間断食を毎日おこなっていたせいで1食の量が増えていた。

「ヒョロガリのキャパをオーバーしてしまったのでは?」
検診の結果をかかりつけの医師に相談するとそんな言葉が返ってきた。

「ぐ、ぐぅ…」
私はぐぅの音も出なかった。

けっきょく断食を辞めて、2週間後に精密検査として大腸の内視鏡と採血をすることになった。

第一章~下剤との戦い~

「若いから下剤での腸内洗浄は自宅で行ってもらえますか?」
予約の際、高嶋ちさ子似の看護師に言われるがまま、大腸検査の前日から、自宅で下剤を飲むことになった。

前日の食事は制限があり、消化が良く腸に残りにくい食べ物を摂取したし、夕食も抜いた上で、短期決戦のつもりで19時ごろから下剤を開始した。

下剤は次の2種類があった。
・前日に飲む180㎖のもの
・当日の朝に飲む2ℓのモビプレップという下剤

前日に飲んだのはレモン系の炭酸飲料のように爽やかで飲みやすかった。

深夜2時、最初の下剤の服用から7時間後、きた。腹痛だ。
そこから1時間起きにトイレへ向かったので睡眠は取れなかった。

そして下剤のせいで満腹感がある状態で、6時30分から飲む必要のあるモビプレップの準備を開始した。

ただ、これは失敗だった。
モビプレップはクソまずい。飲み続けるのは拷問である。

少しでも飲みやすくするために、前日に作り冷蔵庫で冷やしておいた方がいいと後悔した。

180㎖を10分かけて飲み、もう一度180㎖を10分かけて飲み、そのあと水180㎖を10分かけて飲む。
この30分のサイクルを、便のカス・にごりがなくなるまで延々と繰り返す。

まずいし腹一杯で地獄だった。早く終わってほしいと無神論者ながら神に祈る始末だった。

4サイクル目、1ℓ以上下剤を飲んだところで便は尿のように変化していた。

解放である。しかし、水分を出し過ぎて脱水状態になったのか、もしくは寝不足からか軽く頭痛がしていた。

少し休むと回復し、時間になったので、病院へ向かった。

第二章~初体験~

肛門にカメラを入れる。どんな感覚なんだろうと不安だった。

尻のところが空いたパンツとフカフカのガウンに着替え、簡易ベッドに横になる。

麻酔は点滴。

順番が来て横向きになり、肛門を丸出しにされる。若い看護師さんだった。
ケツ毛がボーボーで「ケツ毛ハンバーガー」とも言われる私のケツ毛を見て、何を思ったのだろうか。

肛門にローションを塗られたとき、何とも言えない恥ずかさと気持ち悪さを感じた。

ここで眠くなる薬を点滴に投入、意識が朦朧としたが、眠りには落ちなかった。

「いくよ?」先生の声と同時にカメラが中に入ってくるのを感じたが、それから先の感覚が麻酔のおかげで全くなかった。

いつ奥まで入れるのかな?と思っているうちに検査は終了した。

ケツ毛も無事だった。

終章~きついのは検査でなくうんこ~

大腸の内視鏡検査自体は麻酔をすれば楽勝である。

本当の闘いは下剤でうんこを透明にしていくフェーズだ。

絶対に下剤は前日に作り、しっかり冷やしておくことをおすすめする。

また、ポリープ切除などの施術をした場合は1週間ほど運動、重い物を持つ、旅行や長時間の運転、温泉などができなくなる。

検査前にできることをやって予定を開けておくとゆっくり療養できるだろう。

これから検査を受ける人、頑張ってね。

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