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【瀬川の良さと細かな駆け引き】J2 第35節 柏レイソルvs東京ヴェルディ レビュー

前節、前半マテウスサヴィオの負傷で歯車がずれてしまったレイソルは前半こそ難しい時間帯を多く迎えるが後半厚みのある攻撃で逆転勝利を収めた。


今節は前回対戦で0-2と無得点で終わった東京ヴェルディをホームに迎えてのゲームになる。
前節負傷したマテウスサヴィオも復帰してより厚みのある攻撃と守備面の変化、そして会場の雰囲気で相手を圧倒できるか注目してみました!


まずはスタメンから❗️
・柏レイソル

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前節負傷交代したマテウスサヴィオは復帰し、前節同様左サイドハーフに。そして小林と変わり前節後半からゲーム全体をコントロールしていた大谷をボランチに❗️

前回対戦で無得点に終わっているからこそ今回は相手を圧倒したゲーム展開に期待したいですね❗️

注目選手
・瀬川祐輔
・三原雅俊
・マテウスサヴィオ

・東京ヴェルディ

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前節大宮アルディージャ戦ではセットプレー2つからの失点をしてしまい0-2と敗戦をしてしまったが、ヴェルディらしい細かな局面の打開やクレビーニョのパワフルなシュートは印象的だった。

今節はそのクレビーニョを右SB、ボランチに森田をチョイスし、小池を一個前のポジションで使い、左には新井がはいる。河野のCF起用は0トップも考えてなのか!
凄く選手起用からワクワクさせられるようなチームですね!

注目選手
・上福元直人
・クレビーニョ
・梶川諒太

1.前半開始から見えた守備の変化

前半開始から見えた前節までの守備との違いがあります。

前節までは古賀が高い位置を攻守で取ることが多かったことから中央を経由されたり外→外で背後のスペースをつかわれることが多く、古賀、鎌田の間にも距離のある段差が出来てしまったことでカバーが遅れてしまう現象も起きてしまった。

では今節はどうなっていたのか。
マテウスサヴィオが出場していたこともあり前節できなかった守備ができていたと感じました❗️

(前節までの4バック

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このように古賀が若干高い位置を取ることで鎌田との段差と背後の大きなスペースが生まれそこを狙われるシーンが多かった。

今節は上の図のように高い位置取った古賀の背後のスペースを使われていた部分をマテウスサヴィオの出場により、そもそものマテウスサヴィオの運動量+守備意識の高さから、古賀の高い位置での守備範囲を軽減すること、そしてこれにより古賀は守備時にあまり高い位置を取らなくても良くなりました。

なのでいつもよりも数メートル後ろにポジションを取れました。その結果4バックのラインは段差がなく古賀も背後のケアをしやすくなったというわけです。

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※サヴィオの守備範囲が丸枠だとすると古賀は高い位置を取らなくても丸枠の部分はサヴィオがケアしてくれるので無理に前に出たり動き回ったりすることがなくなります。
そして4バックを無理に崩すことがないので背後のケア+全体のスライド時のバランスが良くなりました。

そして深い位置に入れられても1対1の守備が強い古賀は対応できますし、時間を作ればサヴィオ、大谷がケアに戻ってきます。
中村航輔がシュートストップしたシーンは全体のラインが深かったことでハーフスペースが空きそこからクロスを上げられる形になりましたが、このシーン以外殆どやられなかったんじゃないかと思います。

2.瀬川がサイドバックでいい理由

次にこの試合でも瀬川がサイドバックでスタメン出場を果たしていますが、なぜ瀬川をサイドバックに置くのか。
自分の意見を簡単にまとめてみました✨

①より攻撃的に❗️

1つ目はより攻撃的にと言うことで元々攻撃的なポジションをこなす瀬川選手をサイドバックに置く利点はまずは攻撃でしょう。

同サイドにクリスティアーノがいる右サイドではクリスティアーノが作ったタメを追い越す選手が必要です。(またオルンガや江坂が流れてきた時も同様) その追い越しのクオリティーの高さは瀬川にはぴったりな役割でしょう。

そして自分からフィニッシュを決めに行くこともできる選手です。そういったことも含めて瀬川のサイドバックは効果的だと思います。

②攻守にわたっての豊富な運動量

次に運動量の豊富さ。
攻撃的なサイドバックはJリーグでも数多く存在しますし、その中でスピードが速い選手も多くいます。その選手たちの中でも瀬川は質の高いスプリントを多くすることができます。

攻撃で言えば上記でもお伝えした前線の選手がタメを作った時の駆け上がりやサイドチェンジをする際の右サイドハーフが内側を取った時の背後でボールを受けたりと1個、2個相手の脅威になる局面をプラスして作ることができます❗️

続いて守備面について。

守備について駆け上がりをした選手はやはりそこにパワーを使う分守備時の切り替えは若干遅くなってしまいます。そしてそこの空いたスペースを使われてカウンターを決められることだって少なくないです。
しかし瀬川の豊富な運動量は攻撃で追い越したりフリーランをした後でもすぐに持ち前のスピードを生かして撤退することができます。

この攻守の良さをフルタイムでこなせる選手はそういないです。

③対人の強さ

最後にこの部分が僕の1番の瀬川の良さだとおもっている部分で、元々サイドハーフで出場していた選手ですが、前線からのプレッシャーをかける際のスイッチになっていました❗️

その時の経験からサイドバックで出場している試合では確かにサイドバックとしての能力はまだ不十分なところはありますがやはり人に速く、そして強くアタックすることはできます。そして抜かれても粘り強くついていくことができる。

抜かれた後のカバーや背後のスペースのケアはよく染谷がカバーしています。

以上3点が僕が瀬川がサイドバックでいい理由であると共に、良さなんじゃないかなと思います❗️

3.得点に隠されたハイボールの難しさ

前半29分試合が動きます。

この時間帯レイソルにペースが流れていた中でコーナーキックのチャンス。サヴィオからのボールはオルンガの頭へ行きゴールネットを揺らす。1-0

このコーナーキック皆さんはどうお考えでしょうか?
一見オルンガが上福元よりも高い位置でヘディングをしたことによる得点になりオルンガすげ〜となっていますがGK視点から見ればこれはGKのミスが関係したことにもよるものになっていたと思いました。

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まずは上福元がハイボールを出ようとしたシーン。
黒の丸枠のところにボールがあります。
かなり高めのボールだったのでこれをトライしに行ったのでしょう。この選択は僕もいいと思っていて、やはりハイボールをトライできるキーパーはいいですよね❗️
ですがこの後の対応が問題だったのかなと思います。

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ヘディングを1.2秒前がここ。
上福元はゆっくりと落下地点に入り対応しようとしていました。
なのでゴールシーンを見てもらえばわかると思いますが助走がほぼ大股で落下地点に入った時に両足飛びになります。

しかしこの出方が僕は良くないと思っていて、ハイボールの助走には上に飛ぶにも相手とのコンタクトを取るにもスピードが必要です。
そしてすぐに落下地点にはあるのではなく自分の取れる最高到達点でとらなければならないと思います。

今回のハイボール処理では先に落下地点に入ってしまったせいであまり高く飛べず、また勢いもなかったのでシンプルに相手に競り負けてしまいます。
また相手はオルンガです。
あの高さからヘディングをして来れる選手だからこそなお相手の前で、そして勢い持っていかなければならなかったんじゃないかなと思います。

上福元選手はステップワークもいいだけにこう言ったハイボール処理の部分を見直していけたらなお良くなるんじゃないかなと…

そして前半35分またもオルンガからゴールが生まれる。

左サイドでクリスティアーノが相手のボールをカットするとオルンガとのパス交換。ここで相手を引きつけ逆サイドに展開し瀬川がランニングしていたスペースに❗️
ダイレクトで中へクロスを入れファーサイドから流れてきたオルンガが相手と入れ替わりゴール❗️2-0

瀬川の良さとオルンガ、クリスの良さが出たゴールになりましたね👍

4.3点目に見えた惹きつけるステップ

後半79分梶川のクロスを跳ね返すとそのままカウンターへ。

今回僕はこのカウンターについてどこに注目したかというとジュニオールサントスのステップとコース取りに注目して見ました。

まずスタートポジションはここから。

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ここから画像のような矢印の方向にいき次の位置どりになります。

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ここまではよく見られるカウンターの位置取りで3vs2の構図になります。
この時のジュニオールサントスのタッチもスピードに乗るために大きなタッチになっていました。

ここからが僕の注目していたポイント

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バイタルに近づいた時サントスはDF二枚の間の真ん中に仕掛けていたドリブルを丸で囲った選手の方に仕掛けるようになります。
そして相手との間合いも考えて細かなステップになります。

すると丸枠の選手に近づいたこともありまた細かく若干スピードダウンしたサントスのドリブルに対して後追いしてきたDFと挟み撃ちになりますがこれが良かった。

まず丸枠のDFに仕掛けたことでDFのクリスティアーノへの集中が一瞬サントスの方に向きます。そしてもう一枚のDFもシュートブロックのため間を閉めます。
後追いしてきた選手はそのままボールホルダーに。

この三枚がサントスに矢印を向けたことでクリスティアーノはガラ空きの状態でボールをもらうことができ時間とスペースができたクリスティアーノは落ち着いてゴールを決めました❗️3-0

このシーン1番のポイントはステップの変化
DFに仕掛けたことによって注意がボールホルダーに向いたわけですが、単に大きいドリブルから細かいドリブルに変化したこの瞬間のステップが相手のリズムを狂わせ意図せぬタイミングでパスを出すことに成功しました。
なので出された瞬間は背中周りでボールを追うしかありませんでした。

ここはジュニオールサントスの上手さが出たシーンになりましたし、駆け引きがちになったのかなと思います。


試合終了

今節の試合ではやはりオルンガが凄い❗️という部分も見られましたがGK視点的にはあのハイボール処理はよくなかったのかなと思います。
このハイボール処理の部分に相手がオルンガだったから等はいろんな意見があると思いますので色んな方の考察があっていいのかなと思います❗️

僕的にはまずは瀬川の良さがしっかりと出た試合になり、また徐々にマッチしてきたジュニオールサントスがこの先どんな脅威的な選手に変化していくかと期待を持てるゲームになりました❗️

最後に

最後に今回Haru10(@oaowegasb10)さんが東京ヴェルディ視点で今節の試合のレビューを書いてあります❗️
僕なんか足元にも及ばないくらい凄い内容が書かれているので是非みなさん見てください❗️


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