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不思議な話7 「鏡」

 オープン前から勤務していた施設でのお話です。

 施設が完成し、ご入居者の受け入れの前の、職員研修を行っていたときに、不思議なことが起きました。

 研修中は夜間は無人になるため、最後に職員皆で戸締まりや、消灯の確認をしていました。

 2階の戸締まりをしていたグループの数人が、あわてて私のもとに走ってきました。

 2階に個浴(お家にあるような浴室)の脱衣室の鏡が落ちているという報告でした。

 現場に行くと、鏡は外れて床に落ちていましたが、ゴミ箱の上に落ちたためか割れてはいませんでした。ゴミ箱は大破していましたが……。

 職員に怪我もなく、ゴミ箱を片付け、鏡が割れないようにし、上司に報告して皆退勤しました。

 翌日建設会社に連絡し、見にきてもらいました。

 建設会社の人は「こんなん引っ張っても取れませんし、ゴミ箱の上に落ちたからといっても、鏡が割れてへんのが不思議ですね?」と、首をかしげていました。

 その日は、鏡を再度取り付けて、他の鏡も確認をしてもらいました。特に異常はなかったそうです。

 しかし、不思議なのは、浴室の横の食堂で研修をしていたのに、誰も物音を聞いていないことです。

 鏡が落ちた頃は、各ユニットにわかれて、オープンの準備をしており、休憩もそこでしていたため、無人になることはありませんでした。

 日中に職員が浴室に入ったときは、異常がなかったので、本当に不思議でした。

 まあ、取り付け方が悪かっただけなのかもしれませんが、4ヶ所を壁にとめるようなものだったと、記憶しています。

 同じ鏡は何ヵ所もあるのに、それだけ取り付けが甘いというのもなぁ……。

 本当に不思議でした。

 

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