見出し画像

不思議な話 1

 ある開設したばかりの施設内で勤務していたときのお話です。怖い話しが苦手な方は、ご注意ください。
 
 まだ入所者もあまりいない頃でした。私は、自力で起き上がれない方々が主に入所しているフロアの夜勤をしていました。消灯後に詰所で記録などの業務をしていると、廊下から「キュッキュッ」と小刻みな歩行をしているような足音が聞こえてきました。しかし、そのフロアには、歩行できるご利用者はいません。しかし足音は私の横を通り抜けて進んで行きます。その施設は、特徴のある構造で曲り角が多い回廊型でした。そのため、なかなか追い付かず姿が確認できませんでした。次の角を曲がれ追い付くと思ったとき、足音が止まると同時に、足音が止まった辺りの居室から
「わぁ!」
と大きな叫び声が聞こえてきました。声のしたご利用者の居室にいくと、怯えた表情で私の腕をつかんでこられました。普段あまり声を出すことのないご利用者の為、状況を確認することはできませんでした。しばらく付き添い、落ち着かれてから再度フロア内を確認しましたが、誰もいませんでした。
ちなみに、足音は入所者のある方向とは反対側から聞こえ、ご利用者の居室がある方へと歩いていきました。 
未だにその足音がなんだったのかは分かりません。 

 その施設では、度々不思議なことが起こっていました。また機会があれば書きたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?