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【日記】下鴨便り、オーダーはいつも甘カツ大盛りサラダ付き、京大病院前ビィヤント 

 体感温度40度越えの昼下がり、バス通り横の歩道の上に、ランチ待ちの行列ができている、いつものように。ランチ時間は混み合うので、午後1時過ぎを狙ってチャリで行ったのに、タオルで汗を拭いながら待っている人が、3人。

 暑くても、寒くても、無性にいただきたくなる、辛い辛い、京大病院前のビィヤントさんのカレー。

 「ここに昔、よく来たんだ。。」と、横にいる息子さんらしい男の子に、懐かしそうに話しかけている白髪のオジサン、足元に置かれた歩道の上の 番号札をアタクシに教えてくれる。 「学生の頃やから、30年以上前だけど、お店は変わんないなあ。。。」

 順番が回ってきて、二人が先に入り、後からアタクシが入って、カウンターの横に並んで、高椅子に座る。
 
 10席だけのカウンターだけのお店、その中で、マスターが、黄色いサフランライス風のご飯を大きな丸い皿に平たく広げて、草鞋風のトンカツを乗せて、奥さんらしき方に手渡すと、そのトンカツを ねんきの入ったまな板でサクサクと縦横に切って、また白いお皿に戻して、マスターに手渡す。
 店内いっぱいに、そのサクサク音が響き渡ると、揚げたてのトンカツの味覚が音から、喉に伝わり、喉の奥から唾気が湧き出してくる。

 カレー専門店、カレーしかないから、オーダーは、6種類だけ、
甘口、中辛、辛口の、ビーフ、チキン、ベジタブルとシーフード、そして、サラダ。
 すべて手作り、トンカツも、注文が入ってから揚げて、サラダも食前にキャベツをドレッシングと混ぜ合わせて、出してくれる。

「昔から、こういうカレー?」、学生さんらしい息子さんが突然訊いてきた
「そうだよ、この味、この辛さ、中辛でもこの辛さ、、、」
二人とも、おんなじ、トンカツ、中辛、サラダの、”トンチュウカラサラダ”

「30年ぶりなんですよ、こちらにお邪魔できたのは。」
と、オジサンが言うと、マダムさんが、
「変わんないんですよ、前のママの頃から、ずっと」と、答えた。

 自分の学生時代の思い出のカレーを、同じ学校の学生になった、自分の息子と一緒に食べられるなんて、なんと、しわせな。。。。
 
 出がけに、マスターとマダムと目があって、
「いや、僕もね、京都の学生になって、こちらのカレーをいただくのを夢見ていたんですけどね、他の私立にも入れてもらえなくって、結局、東京の学校にいっちゃったんですよねー、友達は法科に入ったんやけど、アタクシは今こうして病院にしか来れなくって、、、、、40年も前の話やけど。」
 
 そんなしょうもないことを言ったら、アタクシの背中に向かって、マスターとマダムが、「また、いらしてくださいね、、」、と言ってくれた。
 その笑顔の言葉が、めちゃくちゃ背中に温かく響いてきた。

#並びの近所には、京大吉田寮
#懐かしの、「立て看」
#店内は写真撮影禁止 、なのでカレーの写真はありません。





 

 


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