地方の財政状況(1)
各地方財政について調べてみた
国については簡単に調べたことがあるが、地方の財政についてはあまり調べていなかった。だけれども、明石市や安芸高田市のように市長が中心になって改革をしている姿を見て、興味を持つようになった。
簡単なバランスシートや損益計算書を見ることができるが、国や地方財政については、収入は歳入と言われており、支出は歳出といわれている。収入である歳入は、市民からの税金が中心になるはずだが、地方財政では、国や県からの交付金も多い。
一人あたりの歳出
歳出は、市町村の支出だ。つまり、市町村に住んでいる人たちのために使われるお金となる。個人的には、それほど地方と大都市では大きな差がないと思っていたが、一人あたりの歳出に変換すると大きく違うことがわかった。
まずは、以下を見てほしい。歳出費を人口でわった値になり、一人あたりの歳出費を算出して、少ない順に並べた。つまり、上記の千葉県佐倉市は、年間に34万円程度のサービスを市民に対して提供しているということになる。月当りに変換すれば、3万円程度だ。
私は、自分が地方自治体から何かサービスを受けているという印象が少ないためか、3万円ものサービスを受けているんだというのはやや驚きだ。何に使われているのかまでは、今回は調べていないが3万円ものサービスを受けている気はしなかった。家族4名だと12万円だ。しかも、これは最も一人あたりの歳出が少ない地方自治体の話だ。
では、地方自治体のうち、一人あたりの歳出が大きい自治体とその金額はいくらになるだろうか?。それを以下にまとめた。
傾向としては、離島に対しては歳出が多い。最も多い新潟県栗島浦村は一人あたり950万円もの歳出費があり、950万円分のサービスを一人あたり受けていることになる。驚愕ではないだろうか?。月では80万円だ。
80万円!。日本の平均年収が400万円と言われている中で、年間950万円で、月80万円のサービスを受けている自治体が存在するのだ!
決して、その地方自治体に対する非難ではないが、事実として驚愕しないだろうか?。何か特殊な要因があるかもしれないのだが、これは少し調べてみたい。
全体の傾向はどうなのだろうか?
一般的な傾向として村になれば、一人あたりの歳出費が増えていく傾向にあるようだ。以下の表では、地方自治体の区市町村の区分により、一人あたりの歳出を計算してみた。これを見ると、区よりも村のほうが2倍近くの歳出費が出ている。
これを更に都道府県別に区別したのが以下の表になる。比較的、首都圏は低く、かつ地方のほうが高い傾向にあるように思える。また過疎が進んでいる地方の方(鳥取県や島根県、高知県等)が高い傾向にあるように見える。
地方では、独自の財政だけではやっていけないのでは?
単純に考えて、地方の方が一人あたりの歳出が多いのは理解ができる。人がまばらに住んでいるために、インフラ等の整備が困難なのだろう。しかも、地方の方が収入が低い傾向を考えると、住民税も多いとは考えにくい。となると、国や県からの交付金が多いのではと想像できる。
地方は自治が当然だと思っていたけれども、自分たちで自治できる地方自治体は限られてきそうだ。基本的には国や県に頼らないと、インフラの維持ができない地方自治体がたくさんあるのではと想像している。
これからも、継続してここらへんを調べていきたいと思っている。
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