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そして波風が立たない

メフィスト賞、2024年上期の座談会が公開されました。
私、数田朗も作品を投稿していました。
連絡がないのでまあ受賞ではなかったのは理解しつつ、どうかな〜と結果を待っていましたが、いやあ、ダメでしたね。連敗記録更新です。
印象に残った作品にも載っていませんでした。う〜む。

今回自分は人生で初めてちゃんと長編を書きました。
『その不確かな実りを讃えよ』という作品です。
約14万字、440枚なので、まあ、間違いなく長編と言っていいでしょう。

こんな話です。

――この世界には、男しかいない。
世界から女性が漸減する『デヴィエーション』。原因不明の異常事態に見舞われた人類は、生き残るための道として男性同士の精子から採取した遺伝子を結合し子孫を残す方法を発明する。しかしその遺伝子結合によってさえ、生産できるのは男子に限られていた。
そして現在、世界の人類はほぼ男だけで構成されている。男女間での性行為で誕生した純子(じゅんし)は、現在では数少なく、女性は中央(センター)と呼ばれる場所に集められ、そこでセックスをし次世代の子供を出産していた。
世界の人々は恐るべき適応力で変化する環境に順応し、世界は均衡を保っているかのように見えた。
これはそんな奇妙に単純化した世界の、三人の高校生が主人公の物語。
ユウトには最近劇団員の恋人ができ、連日公演に顔を出している。ある事件をきっかけに知り合った二人は、もうすぐ出会って一周年になるところだ。彼らは愛のかたちを知ろうとしていた。
トウジはずっと、何かもやもやした感覚を抱えていた。しかしそれを、彼自身もはっきりとは認識していない。そんな彼はあるきっかけから、自分の欲望のかたちを理解することになる。
そして成績優秀なアタル。純子である彼は、成績優秀・品行方正を評価され、ある日中央から招聘される。トウジへの恋心を抱える彼は、自身の行くべき道に逡巡する。彼が知りたかったのは、人生のあるべきかたちだった。
そして彼らはそれぞれの道を行くことになり、別れ、そしてそれぞれの理由で中央へ趣く。
はたしてそこで再会する彼らが出会うのは、どんな運命なのか。
愛すること。生きること。
三人が性と欲望にまみれた不確かな世界で知る、新しい希望のかたち。

う〜ん、ダメですか?(笑)

ジャンル的にはいわゆるディストピアものという分類になると思います。

この作品の構想というか、着手は二年以上前からしていて、何度か挑戦して挫折している作品でした。
当初からメフィスト賞を射程に入れてはいたものの、同時に文藝賞も提出先として考えており、途中まではやっぱり文藝賞かな……という迷い方をしていました。
枚数が400枚を超えた(文藝賞は上限400枚)ので、そこからメフィストに絞って執筆しました。

で、まあ、ダメでしたね。
う〜んあれかな、あまりにも尖りすぎてたかな!?笑
……冗談です。
真面目に分析すると、エンタメなのか純文なのかはやっぱりはっきりさせて書いたほうが良かったんだろうなと思います。

メフィスト賞はミステリに限らず挑戦的な作風の作品が多く輩出されているので、越境的な作品でもいけるのかな、と思ったんですが、やっぱり厳しかったみたいですね。エンタメとして弱かったんだろうと思います。

まあでも、書いちゃったものはしょうがない。
最終的にメフィスト賞にしか出せないと思ったのだからしょうがない。
それで向こうが振り向いてくれなくても、これまたしょうがない。

いずれにせよ落選が事実です。はーかなし。

というわけで応募が終わってから「ダメだったらどうやってこの小説発表しようかな」ということはずっと考えてました。
文学フリマ(大阪or東京)での同人誌発行かな〜と思っていたのですが、長さ的に本の値段もあがりそうですし、今までの出している作品と傾向が変わるので、そのあたりで色々と悩む。
最近カクヨムを始めてみたので(実は新作も載っております)、とりあえず一旦そちらに掲載することにしました。
こちら『その不確かな実りを讃えよ』
連載形式でちょっとずつ載せておりますが、今月中には完結まで掲載される予定です。

まあでも、直後に友人と残念会をしたからか、思ったほどのネガティブには突入していません(今のところ!)。
むしろ、最近ずっと筆が止まっていたので、やっぱり頑張らないと、という気持ちになっているので、まだまだ頑張りたいですね🌾

カクヨムの方あまりアクセスないので、気になった方はぜひ覗いてくださると嬉しいです。では〜

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