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これからのマーケティングは「人の気持ち」にアプローチする

◯正直にお客さんの問題を解決しようと考える
◯正直にお客さんとの信頼関係をつくる事を考える
◯正直に実践する人がこれからの時代の波に乗る人なのです。
時流を知らない経営者はテクニック(やり方)に答えがあると考えている。
時流を知っている経営者は「あり方」に答えがあると気づいている。
この差は…想像以上に大きなものとなるのが今の時流だ!



ビジネスや商売をする人にとって、時流を知ることは大切なことです。

川上に向かって、船を漕ぎ進めるのと
川下に向かって、船を漕ぎ進めるのでは、どちらが早く進んでいけるのかは、誰でも分かりますよね。

ビジネスや商売も同じことが言えます
時流を知り、その流れに沿って進むのと
時流を知らず、その流れに逆らって進むのでは、同じように努力しても、進める距離が違うのです。

同じやるなら「流れに乗る」方が、早く目的地に到着することができるんですね。

では、今、ビジネスや商売の時代の流れはどうなっているのでしょうか?
それを知るために、人々の価値観の移り変わりを、早足で見てみる事にしてみましょう。

今から50年前…ぼくが生まれた頃
「百貨店が時代の中心」という時代がありました。
休日に百貨店に出かけ、多くの商品が美しく並べられているのを見るのが、人々の幸せだった時代です。
そして、百貨店に並べられている、普通のお店よりも高級で高い商品を購入するのがステータスだったんですよね。

なぜ、多くの商品が美しく並べられているのを見て、幸せを感じたのか?
たぜ、普通のお店よりも高級で高い商品を購入するのがステータスだったのか?

それはこの時代は、まだまだモノが不足していたので、「モノ」があることが、人々の喜びであったからです。
つまり、この時代、人々の価値観は「モノ」だったんですね。

ですから、この時代は「モノの豊かさ」というのが、ビジネスや商売を発展させるキーワードだったんです。

それから10数年の年月が流れると…
「スーパーが時代の中心」となる時代が訪れます。
この時代になると、だんだんと豊かになり、人々の生活の中に、モノがあふれだします。

そうなると、人々の関心は、モノが簡単に、そして安く手に入る事に移っていくのです。
それを証明するように、スーパーの時代よりも少し遅れて、「ディスカウントショップの時代」がスタートします。
また、通販やテレビショッピングもどんどんと売上を上げるようになります。

人々がモノを安く買えることで喜びを感じていた時代。
この時代、人々の価値観は「価格」だったんですね。

ですから、この時代は「品数が揃っている」こと、そして「価格が安いこと」というのがビジネスや商売を発展させるキーワードだったんです。

そしてそこからさらに10数年の月日が流れると…
「コンビニの時代」というのが訪れます。

コンビニはスーパーのように安くない。
でも片道15分も20分も時間をかけてスーパーに行くなら、少しくらい高くても、帰り道に買い物ができる方がイイ…
多くの人がそう思うようになったんですね。

自分の時間を持つことを喜びと感じることができた時代。
この時代、人々の価値観は「時間」になったのです。

ですから、この時代は「より時間をかけないで済む事」というのが、ビジネスや商売を発展させるキーワードになったのです。
通信販売の売上が大きく上がったのも…この時代です。

そして
日本はバブルに突入していきます。これは少々特殊な時代です。
ほとんどの業界で経済は右肩上がり

一晩眠れば、土地の値段も跳ね上がる…
日本企業は、その経済力にものを言わせ、アメリカの会社や土地を買いあさりました。

この時代の流れに、人々の価値観は完全に狂わされます。

そしてバブル崩壊…
あまりにも自分たちの価値観が経済(お金)に偏っていたことを人々は反省しました。
そして、移り変わる経済よりも、より本質的なものに、目が向けられていくのです。

もちろんバブルが崩壊し、収入は減ったものの、相対的に物価が下がり、不景気になったとはいえ、モノを手軽に購入することができ、モノがあふれていた事も、より本質的なものに、人々の目が向けられた理由でもあるでしょう。

「衣食足りて礼節を知る」という言葉がありますが、人間は物質的に満たされると、より本質的なものに目を向けることができるようになるんです。

「モノ」から「価格」そして「時間」へと、人々の価値観が変わってきた事…理解していただけましたか?

では、今は、いったいどんな時代なのでしょう?

バブル崩壊後、最も時代を象徴するのは、インターネットの発達です。
パソコンや携帯と言えば、バブルの頃には、金持ちやビジネスで専門的に使う人だけのものでしたが、今では、一人に1台以上あるのではないでしょうか?

とにかく、ネットの発達には目を見張るものがあります。こういうモノには無関係と思われていた60代以上の方での、気軽にスマホを使いこなすようになってきています。

そんな時代を象徴するようなネットの世界。
この時代を象徴するネットの世界で、今、どんなところが売上を上げているのかというと

アナログを前面に出している会社やお店なんです。

完全なデジタル世界であるネットの世界で、注目を浴びているのは、超アナログなのです。
そして、この傾向は年々強くなっていると言えます。

例えば…
数年前にネットでパンを売ろうと思ったら
「無添加です」「天然酵母を使用しています」など、言うなれば、パンの性能的な部分をPRすれば売ることができました。

しかし今は
「夫婦で朝4時からお客様に笑顔で食べていただく事を考えながら、一生懸命、生地をこねています」というようなコトを書く方が売れます。

つまり、売ろうとする製品の性能や機能を書くよりも
どういう思いで作ったのか?
どういう思いで販売しているのか?

といった、アナログ差を前面に出す方が売れるのです。

これはネットの世界だけのことではありません。
スーパーでも野菜売り場に、生産者の顔写真が貼られたりしていますよね?

これは野菜を並べておくだけよりも、生産者の顔写真を貼った方が売れるからです。
これも生産者単独の写真よりも、生産者が家族と写っている写真を貼った方が売上が伸びるんです。

更に写真の横に「どういう思いで野菜を育てているか?」といった、こだわりや思いを書くと、さらに反応が良くなるそうです。

なぜ、こんなにアナログなものが人々に受け入れられるのか?

それは時代がより本質的な「心の時代」になったからです。


ネットの世界でも実際の商取引の世界でも…
そこに「心」を感じた時に、人々はそこに集まる時代になっているのです。


でも、これは人間の性質から考えれば、別に特別な事ではありません。
前にも書いたように人間は基本的な欲求の中に「集団欲」というものを持っています。
集団で暮らし、そこに心の交流を感じた時に、人は安心感を覚え、幸せを感じるのです。

「核家族」という言葉から誕生して数十年。
親子三代の大家族の時代から、親子2代でくらす小家族の時代になりました。
子どもたちを地域で育てていた時代は終わり、両親だけで子どもを育てる時代になりました。

そして今…
核家族の中でも家族がバラバラの生活サイクルで暮らしている。家族の会話がない…という家庭が少なくありません。
もちろん、地域で子どもを育てるなんてこともなくなりました。
「隣にどんな人が住んでいるのか知らない」という人も少なくないのです。
マスコミはそんな時代を反映してか「個族の時代になった」と言います。

しかし時代が変わっても、人間の基本的な欲求は変わりません。
人は、人とのつながりが欲しいのです。
ですから、つながりを感じるために、ラインやフェイスブックのようなSNSでつながったりするんです。

モノがなかった時代は、人々は「モノを豊かにする」という目標がありました。
でも、モノも豊かになり、週休二日や大型連休などで時間もある程度できた。
だからこそ、人々は心のつながりを強烈に欲しているのです。

このように様々な要因が絡み合って、心を中心とした時代になっているのです。

時代の流れが心の時代になっていることを理解していただけたでしょうか?

心の時代だから「より気持ちを大切にする」、「人を尊重する」というのがビジネスや商売を発展させるキーワードになるのです。

この時代、人々に受け入れられるのは『人間臭』です。
人間臭いほど人様に好かれます。
会社やお店も、人間の香りがするとお客様が集まります。
デジタルのネットの世界だって、人間臭のするアナログ的な方がアクセスされます。

個性の時代…
一部のマスコミはそのように書きたてますが、別に強烈な個性が受ける…というわけではなく、普通でもいいのです。
そこに人間としての匂いを感じるかどうかなのです。

こんな時代なのに
世の中には、まだまだ、売上を上げるためには、その為のノウハウがあって、そのノウハウ通りにやれば売上を上げることができる…
お客が足を運びたくなるテクニックやお客を買う気にさせるテクニック、お客がお金を払いたくなるテクニックがあって、それさえあれば売り上げは上がる…
そんな風潮が根強くあります。

不景気で売上を上げるのに四苦八苦している会社やお店が多いからこそ、多くのビジネスや商売をやっている人がそちらに目を奪われてしまうのかも知れません。

もしあなたがテクニックさえあれば売上を上げることができると思っているとするなら…
あなたはお客様に飽きられ、嫌われ、忘れられる日が来ることになるでしょう。

ビジネスや商売は一時だけ売上が上がっても意味がありません。
長く売れ続けなければ、意味がないのです。

そして長く売れ続けようと思うなら、テクニックやノウハウなどの方法論に頼るのではなく、本質の部分において、お客様にチョイスされるようにならないとダメなんです。

今の時代は「心の時代」です。
ですから、お客様は本質に敏感に反応します。

そういった意味でも売上を上げたいのなら…
お客様に対してどのような思いを持っているかが重要視される時代になってきているんです。

モノやサービスがあふれている時代だからこそ…
お客様はより本質的で、本物の想いを持った人から、モノやサービスを受けたいと思っているのです。

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