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「おしごと」が「お仕事」がAIで消え、「推し事」しか残らない時代の生き残り方は?GPTの山の登り方とAppleの登り方の違い--深津さん、けんすうさんとの対話

けんすうさんと深津さんと、あらゆる未来について話したよ!後編です。
雑談なので、どこから読んでも味わえます。

一応 前回(中編もXでシェアいただけると無料で読めます,前編は中編からとべます)

AIスタートアップと秋葉原

けんすう:最近、英語の勉強やってんですけど、結構効果的なのが、

  • 日本語のURLをChatGPTに入れて

  • 英語で要約してくださいって言って

  • 英文を出して

  • それを音声で聞く

というやり方です。

深津:逆にやるんですね。

けんすう:逆方向でやります。

音声で喋ってもらうと、結構学習速度が上がリマス。また、単語とかのレベルも指定できるじゃないですか。「もうちょっと単語のレベル優しくして」と指定すればすぐに変えられるので。

なんか学習の効率がもう、ARとAIによって格段に上がるだろうなっていう。

深津:あー、それは思います。

けんすう:僕、今、英会話のアプリもやってんですけど、全部AIなんですよ。こちらの話していることを音声認識した後に、向こうもそれなりのことを話してくれるんですね。

だから、遠慮なく話せて、喋った後にフィードバックが来て、こういう言い方のほうがいいですよとか、全部教えてくれるんです。

英会話学校よりもはるかに楽なんですよね。

尾原:しかも、それを読み上げてくれたり、こっちが喋ったことを音声認識してくれたり。

けんすう:自分の声をAIで作って、自分の声で英語の発音を出して、それをシャドーイングするとかできたりします。

なんかもう革命的になってるなと思っています。

ここにARが入ると、本当に目の前に英会話の先生がいて、でも全部AIで、 どんだけ喋っても恥ずかしくないとか、普通にありそうですね。

尾原:要素技術的にはもう揃ってきた。

けんすう:揃ってますよね。もうほぼ違和感なくできるので、来年には普通にアプリとして、今年出るかもですね。

尾原:今年出るよ、多分。だって、少なくとももうYouTubeって、音声自動吹き替えを、今年やりますって言ってたと思ったら、この半年ぐらいでリップシンク(口の動きをAIで変えることで、吹き替えなどの自然さをアップすること)系の生成AIがくる。

というか、もうリップシンクは、マシーンランニングに近いと思うけど。

AIで、変換した後にちゃんと単語の長さとかもうまく合わせながらリップシンクしていきます、みたいなところも、なんかこの半年ぐらい異常発達してるし、必要なパーツをみんなが分業しながら作ってる感が半端ないんだよね。

深津:逆を言うと、やっぱ変化が早すぎて、ここで商売するのめっちゃ大変そうって思いますね。

尾原:楽天とかもそうなんですけど、秋葉原原理みたいなことを僕楽天行った時よく言ってて。

けんすう:秋葉原原理?

尾原:秋葉原って町ってさ、電気屋街として、めっちゃマニアックなパーツ屋さんがさ、いろんなところに、あったじゃん。

今は、ちょっと、秋葉原ダメな時期に入っちゃってんですけど、オタクもさ、秋葉原行けば、 ありとあらゆるオタクのお店があるみたいなことってあったじゃないですか。

あれってなんでできたかっていうと、秋葉原っていう町に行けば、電気のことに関しては、どんなマニアックなことでも吸収してくれるに違いないっていう、秋葉原自体が街としての吸引力を持ったからさ。

だから、入ってくれる人がどんどん、どんどん多くなってるから、ニッチなことでもちょっとだけずらせば、俺だけのニッチな場所みたいなところが住み分けれるんですよ。

そうすると、住み分ければ住み分けるほど、結果として、お店ではなく秋葉原に行けば、どんどん、どんなマニアックなことでもカバーしてくれるっていうふうになるから。結果として秋葉原がどんどん集客力を増すから、その中にいる競争の人は、これで勝とうって思わなくていいわけですよ。ちょっとダメって言ったら、少しずらす。ニッチな方向にちょっとずらすね俺。こっちでも行けるからつって、どんどんずらしていって、最終的には、めちゃくちゃ一坪店舗のニッチな人たちが、みんな住み分けて生きれる場所になってったっていうのが 僕の秋葉原の街理論で。

けんすう:確かに全部の電気屋が潰れてうちだけになれば、全部利益取れるのにって誰も考えないですもんね。

尾原:そうそう。東急ハンズでもさ、全てがニッチな分野の、マニアックに説明できる人とか、偏愛を持って共感させれる店長っていないじゃん。

だから、役に立つって機能だけで考えると、全ては集約してっちゃうんだけど。

そこに今回の対談の最初の方ででた、オウンドメディアみたいな話の文脈が加わってくる。例えば「あの人に真空管について語らせたらヤバいんだよね」とか。

そういう小さなニッチな物語っていうところに、みんなが住み分けていくと、結果的に秋葉原が豊かになる。

今のAIスタートアップってそんな感じに行くんじゃねえかなって個人的に思ってるんですよ。AIのスタートアップやってれば、 少なくともしばらくは、なんか10倍ぐらいの資金がそこに集まってくるし、いい人材も集まるわけじゃないですか。

けんすう:すげえ特定のところを掘り続けたAIスタートアップとかの方がいいっていう。

尾原:どんどん勝手になってくるんじゃないか。仮説なんですけど。どう思いますか深津さん。

AI時代のニッチ

深津:いや、僕もAIのメジャーのとこは、GAFAの熾烈な札束ウォーズが始まるんで、僕はなんかあの、九州とか青森に行って、スーパーDX不動産業者とかやろうかな。

尾原:逆にね。

深津:九州で1番最先端の不動産とか、なんかホステル作るとか、スーパーマーケティング美容院を作るとか、そういう方が価値がある気がします。

尾原:だからね、ネットだと空中戦だから、リアルの立地でないとワークしないところを、AI使ってちょっと効率化すれば。

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