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石川善樹さん-Wellbeingいよいよ企業投資・教育方針などに組み込まれる〜幕府政府の次は何か?《前編》-189号-

(2023年7月10日サロン向け対談動画を記事化しております。)

本日は石川善樹さんとの対談です!
彼が今、没頭しているのは? なんと 幕府、政府に次ぐ在り方は???
では、Wellbeingの近況は?と聞いたら、こちらもいよいよ企業投資や教育方針に組み込まれていくという大きな話でした!!!
善樹さんとの破天荒な世間話も楽しんでいただけたらです。

幕府・政府の次に来るものは?

尾原和啓氏(以下、尾原):今日はありがとうございます。善樹さんとこうやって対談するのは、15ヶ月ぶりなんですよね。

石川善樹氏(以下、石川):お、なんと。そうですか。

尾原:そうなんですよ。最近、善樹さんは何に没頭しているんですか?

石川:1つはWell-beingです。僕が本質的にやりたいなと思っていることは、次の時代に向けての準備ですね。幕府があって、政府があって、次は何府になるんだろうかと。

尾原:なるほどね。

石川:幕府が約700年続いて、政府は約150年。これが、いつどういうかたちで次の時代に移るかわからないので、そこに向けて準備しなきゃなと。

尾原:「しなきゃ」なんですね(笑)。

石川:南海トラフ地震とかで、突然何かが変わるかもしれないじゃないですか。

尾原:確かに。一番最初に善樹さんと話をした時におもしろいなと思ったのが、「幸せを考える時には、肉体的な幸せも精神的な幸せも考えなきゃいけない。自分の精神の幸せを考えると、必然的に社会の幸せも考えなきゃいけない」みたいなお話です。

ようやく個人のWell-beingを計測するところがトレンドに乗って、東洋的な幸せの測り方も仕込めるようになってきたというのが1年半前でした。より大きな系で考えられているのかなと思ったら、南海トラフやフィジカルなルールチェンジも視野に入れてということなんですね。

石川:そうですね。

尾原:(ヘッジファンドの帝王と呼ばれる)レイ・ダリオさまが、ボラティリティのスコアのようなものを国別で出しているんですが、日本は台湾リスク・チャイナリスク・ロシアリスク・南海トラフリスク・富士山爆発リスクなどのスコアが上がってきていますよね。

石川:そうなんですよ。だからまた、都が京都に遷るかもしれないじゃないですか。富士山の噴火で噴石は飛んでこないし、地震も少ないし、「ここだ」ってなるかもしれない(笑)。

尾原:そうですね。「地政学的な安定点としての京都」みたいなね(笑)。

石川:かなりぶっ飛んだ話だと思うんですけど、そう思いました。

日本の統治と物語づくり

石川:「そもそも朝廷って、どうやって作られたんだろう?」とか、「そこからどうやって幕府に移行したんだろう?」とかを見ていくと、どうも仕込んでいる人がいるんですよね。

尾原:まぁ、そうですね。

石川:明治元年、最初の政策が「神仏分離」ですよね。

尾原:そうですね。

石川:「神仏分離から始めよう」なんて、なかなか思わないじゃないですか。

尾原:でも、平安時代は仏教を国教とすることで神仏習合の流れを作って、神話を作ってという。統治って、大きな物語づくりから始まりますものね。

石川:そうですね。GHQが最初に行った政策の1つが武道禁止ですからね。民主主義を入れるためには国家主義を外さなければならないので、戦時中から相当考えていたと思うんですよ。

尾原:はい、はい。

石川:日本武道館ができた時って、武道の聖地を復活させるから、当時の国会議員の興奮たるや、すごかったという話です。

尾原:なるほど。よく考えたら、日本武道館って日本の「武道」ですものね。

石川:議員連盟とか、すごかったみたいですね(笑)。

尾原:言われてみれば、確かに。一方でGHQは、アメリカから「野球」を持ってきました。「野球に憧れを持たせることによって、日本がアメリカに憧れるように持っていった」みたいな話があります。野球ってある種、武道の代わりですものね。

石川:さすが尾原さん、おっしゃるとおりです。「代わりに野球を」ということだったんですけど、日本は外から取り入れたものをうまく内製化して出していくのが得意だから、今やアメリカが日本に憧れる状況を作っているということですね。

尾原:そうですね。

石川:「日本には甲子園というすごいシステムがあるらしいぞ」みたいな(笑)。

尾原:あー、なるほどね。

石川:甲子園は小林一三さんが作ったシステムですけど、当初の思惑とは別のことが起きたりして、やっぱりおもしろいなと思うんですよ。

尾原:確かにそうですよね。ディズニーのようにエンターテイメントと都市設計を一緒にするものは、トップダウンで提供される“夢”があります。

一方で小林一三さんは、甲子園や宝塚みたいに、地場にいる人たちがその精神の中で高め合っていくものを、鉄道をセットで開発されました。阪急電鉄の神様ですが、「日本のウォルト・ディズニー」と言っても過言ではありませんね。

石川:そうですね。堤(義明)さんがそのマネをして西武球場を作ったりという、歴史があるわけじゃないですか。

尾原:うん。

石川:そうやって当たり前に存在しているものが、なぜできたのかをよくよく振り返ってみると、企んでいた人たちがいたんだなと思って。

尾原:なるほどね。日本がまた混乱の時期に入る可能性があるとしたら、次の物語やガバナンス構造を、そろそろ仕込み始めてもいいんじゃないかということですね。

石川:そうそう。

想定すべき日本の未来

石川:「今の時代は昔でいうと何時代に一番近いんだろうか」と、最近よく思うんですけど、平安時代だなと。みんな、「文」を書いていて。暇だとクリエイションするしかないじゃないですか。

尾原:そうですよね。第一次産業の生産性がどんどん上がって効率化していくと、基本的には「いかに退屈を殺すか」という産業に明け暮れるという話です。江戸末期とか平安期に近いですよね。

石川:そうなんですよ。クリエイションして、それが価値と結びつくから、みんなますますやるわけです。でも、そうこうしているうちに野武士みたいな集団が出てきて、武力で「そういうことじゃねえんだ」と。

「鎌倉幕府が始まる」みたいなことが、これから起こるんじゃないかと思います。日本人が貴族化しているうちに、そうじゃない勢力が来る。

尾原:ワグネルのようなものを、いつの間にか都心部まで案内しちゃう、みたいな。

石川:そうそう。そういうのは、どこかで想定しておいたほうがいいんだろうな。時代の波に乗る人たちと、あえてその先を考える人たちがいて。そういった時に、僕はやっぱり、その先を考えるのが好きなんです。

尾原:はい、はい。

日本の歴史と原点回帰

尾原:アメリカが右と左で分断していって、トランプ的な政権が出てきたように、世界中に余裕がなくなってくると、極端な保守が動きやすくなるじゃないですか。その延長線なのか、それとも、まったく別軸で考えていくんですかね。

石川:よくわからないんですけど、日本の歴史を見ていると、確実に言えることが1個あって。それは、「次の時代に進む時には原点に帰る癖がある」ということです。

尾原:ほう、ほう。

石川:つまり、次の時代にする時に、「革命」という手段を用いないのが日本の特徴なんです。

尾原:そうですね。夏目漱石も、それで悩んでいらっしゃいましたしね。

石川:はい。企業もおそらくそうで、海外の会社が「創業何十周年」みたいな式典をやった時に、例えば、「創業者トーマス・エジソンの精神に帰るのだ」という話にはなりにくいと思うんです。

一方で日本の会社は、必ず創業の精神に帰っている気がします。

尾原:そうですね。前々回、善樹さんとお話しした時に、ビジョンやパーパスを通じて変革していく会社と、アイデンティティに立ち戻って、「僕たちは何者なのか」というところから変革していく会社があると言っていました。

善樹さんがアドバイスしている会社に関しては、アイデンティティに立ち戻ることが多いというお話でしたよね。

石川:これはもしかしたら、日本の特徴なのかなと思うんですよ。

尾原:あー、なるほどね。

縄文時代のコミュニティの進化


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