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理知を継ぐ者(35) 続・周囲という当事者③

 こんばんは、カズノです。

【当事者としてとるべき対応】

 さてSPA!誌に名指しされた5校にはたぶんほんとに「ヤレたコ」がいた。いたけど理由らしい理由(傾向らしい傾向といったほうがいいでしょうか)が思いつかなかったから、コメント氏は後付けで理由をひねりだしたんだろうというのがここまでです。
 もちろんこの場合に問題になってくるのは、後付けの理由をひねりだしたコメント氏や、そのコメントを採用したSPA!誌より、何よりたぶんほんとに「ヤレたコ」がいたというそちらです。

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 まずコメント氏に断言されているB校とD校、この2校は早急に対応が必要です。「うちの生徒は、男ウケを磨くようなことをしてないか?」「就活で甘い誘いに乗ったりしてないか?」。
 いえまあ歳も歳ですし、将来も将来ですから、「『過剰に』男ウケを磨いてないか?」「『過剰に』就活相談にのめりこんでないか?」というものに現実的にはなると思いますが、どちらにしろ、そのような報道があってしまったのは事実ですしね、それ相応の対応は必要です。つまり内部調査です。

 もちろん、A・C・E校も同じです。どういう理由かは分からないけれど、たぶんきっと、「ヤレた」学生はいたんです。むしろこの場合、「どういう理由かが分からないから、対応も網羅的にやるしかない」になるはずですが、この対応も必要です。
 なので翻ってB校もD校も「網羅的」にやるしかなくなります。だってそうですよね、前回のように、コメント氏のいう「ヤレる」根拠は薄弱なんですから、あらゆる可能性を考慮して網羅的に対応するしかありません。
 事実としてあるのはおそらく、「実際にヤレたコがいた」ということです。それを念頭にコメント氏は話しているはずだという、ポイントはそこです。

【当事者の自覚】

 なのでこれは、A~E校以外の、すべての学校に当てはまります。名指しされなかった学校だって同じだということです。
 例えば「学校が渋谷にあって遊んでる」が「ヤレる」の理由になるのなら、渋谷にある学校はすべて生徒の素行に対する対応、調査・矯正が必要です。当然です。
 言い換えれば、このコメント氏が、後付けだとしても「渋谷」を理由にしているのは、「そう話せば『まあそうだよなあ、渋谷に学校があったらそりゃ遊ぶよなあ、だったらヤレる率高いだろうなあ』とみんな思ってくれるから」ですよね。
 そして受け手は実際にそう思ったわけです、たぶん。あるいは少なくとも、コメント氏のコメントを疑問に思わなかったわけです(だからここで俎上に上げてるんですが)。

 そしてそう考えていくと、日本中のすべての学校の女子生徒は「ギャラ飲みでお持ち帰りされる可能性がある」ということにしかなりません。
 なぜなら、このコメント氏が言っているのは要するに、「世の女子学生にはヤレる可能性が高いコがいる」というそれだけのことだし、「なんとなーく、ヤリやすい傾向はあるといえばある(気がする)」という、それだけのことだからです。だからその彼女がどの学校に通ってるかは関係ありません。

「ヤリやすい女子学生、その学校」を明確に限定してくれればまだいいんですよね。科学的にか事情通的にか、ともかく確信的に名指ししてくれればまだよかったんです。
 でもそうじゃないから、女子学生の通う学校はすべて、生徒への対応を行わないとならなくなったという、これはそういう報道でしょう。
 むろん、日本中の女子学生を「ヤレる可能性あり」としたSPA!誌に対しては、日本中の学校から厳重な抗議をして当然です。
 でも無かったですよね。
 その5校以外からの抗議。渋谷にある学校からも。おやまあ。
 当事者の自覚があるんでしょうか?



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