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教員採用試験の集団面接の試験官をやってみて、ここだけは押さえておきたい4点

3年前の教員採用試験の面接講習会の講師を務めたときの話です。

名古屋市教員採用試験の集団面接の場面を仮定して、4回分の指導助言を行いました。
その時に、以下の4点について、学生に助言しました。

〇 自分の体験をもとに話を進める
 理屈ではなく、自分の体験をもとに話をせよとよく言われます。話しやすいだけでなく、具体性に富み、聞き手もイメージしやすいことから、試験官に分かりやすく伝えることができます。しかし、一方で話が長くなりがちであること、緊張感が弱まることで、指示語が多くなってしまいがちです。
 「この点がよかったんです」「それについてもっと深く考える必要があります」という感じです。いくら話やすくなっても、端的に要点を話すことは外してはいけません。面接では、限られた時間の中で、自分の質の高いアピールをどれだけできることが重要です。

〇 一度伝えたことも、改めて言い直すことが大切
 集団面接では、試験官は多くの受験者の話を聞きます。そのため、一回伝えただけでは、インパクトに欠けます。
 集団面接の最後(振り返り)の場面で「自分の伝えたいことが言えたのでよかったです」というのではなく、「バレーボールの楽しさを伝えることができてよかったです」と念押しして言うことが大切です。

〇 考える視点を言ってから、次の人に振る。
 集団面接で意見が続かないときに、率先して誰かが「さらに意見はありますか?」と問い掛けている姿が、しばしば見られました。一見素晴らしい対応に見えますが、単に誰かにバトンを渡すだけで、全体の論が深まることはありません。場合によっては、論が違う方向に行ってしまう怖れも出てきます。
 大切なのは、次の視点を提案し、誰かに意見を求めることが重要です。「地域の高齢者に学校行事を楽しんでもらうことが論点だと思いますが、具体的にどうすべきだと思いますか?」
 このように問い掛ければ、次の人は何を考えるとよいかはっきりし答えやすくなりますし、論点がずれることなく、さらに焦点化させることができます。

〇 企画を考える場合は、目的意識・相手意識を考える。
 集団面接で、何かを企画する場合があるのですが、誰を対象とする企画かを設定することなく、目的が曖昧なまま進めている場合が多かったです。話を進めていく上で、一人一人の受験生が違った相手に向けた企画を話していく中で、話は広がりを見せるものの、意見と意見が混じり合うことなく、論が深まることは残念ながらありませんでした。相手意識を土台とした目的をは初めに設定してから、話を進めるようにしていくべきだと思いました。

 以上、集団面接の試験官の経験から感じたことをまとめてみました。名古屋市の集団面接を受ける際の参考にしていただければ幸いです。引き続き、教員採用試験の面接については、投稿していきたいと考えてます。

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