運用期間を固定した場合、積立NISAと一般NISAのどちらが得か!?(1)
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▼ターゲット層(この記事を読むと得な人)
・投資商品は投資信託と決めている人
・投資先はインデックス投資と決めている人
・上記の人が、積立NISA、一般NISAのどちらを使うと非課税額が大きくなるか(どちらが得をするか)を知りたい人
▼前置き
1.商品の対象
・積立NISA、一般NISAのどちらでも買える同一の「投資信託」を買うものとする
(参考)積立NISAで買える商品:投資信託
一般NISAで買える商品:上場株式、ETF、投資信託、REIT、ETN
2.商品の特性
・その商品は、平均すると右肩上がりで上昇するものとする(そうじゃないと投資なんてしない!)
・その商品の年利は平均x%上昇するとする
(参考) S&P500は、20年間の平均で約7%と言われている。
3.積立NISAの積立方法について
一般NISAと積立NISAを可能な限り同じ条件にするため下記とする
・積立NISA:1月初めに一括40万円投資
※実際に毎月最低額を積立設定してれば期初に一括投資は可能
・一般NISA:1月初めに一括120万円投資
4.一般NISAはロールオーバする!(制度上MAX1回で10年間運用まで)
※2019年以降から一般NISAを始める場合、
5年後の2024年以降は新NISAへロールオーバーすることになります。
※その時、ロールオーバーできない商品もあるので注意が必要です。
例:レバレッジのかかった投資信託
※一般NISAのロールオーバーのメリット、デメリット
メリット :事実上期間が5年間伸び、MAX10年間の運用が可能
デメリット:その年の新規非課税枠がなくなる
(ロールオーバーで全ての枠を使い切った場合)
5.満期まで計算せずに運用期間をz年(0≦z≦10)で固定し、その時の金額で比較する
★これまでの記事との差はここになります。
※今回の結果から、受け取り時期から逆算した運用期間を元に、今どちらを選択すべきかを判断できます。
※今回の記事は、より現実的な内容となっています!
※z>10は次回公開します!
▼計算
平均運用利回り:x[%] (ただしx>0 右肩上がり)
運用期間 : z [年] (ただしz>0)
今回は、今までの記事の内容と違い、運用期間 z年で区切る前提のため、
毎年の非課税枠を利用し、合算した利益額で比較する必要があります。
一般NISA:
MAX非課税枠120万円を利回りx%でロールバック1回する場合、
・z=1の場合
1年後の総利益額=120((1+x/100)^1-1)
・z=2の場合
2年後の総利益額=120((1+x/100)^2-1)
+120((1+x/100)^1-1)
・z=3の場合
3年後の総利益額=120((1+x/100)^3-1)
+120((1+x/100)^2-1)
+120((1+x/100)^1-1)
・z=4の場合
4年後の総利益額=120((1+x/100)^4-1)
+120((1+x/100)^3-1)
+120((1+x/100)^2-1)
+120((1+x/100)^1-1)
・z=5の場合
5年後の総利益額=120((1+x/100)^5-1)
+120((1+x/100)^4-1)
+120((1+x/100)^3-1)
+120((1+x/100)^2-1)
+120((1+x/100)^1-1)
・z=6の場合
※ロールオーバーするので新規非課税枠は利用できない
6年後の総利益額=120((1+x/100)^6-1)
+120((1+x/100)^5-1)
+120((1+x/100)^4-1)
+120((1+x/100)^3-1)
+120((1+x/100)^2-1)
となる。つまり、
・5≦z≦10の場合
z年後の総利益額=120((1+x/100)^z-1)
+120((1+x/100)^(z-1)-1)
+120((1+x/100)^(z-2)-1)
+120((1+x/100)^(z-3)-1)
+120((1+x/100)^(z-4)-1)
積立NISA:
・z=1の場合
総利益額=40((1+x/100)^1-1)
・z=2の場合
総利益額=40((1+x/100)^2-1)
+40((1+x/100)^1-1)
・z=3の場合
総利益額=40((1+x/100)^3-1)
+40((1+x/100)^2-1)
+40((1+x/100)^1-1)
・z=4の場合
総利益額=40((1+x/100)^4-1)
+40((1+x/100)^3-1)
+40((1+x/100)^2-1)
+40((1+x/100)^1-1)
・z=5の場合
総利益額=40((1+x/100)^5-1)
+40((1+x/100)^4-1)
+40((1+x/100)^3-1)
+40((1+x/100)^2-1)
+40((1+x/100)^1-1)
・z=6の場合
総利益額=40((1+x/100)^6-1)
+40((1+x/100)^5-1)
+40((1+x/100)^4-1)
+40((1+x/100)^3-1)
+40((1+x/100)^2-1)
+40((1+x/100)^1-1)
・0≦z≦10の場合 ※0≦z≦20までの範囲で使えるが
総利益額=40((1+x/100)^z-1)
+40((1+x/100)^(z-1)-1)
・・・
+40((1+x/100)^2-1)
+40((1+x/100)^1-1)
▼整理
・0<z≦5の場合
元資金の大きい一般NISAの方が明らかに利益が大きい!(自明)
(参考)念のため計算してみると
一般NISA:
積立NISA:
積立NISA-一般NISAは、
x>0なので上記式は明らかにマイナス
よって一般NISAが有利。
・5≦z≦10の場合
一般NISAと積立NISAは下記の式で表すことができる。
一般NISA:
・・・・・・・・①式とする
積立NISA:
・・・・・・・・②式とする
上記の損益分岐点を求めたいので、
f(z)=②式-①式とおくと
・・・・・・・・③式とする
ここで、
とおき(x>0よりY>1)、③式を簡略化すると、
・・・・・・・・・④式とする
ここで、
より④式は、
・・・・・・・・・⑤式とする
ここで、等比数列の和の公式
より、⑤式は、
f(z)=0になるzを求めれば、そのzが損益分岐点となる。
▼グラフ
ここでYを変化させて複数のグラフを描いてみる。
・x=1(年利1%)の時、Y=1.01
zの範囲(5≦z≦10)に注意すると、
z=5年~10年で運用するのであれば、一般NISAがよい。
・x=5(年利5%)の時、Y=1.05
zの範囲(5≦z≦10)に注意すると、
z=5年~10年で運用するのであれば、一般NISAがよい。
・x=10(年利10%)の時、Y=1.10
zの範囲(5≦z≦10)に注意すると、
z=5年~10年で運用するのであれば、一般NISAがよい。
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