大谷翔平という人物が見えてきた!
大谷翔平がドジャース入りを決めました。そこに至る大騒動の中でミステリアスな人物像の一端が見えてきた気がします。
古巣、エンジェルスには大きな問題がありました。とにかく勝てない。
過去9年間1度もプレイオフに進出したことがありません。大谷がどれほど投げても、どれほど打ってもチームは負ける。
2021年、46本塁打9勝2敗の成績を挙げた年、
彼はインタビューに答えています。
「他のチームだったら12~3勝している」
たとえ、零点に抑えていても、続くピッチャーが逆転されれば
勝ち星はつきません。そんな試合が山ほどあります。
常に前向きな大谷でも、悔しさがにじみ出る発言でした。
さらにあまりにも有名になったコメント。
「ひりひりした9月を過ごしたい」
この一言で、大谷が個人成績よりも勝つことを優先していることが知れ渡ったのです。
だとしたらエンジェルス残留という選択肢はありません。
ならばどこか。
日米をはじめ世界中のメディアが注目しました。
今年12月9日(現地)、ついにドジャースに決定します。
大谷の契約にはチームの他にもう一点、注目を集めていたことがありました。契約金額です。
それまでの最高記録がマイク・トラウトの4億2650万ドル。
それなら大谷は5億か、いや6億に届くのでは?
今シーズン、肘のけがで手術をしたこともあり、その数字はますますわからないものになりました。こうして金額予想は連日、日米のスポーツメディアを賑わすことになります。
果たして結果は。
7億ドル。
日本円にして1014億円。
世界中が仰天しました。
テレビを見ていたらあるコメンテーターがこんなことを言っていました。
「これだけもらったら、人生終わりだよね」
私は、この一言にとても引っかかってしまいました。
1000億円を手に入れたら人生は完了。
いったい、どういう人生観なのか。
つまり、人間はお金を目的として生きているということですね。
YouTubeを見ているとこんな動画を見かけます。
建てたばかりの豪邸を紹介したり
手に入れたフェラーリやローロスロイスなどの超高級車を自慢するもの。
なるほど金ぴか。すごいすごい。
お金目的に生きる人にとっては、この世界がゴールなのでしょう。
豪邸がゴール、フェラーリがゴール、豪華ヨットがゴール・・・・。
そうした価値観ならば1000億円で確かに人生は終了します。
それ以上、何もすることはありません。
そういう価値観を持っていることを否定もできません。
では大谷翔平も同じように考えているでしょうか。
NO!
はっきり言えます。
このTVコメンテーターには何も見えていません。
2017年、大谷は23歳でメジャーに移籍しました。
日米協定で25歳以下の選手は限度額が課せられます。
そのため大谷は6年231万5千ドル、約3億円からスタート。
メジャー昇格後も年俸は最低保証額の545000ドル(約6000万円)でした。
後2年待てばその金額は10倍を優に超えていたはずです。
それでも移籍を選択したのです。
大谷の価値観はどこにあったのでしょうか。
彼は高校生の時にすでに明言しています。
「世界一の選手になりたい」
世界一とは何でしょうか。
オリンピックなどと違い明確な基準はありません。
あえて言うなら、大谷自身が実感できた時、ということでしょう。
そして今年、ドジャースと1000億円の契約を結びます。
契約金額とは評価です。
世界一の金額を手にしたということは世界一の評価を得たということです。
それは大谷にとって目標に近づく大きな一歩となったはずです。
さらに驚いたのは大谷が10年の無利子後払いという提案をしたことです。
金融マンなら泡を吹いて卒倒するような話でしょう。
アメリカの金利は5%ぐらいあります。銀行に預けるだけでそれだけ増えます。1000億円は10年後にいくらになるでしょうか。
5%複利で計算すると1629億円です。
この629億円の利益を大谷は要らない、と言ったに等しいわけです。
あるいはお金の仕組みを知らなったのかもしれません。
インフレや福利などの意味を知らなかった。
そもそも金融リテラシーがなかった。
今、もらうのも後でもらうのも同じこと。
彼の知識は子ども銀行のレベルに過ぎないのかもしれません。
それでいいのでしょうか。
いいいんだろうと思います。なぜなら必要ないからです。
大谷に金融リテラシーなど必要ありません。
子ども銀行で十分。
要らないものを持っても何の意味もありませんから。
大谷翔平を見ていて強烈に感じることがあります。
興味の白黒が極端にはっきりしていることです。
1000億円に対しては評価としては興味を持っています。
一方お金としては全く興味を持てないということです。
彼は他の選手との会食にもほとんど参加しません。
あのヌートバーも断られたと嘆いています。
これも興味がないのだと思います。
昨年、ヤンキースとの対戦でニューヨークを訪れた際
地元メディアからニューヨークの街でどこがおもしろかったですか?
と聞かれた際の答えは、
「一度も外に出なかったのでわかりません」
興味がないんですね。
一方、野球のことには異常なほど一途です。
トレーニングに次ぐトレーニング。遊びより睡眠。食事も味より栄養。
度を越えたストイックさです。
これは一種のASD的な気質だと考えています。
興味を持てない対象はゼロ価値ですが逆に持つ対象には圧倒的な執着力を発揮します。
天才に特有な気質です。歴史上の人物ではアインシュタイン、ニュートン、ダーウィン、モーツアルトなどが同じような気質の持ち主だったとされています。
大谷翔平のやることなすことにメディアも翻弄されていますが常識で理解しようすることに無理があると思います。1000億円で人生が終了する、というような尺度では理解できようはずがありません。
世界一の選手になりたい。
その一点に集中し、実現させようとしている人間がこの先どのようにして
栄光を掴んでいくのか。
その軌跡をリアルタイムで追いかけ、頂点まで見届けることができる。
それが大谷ファンの醍醐味だと考えています。
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