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挑戦し続ける

以前、同じ会社の営業マンで日本一の飛んでもない記録を達成した人がいる。この記録はおそらく将来破られることはないと言われている。そして、その彼は本も何冊か書いており、その後独立を果たし、今は自分の会社で成功し続けている。

その人が、新記録を達成した時にスピーチをした。
私も含め、多くの営業マンはその人から、数字がポンポン上がるような、どんな特別な方法や魔法のやり方が聞けるのだろう、という期待と緊張で固唾を飲み、全神経を耳に集中させて聞いていた。

ところが、その日本一の記録を持つ彼の口から出た言葉は意外なものであった。そのときの言葉が次の通りだ。

「自分は一番契約をしたかもしれないけど、このなか(営業マンたち)で、一番断られているのも間違いなく自分だ

これには本当に驚いた。普段の彼を知っている私からしたら、彼が話せば「なんでも決まる」と思っていたからだ。そして、その「何でも決まる」トークなどを聞けると思ったからだ。彼は普段からそれくらいのオーラや自信、そして当たり前だが、専門知識、情熱など、外野から見るとそのすべてが一級品で、輝かしく見えた。

ただ、そんな魔法のようなものはない、と改めて彼から教わったような気がした。彼は愚直に自分ができることを最大限積み重ねていった結果、誰もできない境地に辿り着いたのだ。そして、「誰よりも断られている」という言葉は、彼が言うからこそ本当に重みがあった。

数多くアプローチし、その商談からフィードバックをし、修正して、成約率をコンマ数%でも上げる努力を怠らない。その結果、分母の数を増やしていき、経験値を上げていく中で、いろんな対応ができるようになる。聞けば、彼は新人の頃から、周りの人が面倒だと思うくらい、質問をしていたそうだ。PDCAを高速で回す中で、その時その時で、自分ができることを最大限行っていく。当初思い描いていた彼の言葉とは違った形ではあったが、彼の言葉は私以外にも聞いていた多くの人に影響を与えていたに違いない。

私はこの話を聞いた時、ふとベーブルースの話を思い浮かべた。ホームラン王で知られるベーブルースも、その裏では、「三振王」でもあったのは、有名な話である。

ホームランの数:714本
三振の数:1330回

ホームランより三振の数の方が多い。これは人生にも言えることではないだろうか。ホームラン(成功)の水面下で、それ以上の三振(努力や挑戦、試行や失敗)などが支えている。ただ、それは人の目からは見えにくく、ホームラン(成功)だけがフォーカスされがちだ。

またさらに挑戦をするからこそ三振(失敗)もする。プロ野球選手に、三振をしない一番の方法は?と訊ねてみたら、「打席に立たないこと」と言われるだろう。つまり、挑戦しなければ失敗もしないということだ。ただ、それで本当に意味のあることだろうか。

失敗を恐れないで欲しい。失敗しても歩みを止めないで欲しい。挑戦する限り、失敗もする。それは私たちだけでなく、偉大な人や選手も同じことであったし、これからもそうだろう。

最後に私が海外で一人でいるときに勇気をもらった言葉をご紹介したいと思う。

「つまずくのは進んでいる証拠」

失敗を失敗でなく自分の経験・財産に変えて、日々チャレンジして生きていきたい。

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