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後ろ側でリードするケース②


基本的なリードとして、塁と塁の線上にリードすることをお伝えしてきたが、前回はそれとは別に、リードを後ろ側にするケースをお伝えした。今回は、もう一つのケースとして、後ろ側でリードすることについてお話ししていく。前回の記事はこちら↓


2.一気にホームまで狙う場合

これは、初心者には難しいかもしれないが、慣れてきて状況が読めるようになったら是非チャレンジしてみて欲しい。
たとえば、2アウトランナー二塁の場合、二塁ランナーはワンヒットで得点できるように、あらかじめ後ろにリードしてふくらみを持たせておく。そうすることで、余裕のある角度で三塁ベースを踏むことができて、ホームまで減速することなく一気に帰ることができるので、この場合はリードは後ろでする。

ただし、これは次の次の塁まで狙うからと言って、一塁ランナーでエンドランのサインが出たときに後ろにリードするのはおススメしない。
理由は2つあって、まず一つ目が、サインによってリード位置を変えると、カンのいい野手などに気付かれる可能性があるからだ。
そして二つ目が、いくらエンドランだからといって、バッターが必ず打つとは限らないからだ。空振りや、時には「見逃し」もあるかもしれない。その場合、一塁ランナーにとってはそのまま盗塁という形となるので、最短距離のほうがいい。

せっかくエンドランの話が出たので、ついでに(一塁ランナーの時の)エンドランで気を付けることについても触れておく。
その前に、先ほどエンドランで「見逃し」ということに違和感を覚えた方もいるかもしれない。エンドランはバッターは必ずボールに当てないと、しかもゴロを打つように指導を受けている選手が多いため、「見逃し」というのは、バッターの凡ミスだと思われているかもしれない。

ただし、実はわざと見逃しているケースもあるのだ。つまり、「ワンバウンド」のボールなら振らない、と決めているチームもあるということだ。
考えてみてほしい。ワンバウンドのボールというのは、キャッチャーも捕球から送球がしにくいため、盗塁もセーフになりやすい。しかも、バッターにとっても、もともとボール球である。その球をわざわざ振りにいくより、二塁がセーフになったほうが攻撃も有利になる。

そのうえで、ワンバンのボールをしっかり二塁でアウトにしてくるいいキャッチャーもいるのも事実だ。だからこそ、二塁は絶対にセーフになるために、少しでも確率の上がる最短距離で走る必要があるのだ。
このときに、バッターが打つところが見えるように、盗塁したら、バッターが打つ瞬間が見えるようにちょっと横を見ながら走ることがエンドランや盗塁のときに必要なこととなる。

中には、盗塁やエンドランの際にバッターを見ずに、野手の動きで状況を把握するといったプロの選手もいたが、これはかなりの上級編となるので、まずは自分の目で見る訓練をしよう。

そして、バッターが打たなければそのまま直線でスライディングをするし、バッターが打てば打球によって三塁まで進めると思ったら、そこからふくらんで一気に三塁まで向かうようにする。

このときに、打球がライナーだった場合、戻ろうとせず、三塁に向かうことに100%意識を向けるようにする。さらにチャンスがあれば、ホームまで戻ってくるくらいの意識が大切だ。
大きなフライであれば、捕って投げるまでに時間があるため、スチールでスタートを切っていても、戻る(帰塁する)チャンスがあるが、それがライナーの場合、内野手に捕られたら、スタートで飛び出しているため、ほぼ100%の確率でダブルプレーとなる。

それであれば、ライナーで戻ろうとして野手の間を抜けてから、またスタートを切るより、最初から先の塁を狙っていた方が進めるベースの数が違ってくる。
ほぼ100%アウトになることをケア(帰塁)するより、もともとエンドランはリスクを取っているので、先の塁を狙うためにも「ライナーは捨てる」という意識も大切だ。是非参考にしてみて欲しい。

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