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軸足について

前回は、2人の左ピッチャーをみて、まずはじめに軸足の「向き」について指摘した。今回も軸足について触れていきたいと思う。
前回の記事はこちら↓


前回は、軸足を投げる方向に対して、直角に入れてあげることについて、その重要性について触れていったが、今回は、軸足をステップしてから、右足(彼らは左利きなので、右利きの人は左足)を上げて、軸足一本で立つときのお話になる。

2人を見ると、2人とも右足を上げると、身体がフラフラしてしまい、軸足一本で自分の身体を支え切れていない。そして、支え切れていないまま、バランスを崩しながら、何とか着地してそこからボールを投げている。これでは、コントロールがつくはずがない。

そこで2人に伝えたのが、まず一回100:0(軸足:右足※左ピッチャーの場合)の状態を作ろう、ということだ。そのために、右足を上げたら2秒ほど静止する時間をわざと設けて、軸足に体重が完全に乗っていることを確認してから、次の動作に移るようにした。

一回、軸足にすべての体重を乗せ切る状態を作る。
この100:0の状態を作ることで軸足に「パワーチャージ」ができ、
力強いボールを投げられる準備が整う

はじめは、その2秒という時間もこらえきれず、右足をすぐに着地させてしまう。そこで、2人に宿題を出してみた。毎日、「手を真横に伸ばして、足を片方ひざがおへその位置より高くなるように上げて20秒間キープする。」これを左右20秒ずつ、合計40秒間行うというものだ。
これもバランスが必要なので、左利きの人は軸足である左足だけでなく、逆の右足も必ず行って欲しい旨も一緒に伝えた。

1日40秒でできるバランスのトレーニング
はじめは秒数を減らしてもいいので、左右行うようにしよう

早くも効果が表れた。1週間後、一緒にバランスのトレーニングを行い、20秒間やってみたが、しっかりと20秒間ずつ姿勢をキープすることができた。聞くと、テレビのコマーシャルの間などでしっかり行っていたようだ。いざ、ピッチングを行ってみても、しっかり100:0の状態を作れている。これには私も驚かされた。是非続けるように伝え、現在も継続してくれている。

そのうえで、一つ気になったことがあった。2人のうち、細くて背の高いほうのピッチャーが、バランスを取るとき、やや後ろに反った形でバランスを 取っていたことだ。本人はおそらく真っすぐに、バランスを取っているつもりだろうが、背中側に体重がある。つまり、「横の」バランスはトレーニングで克服しつつあるが、今度は「前後」のバランスに偏りが若干だが出てきたのだ。

実は、これは私の方で別の懸念点が出てきた。それは、背中側でバランスを取ると、どうしてもつま先側でなくかかと側に体重がかかっていることになる。そうすると、右足の着地もかかとからになりやすい。そうなると身体が開いてしまい、これも手投げとなり、ケガがしやすい投げ方になってしまう

これは、その場で気付いたので、直接本人に指摘した。修正するために、お腹側、もっというと「おへそ」に意識を向けて自分の「前側」でバランスが取れるように伝えた。せっかくトレーニングでバランスが取れるようになったのに、それを違う角度で指摘してしまい、本人にも気の毒だが、それでもまた努力して修正してくる彼に会えるのが楽しみとなっている。一週間が待ち切れない。


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