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2022年に読んだ本_3月編(16冊)

2022年に入り、趣味の選択と集中を図った結果、本を読む時間を確保できる!と思ったので、今年は久しぶりに読書漬けの1年にしようと思います。

一方で、断捨離生活が心地よく、極力持たない生活をしたいので、よっぽど手元に置いておきたいと思う本以外はどんどん手放していきます。
(電子書籍にすればいいのでしょうが、あんまり電子書籍はしっくりこず。)

ただ、手元に本がないと、あれ?どんな内容だっけ?と思い出せなくなってしまう気もするので、読んだ本の感想などをメモがてら、noteに残していこうと思います。

マーケティング

1)THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

言わずと知れた本だと思います。
今、担当しているが保険の代理店事業(B2C)ですので、ビジネスの参考にしようとこの本を読み始めたわけではありませんでした。
しかし、よくよくビジネスフローを見てみるとぴったりと重なる部分が多く、たくさんの示唆が得られて、とても参考になりました。

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このビジネスモデルで最大の成果を出す上で、それぞれのパートで重要な点について細かく書かれており、すぐに実戦に活かせそうなイメージが持てました。

また、後半の「人材と組織」「リーダーシップ」というパートでは、著者のマネジメント論なども読むことができます。
前半のとても合理的なビジネスの進め方の考えから一転、感情論とも感じる部分も多い本人の経営に対する考え方から、数字だけでは語ることのできないビジネスの難しさを改めて垣間見ることができた気がする。

以下、興味を持ったところをいくつか引用。

組織を語る時、よく「プロフィットセンター」と「コストセンター」という分け方をされることが多いが、私はこのような分け方は好きではない。採用する役割については、常に「キャパシティ」と「レバー」という分け方をしている。
理想的な目標は「Challenging but achievable(チャレンジだが、達成不可能ではない)」
とにかく自分が一緒に働きたいと思う人を妥協なく採用する
マネージャーになる前は自分自身が成長することに邁進するのに対して、マネージャーになった瞬間からチームのメンバーを成長させることに全力を注がなければならない
細かいことまで確認したり、指示を出したりすると「マイクロマネジメント」だと言われてしまうと悩む人がいる。しかし、リーダーが実行力を高めようとすれば、現場で何が起きているかを知ることが大事だ。現場からの報告を鵜呑みにしていては、フィルターがかかった情報しか入ってこなくなる。細かいことまで具体的な指示を出すのと、細部まで関心を持つことは明確に違う。現場で起きていることに好奇心を持ち、どんどん質問をすることによって、今何が起きているかが見えてくる。それを日常的に続けていくこと。そうしなければ変化を感じとることはできない。

2)事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践

才流の栗原さんの本。
こちらも「THE MODEL」に続き、非常に参考になる部分がありました。
保険は、比較的高額で検討期間が長いこと、営業パーソンが存在することから、BtoBマーケティングのセオリーから参考にできる部分がたくさんありました。
特に、コンタクトセンターのオペレーターなど契約に至るまでにかかる人件費も加味して、健全なユニットエコノミクスになっているかの事業判断は不可欠だなと感じました。

ユニットエコノミクス : LTV ÷ CAC
 LTV … 顧客生涯価値 (Life Time Value)
 CAC … 顧客獲得コスト(Customer Acquisition Cost)

3)インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド

同じ企業グループにいるBtoBマーケティングに詳しい子にオススメの本を聞いて教えてくれたのが、上記の
THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践
とこの本の3冊でしたので、無事読了。
ある分野について詳しく知りたいなら3冊読むとよいという言葉を聞いたことがあるのですが、確かにそうだなと今回感じました。
1冊目で基礎的な知識が身につき、2冊目でその知識が定着し、3冊目ではたぶんこういう話なんだろうなと想像して読むことで、その通りならやっぱりな、違っていれば応用ケースとしてそんな考えもあるのかと、知識や思考が広がるのを感じました。
この本では、インサイドセールスを管理者として組織する際の注意点や参考になる事例も多くあったのが、他2冊との大きな違いでしょうか。
ユニコーン・パフォーマー・カルチャービルダーというチーム構成の考え方や、モチベーションを高める戦略共有のポイント、社内トレーナーの要件(言語化・構造化・バリューフィット)は非常に参考になり、面白いなと思いました。

THE MODEL の構成

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テクノロジーの変化による営業手法の変化

CRMに一元化された情報から対象となるリードを抽出し、MAでメールを送信。メールの開封やURLのクリックなどの反応があった見込み顧客を即座に把握し過去の閲覧履歴を参照しながら電話やメールでアプローチし、オンライン商談システムで商談を行いそのまま受注する。

テレアポとインサイドセールスの違い

私はテレアポとインサイドセールスの違いを「フロー型とストック型の違い」と定義しています。テレアポはフロー型で「架電リストの上から順にただ電話してリストを消化(フロー)しているだけで情報が蓄積されない状態で、顧客との信頼関係も毀損(フロー)しているもの」であり、インサイドセールスは「コミュニケーションの履歴を蓄積(ストック)することによって最適なタイミングで最適な情報を届け、お客様との信頼関係を構築(ストック)することを目的としている」と定義しています。

時代の変化

販売側が強かった時代から、購買側が強くなる時代に変化していくことは避けて通れない
有益なコンテンツを生み出して人々と情報を共有し、人の助けとなることで相手を引き寄せることがより求められる

4)確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

森岡さんのマーケティング本、第2弾。
なるほど、確率計算をこのようにマーケティングに利用しているのか〜となんとなく理解はしたものの私が携わっているようなビジネスだとすぐすぐ利用できるようなイメージが持ちきれずでした。
ただ、プレファレンスの拡大に経営資源を集中すべきということはよくわかりました。

プレファレンスとは、消費者のブランドに対する相対的な好意度(簡単に言えば「好み」)のことで、主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定されています。

5)コトラーのH2Hマーケティング 「人間中心マーケティング」の理論と実践

内容は非常に難解でしたが、示唆に富む非常に興味深い本でした。
今後も定期的に読みたい本です。
私自身、この10年ほどはデジタルマーケティングを主体にやってきましたので、身につまされるような内容も多く、考えを改めるべきところが多々あるように感じました。
また、この本をきっかけにデザイン思考に関する本を読んでみようと思い、今、デザイン思考が世界を変える: イノベーションを導く新しい考え方を読んでいます。

マーケティングについて

最大の目標は、顧客にポジティブな体験を提供すること
顧客の犠牲の上に成り立つ企業の成功は短命に終わる
マーケティングの悪行の一つに、セス・ゴーディンがインタラプション・マーケティングと批判するものがある。日常に溢れ返り、絶えず邪魔をしてくる不要な迷惑メール、電話、バナー広告等への解毒剤として、同氏はパーミッション・マーケティングを提唱している。
パーミッション・マーケティングは、相手の許可を得た上で行う協業的で柔らかいマーケティング活動であり、デジタル空間にありがちな心に土足で入り込う高圧的なやり方ではなく、許可を得た上で商品やサービスの説明を行うことができる。企業は無視されることなく、顧客の趣味嗜好に合った喜ばれる情報を提供できるようになるのだ。
顧客の信頼醸成のためにはその方が遥かに価値あるアプローチであり、マーケティングやマーケターにこびりついた悪いイメージの払拭にも役立つ。
介入型のアウトバウンドマーケティングではなく、パーミッションベースの人間中心型マーケティングへ、「株主中心の近視眼的視点」ではなく、あらゆる利害関係者を人間として真摯に扱う方向へ、受動的な消費者の支配ではなく、顧客と共創・協働して共に社会に貢献する意識的な努力を重ねる方向へと移行する、という大きな課題に直面している
Howが差を生み出した大量生産時代、Whatの差が重要なマーケティング時代を経て、Whyが重要な時代へという理解も可能かもしれない。すなわち、Howの仕事の多くの部分とWhatの仕事の一部はAIでかなり代替可能となったので、人間にしかできないこと、すなわちWhyの部分がより重要になってきているのだ。

マーク・ベニオフ

企業や経営者は利益とパーパス(社会的な存在意義)の両方を重視すべきであり、世界を変える責任は一人ひとりが負うものだ

組織

6)問いかける技術――確かな人間関係と優れた組織をつくる

たぶん恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらすに出てきたので買った本。
自分の日頃の言動を省みるきっかけにはなる本かなと。

「謙虚に問いかける」ことの重要性が書かれた本。
謙虚に問いかけることによって築かれる信頼関係が心理的安全性のベースになる。
そのために、相手に対して興味を持つことが大切。
このあたりは、保険営業の本にも終始書かれていたことだなぁ。

私たちは、相手に聞くことよりも自分が話すことを偏重するきらいがある。実用を重んじ、合理的に問題を解決しようとする社会では、知識を得ることと、自分が知っていることを人に話すことに価値が置かれているからだ。また、われわれの構造化された社会では、人間関係を築くよりも課題を遂行することのほうが重要だと考えられている。こうした社会では質問はもっぱら部下がすべきことであり、上司は問いかけるよりも話す役割を担うことが期待されているのだ。そもそも、人に聞くなんて自分の無知や弱い部分をさらすようなものだと考える風潮がある。だから私たちは、できるだけその行為を避けようとする。
ところが、むしろ問いかけることを心がけたほうが着実に良い効果を生むということが、多くの証言によって明らかになってきた。
「謙虚に問いかける」を実践し個人的なつながりを持つことによって、自らをあえて弱い立場に置く方法を学ぶ

金融

7)道具としてのファイナンス

金融というかファイナンスの本ですが。
私は大学時代に金融工学を学び、社会人になってから証券アナリスト資格を取得したので、いろいろな本でファイナンスの基礎知識について学んできたのですが、結局、この本が一番わかりやすかったです。
なので、久々に読んでみようと思い、本を探したものの見つからず(誰かに貸したかな?)、再度購入。
実際に、著者が勤めていた日産の実務内容などをベースに書かれているので、非常に読みやすく、理解もしやすいです。

8)1日1分読むだけで身につくお金大全100

個人的に面識もある株式会社Money&Youの頼藤さんと高山さんの本。
いつもお金の勉強をさせてもらっています。
基本的に、私は金融リテラシーのある人間だと思っていますが(笑)、頼藤さん・高山さんの本は、さすがお金の専門家だけあって読むたびに新たな発見があります。
今回の本だと、iDeCoは国民年金の障害等級1級・2級に該当する場合などには障害給付金として60歳以前でも受け取れるため、働けなくなった時の備えになるというのは、新たな知識になりました。
主要な公的保険制度などもまとまっているので、手元に置いて必要な際に参照したいと思います。

保険関連

9)生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと

ライフネット創業者の出口さんの本。
2008年の第1版で購入しており、読むのはこれで3回目。
保険業界において、2008年から変わったこともあれば、まったく変わっていないこともあり、読むたびに新たな発見があります。
さすが出口さん!という書きっぷりです。
現代保険業界における「古典」と言える本だと思います。

10)つらくならない保険営業術 =新契約の9割を紹介でいただく工夫

鈴木由紀子さんという保険代理店の営業の方の本。
伝説レベルのトップ営業マンが書く保険に限らない営業ノウハウ系の本が多い中、エース営業マンを目指すというよりも、保険募集人としてずっと仕事を続けていきたいなぁ、という感じの人向けに、保険営業に特化した本です。
また、一社専属の営業から乗合代理店の営業への転向を検討されている人にも参考になると思います。

11)かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール

プルデンシャル生命、川田さんの本。
結構有名な本ですよね?読んだことはなかったですが、タイトルは知っている本でした。
営業、特に、ライフプランナー型保険営業のやりがいや面白みが伝わってくる本でした。
『トップ争いで自分を見失う』は、特にすごく読み応えのある章でした。
仕事において大事なことは何なのか?
仕事に対して漠然とした悩みが出てきたら、この賞を読み直してみようと思います。

12)「営業の仕事」についてきれいごと抜きでお話しします: 「売るテクニック」よりも大事なこと

これも同じく、川田さんの本。
保険営業に限らず、ご本人のプルデンシャル生命の前のリクルート時代の営業経験も踏まえて、営業職の方全般向けに書かれた本です。

13)営業の鬼100則

この方もプルデンシャル生命の方なのかな?作者は早川勝さん。
一応、

「鬼」と言っても、俗に言う恐い妖怪の鬼を想像してもらっては困る。本書における「鬼」とは、高圧的なパワハラ系の鬼を意味していない。

とのことです。
100則ということで、テクニック的なことから、精神的なことまでいろいろな面から書かれていることが印象的でした。

14)あの営業マンが選ばれる「本当の理由」 お客様にとって唯一無二の存在になる時、お客様と営業マンの間に何が起きているのか

株式会社エージェント・インシュアランス・グループの代表の一戸敏さんの本。
「生命保険はラストラブレター」という言葉が結構好きなのですが、この本の

われわれ保険業界の営業マンは、ある意味で、お客様の人生を預かっています。(中略)われわれ保険業界の営業マンは、お客様が18番ホールの最終パッドを決めるまで寄り添い続けるキャディーなのです。

は、結構いい表現だなぁと思いました。

その他

15)20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

教訓とその教訓の背景となるエピソードが章ごとに書かれていて非常に読みやすい本でした。
知っておきたかったことをまとめると、

下記の許可を自分自身に与える
・常識を疑う

・世の中を新鮮な目で見る
・実験する
・失敗する
・自分自身で進路を描く
・自分自身の限界を試す

ということでした。

「20歳のときに知っておきたかったこと」ということで、キャリアに関する話も少なからずあるのですが、(私の大好きな)計画された偶発性理論と同じような観点が多い気がしました。

以下、興味を持ったところをいくつか引用。

情熱とスキルと市場が重なりあうところ。それが、あなたにとってのスウィート・スポットです。
交渉を効果的に進めるには、自分自身の最終目標と同様、交渉相手の目標も理解するように努め、ウィン・ウィンの結果を模索し、いつ交渉の席を立つべきかを知っておく
組織内で地位が上がるほど、個人としての貢献は重要でなくなります。

16)スタートアップ・ニッポン 最高に明るい未来を創る10のヒント

Paidy CEOの杉江さんとCMOのシルビアさんの本。
若手が今後のキャリアを考える上で、私がおすすめの本は40歳が社長になる日なのですが、この本はそれに続いて、読んで欲しい本かな。
特に『第3章 日本人の働く意義』は、今、もやっとを感じながら働いているサラリーマン全員に読んで欲しい内容でした。
ただ、この本では、セルフエスティーム(自己肯定感)を大切にする、という内容が書かれていましたが、「40歳が社長になる日」では自己効力感を高めるということが書かれており、対照的なのが興味深かったです。
改めて、読み直して、比較してみようと思います。

面接でするサプライズ質問

「最近学んだことを一つ教えてください」
「あなたが信じていることで、10人中9人から否定されることって何ですか?」。つまり、「あなたはどうユニークなんですか?」
「今回の転職で、あなたが活かせる強みは何ですか。Paidyに加わることで鍛えたい筋肉は何ですか。どうしてPaidyがベストなトレーニング環境だと思うのですか?あなたは何を得て、ここから去っていきたいですか?」

気になった文章

まずは小さなカテゴリーで、ニッチでいいからドミナント(支配的優位)になること。

キャシー松井の言葉

生涯かけて「自分は何になりたいのか」を探していくのも人生です。私は56歳ですが、いまだに探していますからね。若者はここを思い悩むことがあるとも聞くけれど、みんな探し続けていくのだから、若いうちに決まっていなくても全然OKです。

(キャシー松井さんですらそうなのかと衝撃を受けました。)

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