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クリエイターズジャムVol.13「Webクリエイターズトークジャム〜俺たちに明日はある〜」

こんにちは。風笑堂のワラビです。

クリエイターが集まる「コワーキングとコミュニティオフィス 風笑堂」と、八戸のデザイン事務所「asobis」が主催する、クリエイターによるクリエイターのための学び場・遊び場である「クリエイターズジャム」。

https://kazewaraudo.net/creatorsjam

7/5(金)夜、13回目となる今回は、初のWebクリエイター向けトークイベントとしました。

Webクリエイター回にした理由

ノーコードローコードツールやAIの急速な発展によりさまざまな業種の仕事が奪われると言われています。

そんな中、特に今年に入って生成AIが爆速な進化を遂げている影響もあるのか、
Googleで「Web制作」とキーワードを入力すると、
「Web制作 オワコン」
という予測変換が出てくるようになっていました。

私は歴10年以上のWebディレクター。
ガッチガチのWeb制作人です。
独立して以降はWeb制作よりもコンサル的な業務が多いですが、それでもWeb制作に携わり続けている身としては、オワコン説が囁かれるのは心中穏やかではありません。
(何くそ!とは思っていますけどね)

SNSにもあふれるWeb制作オワコン説、それに異議を唱えるポストも増えてきました。

きっとみんな、少し不安?不満?だよね。

クリエイターズジャムのキーワードは、
「クリエイティブのこと、全部話そう」です。

不安も不満も疑問も全部話そう!
ということで、今回はWebクリエイターのためのトークイベントと相成りました。

トークゲスト

小笠原幸一さん(FLOW DESIGN)

FLOW DESIGN 代表。
デザインからサーバーサイドまでまるっとお願いできる、とっても頼れるベテランWebクリエイターさん。現在は八戸花火大会のウェブサイトの更新にお忙しいようです。

下沢廉さん

私のような個人事業主や小規模事業者などたくさんの事業者がお世話になっている、クラウド会計ソフトfreeeの若手エンジニア。freeeにフルリモート勤務の傍ら、八戸市の文化財をアーカイブするプロジェクト「はちのへヒストリア」にもエンジニアとしてジョインされています。
歴史好きな廉さんが構築した八戸市の今と昔の地図をレイヤーで見られるサイト、大変興味深いです。

米田佳介さん

十和田市のWeb制作会社、株式会社ビーコーズのデザイナーさん。県内でも有数の制作会社で、十和田市だけでなく東京の案件も多く手掛けていらっしゃいます。
今回は東京出張が重なってしまったとのことで、コメントだけいただくエア参加となりました。

蕨加奈子(MC)

一応現役Webクリエイターですので、MCがてらトークに参戦。恐らくあの会場にいた中ではWeb制作歴が最長グループだったかもしれません…

写真右側のソファにかけているお二人、左から小笠原さん、下沢さん

第一部:Web制作における令和のトレンド

参加者さんは割と若手クリエイターが多いので、Webデザインの歴史に軽く触れながら、最近のトレンドについてトークを展開しました。

まずは世界最古といわれるウェブサイトをご紹介。
テキストだけで構成された、シンプルなサイトです。

今年のトレンドとしては、3D描画によりリッチなデザインを実現するWebGL、そしてデジタル庁やfreeeのようなテキスト中心のシンプルなサイトを紹介しました。

今年4月1日に改正された「障害者差別解消法」により、我々Web事業者も障害者への合理的配慮がなされたサイト制作を求められていきます。

デジタル庁やfreeeはデザインシステムも公開しているので、ウェブアクセシビリティの理解を深めるには最適なサイトだと思うので、皆さんにもご紹介。

テキスト中心でシンプルですが、イラストやグラフの使い方など、とても参考になります。
特にデジタル庁のダッシュボードは、各自治体でも参考になるのではないでしょうか。

アクセシビリティに関連して、ユニバーサルデザイン(UD)にも少し触れました。
身近な例だと、電車やバスなど公共交通機関は古くからUDを取り入れています。

実は八戸市営バスも同様にUD対応されているのだと、小笠原さんがご紹介くださいました。
https://www.city.hachinohe.aomori.jp/section/public_transport/leaflet-plan/docs/R6_BusMap_01.pdf

この路線図は、行き先のアルファベットと系統を色で分けて構成されています。
自分が目指したい方面のアルファベットと色を覚えておけば、バスを乗り継ぐことができるんだそうです。

ユニバーサルデザイン、アフォーダンス、行動心理学…この辺はまた別の機会にイベントとして構成したいですね。

さて、Web業界は次々と新しい技術が出てきます。
WebGLも然り。

今回のジャムでは、言語やCMSツールのトレンドについても意見を交わしました。
(非エンジニアの私は名前しか知らない言語ばかりでしたがw)

でも、なんだかんだいってWordPressはなくならないよね、
という話題にも。

もはやコモディティ化しているWordPressですが、だからこそ導入コストや教育コストが抑えられることもあり、これからも引き続き使われていくことでしょう。

クリエイターとしては自分の好きなツールを採用したくなるものですが(そこは個人サイトや趣味サイトで実装してもらうとして)、結局はサイトの目的に合わせて選択することが何より重要、ということには変わりありませんね。

第一部ではこのほかに、最近のWeb制作案件動向などでも盛り上がりました。

地方は東京に比べてWebリテラシーが10年遅れている、と言われています。
私たちローカルWebクリエイターは、まだまだやること・やらねばならぬことがありそうですね。

第二部:俺たちに明日はある

ノーコードやローコード、生成AIが急激な発展を遂げる中、我々Web制作人はどう生き抜いていくか、ということを中心にトークを展開しました。

実は今回、「Webクリエイターズトークジャム」の告知をしてから当日までの間に、StudioやCanvaだけでなく様々なツールがAIを搭載した便利機能を発表、さらにはFigmaが「Figma to Website」を発表したのです。
(このせいでイベントのシナリオの仕込みが一気に大変になった…)
(ワラビさん実はこのこと知っててこのイベント仕掛けたのでは説も)

ライティングはChat-GPT、イラストや写真は画像生成AI、、
だけでなく、
Canvaがあればデザイナー要らず、Studioもますます便利になってエンジニア要らず。

私たちWeb制作界隈は、ノーコードローコードやAIで生産効率をはかることができる反面、同じ業界内で仕事を食い合っている、という側面が見えてきています。

(Web制作だけでは食っていけないからコンサルになろう!というセミナーも見かけました…)

これについて、それぞれの意見をお伺いしていきました。

制作に何を使うかという選択肢が広がっただけ、
「何をどう使えるか」というのもクリエイターとしての技量に繋がってくるのではないか、
などなど、ゲストだけでなく参加者からもさまざまな意見が飛び交いました。

AIの活用は全員共通の課題である、という現状が見えました。

話が盛り上がりすぎてすべて書き起こせないのが残念です…

そして、皆さんが活用しているAIツールの紹介も。
Chat-GPTやGeminiをはじめ、Claud、JetBrains、Playgroundなどなど、
参加者さんともさまざまなツールを共有しあいました。

「ツールがありすぎて、どれに課金するかが悩み」
という声には全員が頷くという現象(笑)

Web制作業界の未来予想

Web制作案件自体はまだなくならないでしょう。
特に地方は、自社サイトを持っていない企業もたくさん存在しているので、Web制作としての機会はまだまだあります。

ただ、分からないことはChat-GPTに教えてもらうから検索しない、という現象に加えて、Google検索ですらSearch Labsの「AIによる概要など」の機能によりウェブサイトのクリック数が減っています。

Googleにクロールしてもらうだけでなく、AIにどう読んでもらうか。
それを見据えなければならない時代が到来したということでしょう。
AI SEOなんてのも出てくるでしょうね。

Studioだけでサイト制作をするデザイナーさんも増えてきているし(meta情報やaltなどがおざなりだったりするけど)、ユーザー数を伸ばし続けているCanvaでもそれなりの(あくまでもそれなりの)サイトを作ることができるし、Notionもウェブサイトとしてページを公開できるようになりました(これは便利そう)。

Webクリエイターはプロとしてどこまでできるか。
AIの餌としてではなく、意義のあるウェブサイトを我々はどう構築するか。
クリエイティブを通してクライアントにどんな価値を提供できるか…
これからさらに真価が問われる時代になっていくのかもしれない。
そう感じています。

会場のパトリさん、ありがとう!

参加者15名+事務局とゲストで約20名。
今回もにぎやかなイベントとなりました!

そして、デザイナー回、フォトグラファー回、そしてWebクリエイター回と、今回も会場としてお世話になったのは、Patrie(パトリ)さん。

おいしいお酒やお食事をいただきながらのイベントができるところは市内でも数少ないので、本当に貴重な存在です。
いわとくビルの閉館に伴い、営業は来年3月末までだそう。
悲しすぎる…

それまでまた数回、利用させていただくと思います。

温故知新。
時代とともに街は変わり、生活も変わります。
Web制作業界も同様です。

俺たちには明日はある!

今回のイベントで勇気が出た、前向きに思えた、と言ってくださった方もいらっしゃいました。

新しい技術を取り入れよう、AIを学ぼう、と言っても、私のように年齢を重ねてくるとなかなかすんなりとはいきません。
日々忙殺されて挑戦する時間がない、というベテランも多いと思います。
また、若手の皆さんは新しい技術を習得するだけではすんなりといかないことも、多々あるでしょう。

ベテランと若手がジャムりながら、ローカルクリエイティブ業界を楽しく長く続けていければ、私たちもその一助になれればと、想いを新たにしたイベントとなりました。

次回クリエイターズジャムVol.14

さて次回は、昨年の「妖怪DX」に続き夏のちょっと怖いシリーズ。
「クリエイターズ百物語」

某銀行のシステム障害など、他人事とは思えずにちょっと背中がヒヤッとする私たち。

おかしいなー注文フォームが開かないのおかしいなー…
金曜日の夜に「週明けに見せてください♪」と無邪気な修正依頼メールが…
誰もいないはずのサーバールームからすすり泣く声…

クリエイティブにまつわるちょっと怖い話、成仏させちゃいましょう。
語り部でも聞く専でもOK。

8/9(金)夜の開催です。

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