地震のサイクルと、日本社会のサイクル。


先ほど、愛媛、高知で震度6弱の地震。これは本当に怖い。南海トラフの前の、不気味な足音のような気がしてならない。
 台湾から宮崎、そして四国と、最近、立て続けに、中央構造線の南側の地震が続いている。
 1995年の神戸での大地震以来、北海道、新潟、鳥取、東北、熊本、そして能登と、ほぼ5年間隔で、中央構造線の北側で大きな地震が発生してきた。
 そのあいだ、大きな地震が発生していなかったのは、東海、近畿の南部、そして四国と、中央構造線の南側で、南海トラフ大地震が発生した場合に大きな被害が想定される地域だった。
 前回の南海トラフ大地震が発生したのは1945年。その前が1854年。80年から100年のサイクルで発生する南海トラフ大地震は、日本列島の下に潜り込むプレートにエネルギーが蓄積して起こるわけだから、これはもう必ずどこかのタイミングで起きる宿命にある。
 そして、そのサイクルの期間に入ってきた。
 太平洋戦争や明治維新といった時代の転換期と重なるように起きた南海トラフ大地震。
 単なる偶然なのか、それとも人間社会にも、一定のサイクルがあるのか。
 私たちは、知らず知らず、ずっと同じ価値観と同じ体制が続いていくような錯覚に陥っているが、歴史を振り返れば、そんなことはありえない。そして、そうした体制変化や価値観の変化には、自然現象が大きく関わっていた。
 フランス革命以前の10年は、気候が不順で、厳しく寒い冬や、冷夏によって、旱魃が起こり、人々はパンを手にいれることができず、ギロチンで死ぬのも飢餓で死ぬのも同じだという思いが、人民の爆発につながった。
 同じ頃の1782年から1788年、日本は、天明の大飢饉に見舞われ、杉田玄白の『後見草』では、死んだ人間の肉を食い、人肉に草木の葉を混ぜ犬肉と騙して売るほどの惨状であったと記録されている。こうした状況のなか、1783年、浅間山において、歴史上、最も激甚な災害をもたらした大噴火が起きている。
 今日の四国の地震の直前、インドネシア・北スラウェシ州にあるルアン火山で大規模な噴火が発生しているが、その場所は、日本の四国から台湾を通るフィリピン海プレートの南の端にあたる。
 4月9日には、近いところで、マグニチュード6.6の地震があったばかり。
 地震速報が終わった瞬間から、テレビでは、能天気な馬鹿笑い声を響かせる番組が流されて、まるで神妙な事態から気を逸らすことが、(消費誘導のために)重要視されているかのようだが、そうした気分に流されず、真剣に自分ごととして、覚悟と備えが必要な段階に差し掛かっているのだろうと思う。
 *専門家は、今回の地震は、南海トラフとまったく関係ないとは言えないが、地震発生のメカニズムが異なるため、直接的な関係はないと思われると声明を出している。
 しかし、南海トラフのメカニズムを、どれだけ把握していると言えるのか? 前回の発生は、80年前であり、太平洋戦争の終戦直前の混乱期。 
 ほとんどデータなど得られていないはずだし、データがあったとしても、メカニズムの真相などわからない。
 地震の専門家は、地震が起きた際に、いつも後付けで説明するだけであって、事が起きた後、後付けの説明を聞いても、何にもならない。

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