ピンホール写真の写真展について


来年の初めに、東京のオリンパス関連のOMシステムギャラリーで写真展を開催することになったのだけれど、これまでの人生で、自分の写真の写真展は初めてのこと。
 本はたくさん作ってきたのでイメージを掴みやすいのだが、写真展は、プリントサイズとか、額装のこととか、経験がないのでイメージできないことが多い。
 普通の写真展のように、だいたいのサイズが決まっていて、普通の額装にして壁に飾るだけなら、どの写真を展示するか決めていけばすむのだけれど、私の場合は、ピンホール写真なので、普通の展示をすべきかどうかということも悩む。
 (これまでピンホール写真を掲載する本は4冊作ったけれど、文章中心の本だったので、モノクロ一色で印刷をして、写真の力を引き出す作り方をしていなかった。しかし、今年中に作る5冊目は、その集大成として、写真メインの4色印刷で、写真集のような作り方にするつもり。)
 なので、その本のテイストに合わせた展示にしようと思うけれど、普通の額装展示をして、ピンホール写真の空気感が伝わるかどうかが懸念材料だ。
 幸いなことに、OMシステムギャラリーは、他のカメラメーカーのギャラリーに比べて、細かくライティング調整ができて、壁の色もグレー、そして空間も十分の広さがあるので、やりようによっては、それなりの場づくりができるような気もする。だからこそ、悩ましい。 
 ピンホール写真だからといって特別なことをせずに、普通に額装して展示するのもありだろう。ぱっと見ただけでは、これらの写真が、レンズを装填せず、0.2mmの針穴を通る光だけで撮った写真とは思えないという声もいただくので、高性能なカメラが当たり前の時代に、あえて、工業技術とは無関係の原始的な写真を、ふつうに展示してみたら、どういう反応が得られるのか、試したいという気持ちもある。
 今、部屋の床に置いているのは、A0(841mm ☓ 1189mm)とかB0(1030mm × 1456mm)という超特大サイズで和紙に印刷したもの。
 樹木とか磐座の写真をめいっぱい大きくすれば、ピンホール写真特有の空気感がじんわりと広がるので、その傍に佇めば、古代人が自然から感じ取っていた気配のようなものを受け取れそうな気もする。
 いずれにしろ、まだ半年以上あるので、意識して開催中の写真展などに足を運んで勉強して、自分らしい空間を作ることができればなあと思う。

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