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写真表現の行方

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写真表現の過去、今、そしてこれから
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ピンホール写真の写真展について

来年の初めに、東京のオリンパス関連のOMシステムギャラリーで写真展を開催することになったの…

佐伯剛
4日前

北斎や広重が描いた小野の滝をピンホールカメラで撮影した。

戦国時代、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に仕えて重用され、肥後国の細川家の礎となった細川幽…

佐伯剛
5日前

闇の深さと、色相の繊細かつ豊かさ。

嵐山から嵯峨野は、観光客で溢れかえっているけれど、清涼寺あたりまで来ると、それほどでもな…

佐伯剛
6日前
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レトロでアナログだけれど新しい世界!?

これまで世代論について、あまり深く考えたことがなかった。  交遊関係にしても、年代で分け…

佐伯剛
8日前
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今年の木村伊兵衛賞作品展の哀しいまでの空疎さ。

 昨日、池袋の新文芸坐で、小栗康平監督の「眠る男」と 「伽倻子のために」の デジタル4Kレス…

佐伯剛
3週間前
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口先だけの分析なら、もはやAIの方が上手にできる。

昨夜の地震の状況を知ろうと思って、朝、テレビをつけたら、屋台を引きながら無料でハーブティ…

佐伯剛
1か月前
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安井仲治と鬼海弘雄の写真が示す未来。

不思議なことに安井仲治は、38年の短い生涯で、近代写真の最初から、21世紀芸術として写真表現が存続するための唯一の在り方まで、全てをやりきっている。 「21世紀芸術として写真表現が存続するための唯一の在り方」というのは、非常に大仰な言葉だと思われるかもしれないが、スマホカメラで誰でも写真が撮れて、かつ AIで作為的な画像を誰でも作れるようになる時代に、写真が芸術表現として生き残る道は、非常に限られている。  2003年に、鬼海弘雄さんの大判写真集「PERSONA」が出た時、作

もし安井仲治が、あと30年長生きしていたなら。(2)

 日本が太平洋戦争に突入する直前、安井は、驚くべき写真を創出する。  それは、「磁力の表…

佐伯剛
3か月前
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もし安井仲治が、あと30年長生きしていたなら。(1)

  東京都国立近代美術館で展覧会が行われている中平卓馬の写真が、対象を観るというより、強…

佐伯剛
3か月前
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現実とファンタジーをつなぐ写真 『ON THE CIRCLE』。

「円形の貯水槽 の上に寝て目を閉じる。  宇宙に包まれるという感覚ではなく、宇宙を包み込…

佐伯剛
3か月前
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原始のエッセンスが持つ普遍性

嬉しい頼りが地球の裏側から届いた。  アフリカのルワンダで、「イミゴンゴ」という伝統アー…

佐伯剛
3か月前
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勘の働きと人工知能

ピンホールカメラというのは、単なる木箱に針穴が空いているだけで、その針穴から差し込んだ光…

佐伯剛
5か月前

ものづくりや表現の羅針盤。

自分が作ったものに対する人の評価というのは、気にならないというと嘘になる。  でも、その…

佐伯剛
5か月前
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この時代における写真家の存在意義

 昨日、私が選考委員をつとめさせていただいている笹本恒子賞の受賞式が行われ、久しぶりに、受賞者の高橋宣之さんにお会いしました。  今回の受賞に合わせて、アイデムフォトギャラリー「シリウス」(東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2 F)において、12/21から12/27まで写真展が開催されます。会期中は、高橋さんも在廊する予定のようです。  高橋さんの作品は、風の旅人の第31号(2008年3月発行)で、20ページほどで特集しました。  高橋さんは、高知県の仁淀川流域の