見出し画像

受け継いだもの。ー有り難迷惑Memory'sー

「令和」が来た。
来るまでは割とワクワクしていて、世間の人々がそうであるように、みはるも”改元カウントダウン”をやってみた(ひとりで)。
でも、実際に令和になってみると、それはどーってことない一年のうちの1日だった。しかも、平成最後の週は7日間丸ごと忙しかったので、あろうことか、令和初日は布団でぶっ倒れて終わったのだ。うーむ…こんなもんか。それでも、まぁ、改元などという一大イベントにちょびっとは乗っかって、Twitterではしゃいだりしたから、それはそれで良しとする。
さて、みはるの今月の目標のひとつはnoteを執筆する、だ。4月もやっていたじゃないか!!とお叱りを受けそうだが、4月は気合が入っていたので、ポテンシャル高く書けたのだ。
問題は、ここから。
常に一定のモチベーションを保ち、ひとつの物事を続けるのには、今のみはるは忙しすぎる。だから目標を定めた。守れるか否か??高すぎる目標は、みはるを強迫と躁の世界に誘うので、1か月の間に3〜5記事。これでもキツイノルマである。まっ、やってみる!!出来なかったら潔く…はないが、「忙しかったから!!」と言う言い訳をみはるがみはるに使う。好きなことを苦にするのは違うんだよなー、と最近常々思っているので。

では、本題です。

みはるは介護のことをネタに使うことが多い。回を重ねてくると、「みはる=親孝行娘」と言う図式が出来上がるかも知れない。(出来上がらないかも知れない)
そもそも親孝行ってなんだ?!
幼い頃、叔母によく言われた。
「みはるちゃんは偉いねぇ。お母さんの言う事をよく聞いて」
間違いなく褒め言葉だ。 
でも、みはるは嬉しくもなんともなかった。"お母さんの言う事"は大抵、"みはるがやりたくない事"だったからだ。
みはるの母は過干渉。「心配だから!」と言う大義名分を背負い、みはるの自我を潰した。自他の区別も付けられなかったので、「私がやりたい事なんだから、みはるちゃんもやりたい筈。もし(みはるちゃんが)やりたくなくても、私がやりたい事なんだから、やらせて当然!!だって私はお母さんだから」

母の理屈はいつだって暴力的だった。子どもは圧倒的な親の力(身体的な発育の差による力や経済力の差による力)の前には為す術がない。
例えば、過干渉である母はみはるが風邪を引くのを極度に恐れた。
"私の大切なみはるちゃんが風邪を引いたら大変!!"。
この恐怖に打ち勝つ事が出来なかった母は、みはるにスカートを履く事を許さなかった。それどころか、ズボンの下に、股引きを履かせた。嫌で嫌で堪らなかった。特に嫌だったのは、体育の前の着替えの時間。子どもの世界は残酷だ。少しでも妙なモノを見たり聞いたりしたら、からかいたい。時にはからかいを通り越して、苛めたい。みはるは怯えていた。(誰かに股引き姿を見られたらどうしよう)ビクビクしながら、教室の隅で、訝しがられない様に、自分と周りに上手な言い訳が出来るように臨戦態勢で着替えていた。
母は勿論知らない。当時も今も。

母の理解としては
"小さい頃にスカートを履かせて貰えなかったから、大きくなった今は、絶対にスカートしか履かない!!"
と言うラインに留まっている。
まっ、間違いではないけど、事実はもっと過酷ですよ、母!!

親とは有り難迷惑な者なのだと主治医が教えてくれた。「有難くて」それでいて「迷惑」。なるほどなぁ〜。

それ以来、みはるは、あの母のどの部分が有り難いのかをずっと探している。時に過去へ。時に現在へ。有り難さを探す旅を続けている。(げーっ!!見つからない!!)

なんかもう、ヤケっぱちでもいいから無理矢理ほじくり出そうとしていた時、実家でみはるが使っていた部屋から、懐かしのアルバムがコロっと出て来た。
みはるは写真が好きではない子どもだったので、そのアルバムもとっとと捨てようと思っていたのだけれど、中身を見て気が変わった。
母と二人で初めて行った赤穂の旅行の写真。それが、数々の思い出の品と共に貼られていた。今は、もう無い民宿の栞。帰りに寄った、姫路城の記念スタンプ。トドメは母が書いた短めの旅行日記。泣きたくて泣きたくて、仕方がなかった。

みはるは母には余り似ていない子どもだ。でも、こんな所の豆さが似ていた。いや、この表現は正確じゃない。
母が丁寧に、付箋やらなにやらで、一枚一枚の写真にキャプションを付けたり、行く先々で貰った、パンフレットや記念切符等を貼り付ける姿をずっと見て来て、みはるも大きくなったら、そうしよう!!と自然に決めたのだ。
つまり、みはるが自ら(母に)寄せに行った。

数年前には、母はアルバム整理をするみはるに対して、「よくやるねぇ。見ている方が面倒くさい!!」と悪態を付き、全く興味を示さなくなっていた。そんな悪態に対し、みはるは心の中で、アンタの真似をしてんだよっ!!と悪態を付き返した。

先日、ホームに居る母に「欲しい写真が有れば持って来るよ」と声を掛けたけれど、首を横に振り、「いらない」と言うので、無理強いはしない事にして、みはるが大事に懐かしの写真を手元に置こうと決めた。

母は、やっぱり有難くて迷惑なひと。

この先も多忙を極めそうなみはるは、よりにもよって、こんな時に倒れた母を時に疎ましく感じたり、時に愛おしいと感じたりしながら、日々を過ごして行くのだろう。

大して、出来た人間にはなれなかったので、この先、母に対して「このヤロウ!!」と思う事が多々有るに違いない。

そんな時は、コロっと出て来たアルバムに縋ろうと決めている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?