他人のエネルギーに振り回されないために知ること|自分の軸が何か分からない理由
1.はじめに
近年、自分軸という言葉をよく耳にするようになったと思いませんか?
古くから使われていた言葉ではなく、2000年前後から自己啓発や心理学の分野で使われるようになり、一般的な用語として定着していったようです。
自分に軸という基盤が無い、またはもろくて壊れやすい基盤である場合、他人の価値観に合わせながら生きることになります。
この生き方は他者との争いを生まず、周囲からは穏やかでいい人と思われることが多いのかもしれません。
その反面、自分の考えや価値観を表に出すことはなく、さまざまな面に関して我慢をすることになります。
このような生き方は自己犠牲の上で成り立っている生き方ともいえます。
自分を犠牲にして家族を中心とした周囲の人を楽しませ、喜んでもらうことに幸せを感じる人もいますが、突き詰めて考えてみると、それは本物の幸せなのだろうかという結論に至るのではないかと思います。
時代の流れはさまざまな人、さまざまな考え方や価値観が受け入れられるように変化してきました。
ところが長い間、周囲の人の価値観で生きてきた人は、自分という軸が何かさえも分からなくなっている人もいます。
これからの時代は国や社会などに頼ることが難しくなるという予測もあります。
今までの当たり前が崩壊した時に、しっかりとした自分の軸を持っていないことで混乱を招くこともあるかもしれません。
また、自分と他人は違う人格を持っているために、他人の価値観で生きることは、自分の望む未来を現実化することは不可能だといえます。
時代の変化と共に、自分の真の姿や価値観が何であるかを今一度見直し、その基盤を強固にしていく時期を迎えているのではないでしょうか。
自分軸とは、また、自分勝手との違いや自分軸で生きるとはどのようなことなのでしょうか。
今回は、自分の核を取り戻す、自分軸で生きるについてお伝えします。
2.自分軸とは
自分軸で生きるとは他人の意見に振り回されず、他人の目も気にすることなく、自分の意思や価値観で決断をし行動することができる人のことをいいます。
自分が何をしたいのか何を望んでいるのか明確で、誰かや何かに依存をすることもなく自立した精神の持ち主であるといえます。
ものごとの判断基準はメリット・デメリットだけを中心とした考えではなく、自分が本当にやってみたいと思うことなのか、楽しい・面白いと感じることなのかを判断します。
誰が何と言おうと自分を貫き、楽しいと思うことだけを選択し、周囲のことも考えずに突き進む人…そう考えると、何だか自分勝手でわがままな人のように感じてしまいますが、それとはまったく違うのが自分軸です。
自分軸は他人の価値観やテレビや噂といった情報ではなく、自分の視点でものごとを判断します。
先ほども述べましたが、その判断基準は自分の利益になるかといったものではなく、自分が心地よいものかどうかといった感覚を重視しています。
心の声を聴き自分の気持ちをいつも大切にしているのです。
そして、他者の意見や価値観も否定することなく尊重することを心がけています。
一方、自分勝手や自己中心的というものは、自分の価値観を他人に押し付け、更にコントロールしようとします。
自分の思い通りにならないと機嫌を損ね、怒りや憎悪といった醜い感情をあらわにします。
その主張はまさにわがままそのものなのです。
このように自分軸と自分勝手は、似ているようで全く違うものなのです。
自分軸で生きることは自分を上手くコントロールし、自分らしい人生を歩むことができます。
ところが、自分の軸とは何なのかよく分からない、分かっていても自分軸で生きることができないといった人もいます。
自分軸で生きることができない人には、どのような原因があるのでしょうか。
3.自分軸で生きられない原因
自分軸の生き方ができない…それは他人を軸とした生き方といえます。
他人軸で生きている人は世間の常識に囚われ、他人の価値観や損得勘定で行動します。
基本的に他人がどう思うかが判断基準になっているために、世間の常識から外れる行動をすることに恐怖心や罪悪感を強く持っています。
この恐怖心や罪悪感は自らの自信の無さから湧き起こってきます。
他人との比較で感じる劣等感・不足感・無価値感・自己卑下・自己否定…
どれも他人との比較から生まれる感覚で、自分の心を傷つけてしまう感覚です。
この感覚が潜在意識に根付いてしまいますと、誤った価値観から抜け出すことが難しくなってしまいます。
他人の価値観が誤りであるということではありませんが、周囲の考えや価値観が正しくて、自分の考えや価値観がおかしい、間違っているという認識になってしまうのです。
そして、自分が感じていること、求めていることを無視し続けることで、自分が何を感じているのか、本当はどうしたいのかという心の声が聴こえなくなってしまうのです。
他人軸で生きる人は、自分が思い描く人生を送ることができず不自由な生き方といえますが、同時に楽な生き方でもあるのです。
なぜならば、自分で考えて判断をしなくても周囲の流れに合わせていれば、とりあえずは何となく生きていくことができるからです。
それも間違いではないのかもしれませんが、自信や落ち着きを持って自分が望む人生を歩むことは難しくなってしまいます。
自分軸で生きられない原因は、他人からの比較や評価を気にしすぎてしまうこと。
そして、自分に自信がないために他人を軸とした価値観で生きていることがあげられます。
4.自分軸で生きるには
自分軸で生きるには、「他人の目を気にせず自信を持てばいい!」そう思いますよね。
言葉で言ってしまえばとても簡単なことですが、実際はそんな単純なものではないと思いませんか?
他人の目や他人の意見ばかりを気にしてしまう。
その根本を探ると自らの自信の無さにたどり着きます。
自信がない…それは自分に価値がないという無価値感が潜在意識にしみついているのです。
この世界は競争社会です。
他人との勝ち負けや優劣にこだわることで、上下関係を作る仕組みになっています。
このような環境の中で経験を重ね、心はいつも満たされない状態でいるために、自分には存在価値が無いという心理に陥ってしまいます。
「他人のことなんて気にしなくていい!」
「自分に自信を持ちなさい!」
このような表面的な言葉は、何の意味もありません。
まずは無価値感とは、他人の価値観によって作られた、自分の思い込みに過ぎないということに気づくことが重要です。
他人から否定されることがあったとしても、それは他人の価値観で否定をしているだけでそれが正解だとは限りません。
違和感がありながらも他人の価値観を全て正解とし受け入れ続けることは、自分を否定し続けることと同じことです。
このような他人を軸とした生き方を続けることは、苦しみしか生みません。
自信を持つことはできないとしても、周囲の人に私は自信がありますと宣言できないとしても、自分の価値だけは自分で決めて下さい。
(そもそも価値の無い人なんていません)
自分に価値があると決めれば自己肯定感が高まります。
そうすることで自分の核となるものが強固になっていき、自分軸で生きることができるようになってきます。
【自己肯定感】
自分の存在そのものを認める(肯定する)感覚。
何か(誰か)と比較をすることで自分の評価をすることもなく、ありのままの自分を認め受け入れること。
5.まとめ
いかがでしたか?長い時間をかけて培った価値観は自分の信念となっています。
信念は簡単に曲げることはできませんが、それを作り上げた価値観は本当に自分の価値観なのか、客観視することで真実が見えてきます。
自分軸を強化するにはまず自分自身と向き合い、自分が本当に求めているものや、何に向かって生きていきたいのかを理解し、考えることが大切です。