マグマ2 洞窟へ
女性は笑顔で振る舞った。
しかし、太陽が地球を半周もすると女性の体から黒い煙のようなものが出ていることに気がついて、一度あの場所へ戻ろうと考えた。
日は登っている。
胸の辺りがざわつくのを感じつつ、マグマにその匂いの染みついた場所を目指した。
そこへ戻ったら、もうこの華やかな場所へは戻ってこられない気がした。
地底への入り口はもう使われていない古い井戸だった。
マグマは非力で柔い人間という入れ物から抜けて地底への入り口を通った。
胸で金属と金属が擦り合うような音がした。
マグマは地底の一番奥の洞穴まで来た。
相変わらずの真っ暗闇の中で身を整えた。
突然、頭が発光するような感覚がした。
振り返ると、来た道が塞がれていた。
マグマは慌てて洞穴から飛び出した。
マグマは突如として新しい道を見つけ、以前から知っているような素早さと慣れた感覚で地表へと向かう。
初めて通る道だった。
地表へ戻ると、女性は井戸にもたれていた。
マグマの青い炎で目を覚ます。
まだ明るいので花見へ出かけることにする。
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