『未来断捨離』② #毎週ショートショートnote
＊廃ビルの屋上で
いろいろあって･･･
自分の人生を終わらせようと決心して
その日はなんとなく見慣れた街を散歩しました。
歩いている人やお店で働いている人や･･･
初めて見る人ばかりだったけど
みんな元気に生きているんだなって
見えてることの全てが何だか宝石のように
キラキラ輝いて見えました。
その場所にしようと決めていたビルは
夕陽の逆光の中で
誘うようなシルエットを浮かべていました。
このビルは廃ビルで
非常階段を使って屋上まで上がれることは
確認済みです。
屋上の隅に先客がいました。
若い女性でした。
やはり、いろいろあったんだろうな･･･って
声もかけずにボンヤリ見ていました。
「･･･止めないの？」
自分に気付いた彼女が先に声を出しました。
「断捨離するって決めたの？」
考えてもいなかった言葉が
自分から出ていました。
「未来を･･･断捨離してしまうの？」
彼女が急に真顔になって？
「断捨離するなら過去でしょ？」 って。
ふたりの笑い声までが
夕陽色に染まって････！！
【了】
（410字）
＊この物語はフィクションであり、実在の人物・出来事・場所
名称・事件等とは一切の関係がありません。
＊こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『未来断捨離』
裏お題が・・・『無頼ママチャリ』でした。
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