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『損の一部、真イカ』③ #毎週ショートショートnote(裏お題)

*辞表という名の



「おや、誰かと思えば 私の損の一部の 真イカ・・・いや失礼、
マイカくんではないか。呼んだ覚えはなかったが?」

「はい。大塚パワハラ部長に、個人的な用があってまいりました。」

「んっ?業務ではないのかね? それじゃ定時過ぎにいつもの居酒屋で
真イカでも食べながら聞いてもいいんだが?」

「結構です! 部長に、これを預かって頂こうと持ってまいりました。」

「・・・んっ? 『辞表』ですか。海にでも帰る気かね?」

「いえ、ただ《私が本当にその気になるまで》預かって頂きたいのです。」

「これはまた面妖な? まだ辞める気もないのに辞表を?」

「これも個人的なことですが、先日のことです。
とあるイベントでとある方と仲良くなりまして・・・以来、お付き合い
させていただいております。その お方は・・・
大塚部長もよく知っていらっしゃる人です。」

「んっ? 誰のことを言ってるのかね?」

「大塚舞花(オオツカ マイカ)さん。部長の奥様ですよね?」

「・・・?!!

「部長のことを・・・いろいろお聞きしました。
社長の御令嬢だった奥様と婿入りで結婚なされたこと。
この会社には《面接》もなくコネで入社されたこと。
奥様には尻に敷かれていてほぼ言いなりで、口ごたえも出来ないこと。」

「・・・・きっ、、キミは・・・?!!

「奥様のお名前も・・・私と同じ『マイカ』さんだったのですね?
だからいつも反抗できない奥様の代わりに私をターゲットにして
憂さを晴らしていたのでしょうか?」

「まっ、、まさかっ!! 私はただ上司として・・・部下との
親睦を図って・・・!!」

「パワハラな親睦は結構ですので、その辞表は
部長の机の引き出しの中にしまっておいてください。

・・・本当に必要な時が来るまで・・・!!

「・・・・!?!


「それでは失礼します。
奥様と同盟・・・いえ、同名の。 部長にとっては

《 損の一部の 真イカ 》


・・・な、マイカでした。」



【了】



*文字数過多・・失礼しました。

*この物語はフィクションであり、実在の人物・出来事・場所
名称・事件等とは一切の関係がありません。


*こちらに参加させていただいております。よろしくお願い致します☆

今回のお題は 『ほんの一部スイカ
裏お題が・・・『損の一部、真イカ』でした。

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