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『 卒業の・・・ 』#シロクマ文芸部

*「卒業の」から始まる小説・詩歌・エッセイ・・・
《お遊び企画》の趣旨に甘えた あくまで「お遊び作」で失礼します。😊



*とある停留所にて


卒業の時がきた。そう判断してもいいだろう。
この地に関わって46億年
・・・この地での私の役目は終わったのだ。
後は残る命たちの想いのままに任せよう。

☆☆☆


・・・ん? 誰かな、キミは?

「えっと、人間ですけど。あなたは誰?」

うむ。 キミたちの言葉で言えば と呼ばれていたが・・・
キミは何故、こんなところにいる?

「それこそボクの疑問です! なぜ ボクはここにいるんです?!
てか、なんかボソボソ呟いていらっしゃいましたけど、、
卒業とかおっしゃってましたよね? 何からの卒業でしたっけ?」

キミに聴かせるつもりはなかったが、不覚だったな。
私は地球での役目を終えて卒業したのだよ。

「へぇ? 神様が地球を卒業ですか?! なんとまぁ・・・?!
だとしたら《卒業式》ですよね? 他の神様たちなんかとの
お見送りの式とか、やりました?」

いや。 私は独りで去るつもりだよ。
何か不都合でもあるかね?

「神様って、何気に疎まれていらっしゃいます?
せっかくの卒業式なのに寂しいじゃないですかぁ?!
今からでも誰か、他の神様たちを呼んだらどうです?」

いや、そんな必要はない。地球人の誰かが、かつて言っていたが
老兵は死なず。ただ消え去るのみ・・・だ。

「あら? 神様ってお年寄りだったんですか?」

単に例えたに過ぎない。 それよりキミこそこんなところにいないで
帰るべきところに帰りなさい。私の力が必要なら手を貸そう。

「・・・なんか、よく覚えていない。 記憶を無くしたかも?」

おや。それは困ったことだね? わかった。私がなんとかしよう。
やれやれ、私の地球での最後の仕事が【迷子の救済】とはね。

☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 


やれやれ。 なんとか送り届けたが、とっくに亡くなっていた
昭和の青年だったとは意外だった。彼の時空でしっかり成仏しなさい。

「あの~~~?!」


わっ?! ビックリするじゃないか?
どうした? せっかく送り届けたのにっ?!

「あの~~、ボクも神様と一緒に行っちゃダメですか?」

何を言い出すかと思ったら。そんなことが無理なことは
キミでも想像できると思うが?

「それはわかるんですけどね。なんか、今の地球が危ないってことも
なんとなくわかるんです。ましてや神様までいなくなったらと
思うと・・・?!」

ん? キミは昭和で亡くなってるよね?
令和の今とどういう関係があるのかね?

「実は、生まれ変わった自分は令和で生きてまして・・・
恥ずかしながら総理大臣をやっておりまして。こっちは記憶も
ありましてっ!」

おや、それは失礼した。
それでは生まれ変わったキミの職務を全うしなさい。

「それが、どうにも全うできない事態になってまして・・・!
もはや 神頼みしか残されてはいないのです。
どうか、神様として私をお助けください!!」

・・・私の役目とは 大きく欠け離れた願いだが・・・
私を必要とする程なのかね?

程ですつ!! このままでは地球の一大事ですっ!!

ふむ。こんなところにまで顔を見せたキミに免じて・・・いいだろう。
ほんの少しだけ私の旅立ちを伸ばすとしよう。

「さすが神様です! いよっ、神様、仏様っ!!」


仏は余分だ!


☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 


さて、神様と総理大臣の漫才コンビ(違!)
この先の顛末は・・・またの機会に☆


【了】(いいのか?)



#シロクマ文芸部





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