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『イライラする挨拶代わり』② #毎週ショートショートnote

*部長室にて

(『ボクでございます』番外編)


「すると、おまえの先輩であるあいつは・・・
新卒入社である新人のおまえを
あいつの挨拶代わりに よこしたと言うんだな?」

「さようでございます。ボクの教育係でもある先輩から
この度、部長に就任なされたあなた様に、ご挨拶代わりを
命ぜられました ボクでございます。」

「そうか、オレに恨みがあるあいつらしいな。 で・・・
おまえが来ただけでは挨拶代わりにならんだろうが?」

「もちろんでございます。 あなた様の信じられないくらいに
底辺を見下す態度や、高圧的な営業のノウハウを・・・ぜひとも
ご教授いただきたく参りました所存でございます!」

「そうなのか? 
ならば新人に免じて教えてやらんでもないが・・・
何が聞きたい? 例えば下請け担当の初対面とか?」

「まさに、打ってつけの例題でございます!
ぜひ、ご教授賜りたく存じます!!」」

「よし。 下請け風情にナメられてはいかん。
最初から上から目線で接するのが基本だ。」

「例えば?」

「おまえがこれから我が社から仕事を受けたいという底辺か?
ならばこれから、オレの奴隷という立場をわきまえろ!!」

「わかりました。こうですね・・・

おまえがこれから我が社から仕事を受けたいという底辺か?ならばこれから、オレの奴隷という立場をわきまえろ!!」


「・・・・!?」


「勉強になります。次をお願い致します!!」 

そう言って新卒の新人社員はだれからも嫌われている部長の言葉を
次々と《オウム返し》することになるのでした。


「オレの言うことが聞けないというのか?
お前をクビにするどころか、おまえの会社を潰してもいいんだぞ?!」

「オレの言うことが聞けないというのか?
お前をクビにするどころか、おまえの会社を潰してもいいんだぞ?!」


「・・・・!」


例題を学ぶごとにさらに激しさを増す
新人の《挨拶代わり》の反復絶叫に・・・

次第に勢いを失っていく部長様なのでありました。


【おしまい】

(知~~らない!)


*このお話はフィクションであり、実際にあった人物・施設・出来事等とは
一切関係しておりません。


*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『イライラする挨拶代わり』
裏お題が・・・『オラオラするTシャツ手触り』でした。

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