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『ボクでございます 』① オラオラするTシャツ手触り(裏お題) #毎週ショートショートnote
*陽だまりの物干し場で
オラオラするヤンキーに密かに憧れておりました。
弾けるように変身して《オラオラ》するのが
ボクの・・・夢でございました。
ボクは、実直・厳格な公務員の両親のもとに産まれて
敬語しか口に出せないトラウマのままに
大人になったのでございます。
やはり公務員になって、誰と接するにも
自分の口から出る言葉は敬語のみでございました。
こんなボクでございましたから・・・
彼女などいたためしがございません。
職場には憧れる同僚の女性がおられましたが
彼女とも最低限の敬語でしか接することが
できなかったのでございます。
トラウマを呪わさせていただきました・・・!
流行りのものではなく普通の風邪で
職場を休ませていただきました。
寮住まいでしたので普段から身辺のことは
全て自分でさせていただいておりました。
熱もございまして、その日も何も食さないまま
寝込ませていただいておりましたが・・・
ピンポ~~~ン☆
突然のチャイムに驚き・・・フラフラと
這いずるように玄関に向かわせていただきましたが、、
何ということでしょう?!
ドアスコープの先に憧れの同僚の彼女の姿が
あったのでございます?!
買い込んできた材料で
食事の用意をしてくださったり
洗濯までをしてくださったりの
夢のような・・・
奇跡の時間が到来したのでございます。
翌日。
寮の屋上の物干し場には彼女の洗濯してくださった
ボクの《Tシャツ》たちが・・・
太陽さまの日差しを受けて輝いておりました☆
思わず「やりました!!」の代わりに
ボクの口をついて出たのは
「オラオラッ・・・!!」
何ということでございましょう?!
そんな言葉が
ボクの口から発せられていたのでございます?!
そして歓喜の発動の流れのままに・・・
「オラオラ! オラオラッ オラオラッ!!」
・・・と、Tシャツを次々といたぶるように薙いだ先に
何故か柔らかい感触が・・・?!
全てが真っ白になったボクの視線の先に・・・
ちょっと困った顔の彼女がいて・・・それでも
太陽さまにも負けないくらいの笑顔が輝いていて・・・?!
ボクの未来が 憧れの『オラオラ色』に満たされるを
感じていたのでございます☆
(*もちろん「申し訳ございませんでした!!」の
謝罪の言葉を決して忘れてはおりません!)
不謹慎とは思いますが、その時のオラオラしつつの
Tシャツの先の手触りは・・・ボクの《オラオラ記念》であり
内緒の・・・ボクの宝物のような思い出の感触でございます。
【おしまいでございます!】
(981字)
*全てがフィクションです。
オラオラのままに文字数無視で申し訳ございません。😅
*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『イライラする挨拶代わり』
裏お題が・・・『オラオラするTシャツ手触り』でした。
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