ラフィッツ・ラビッツ スピンオフ「EXTRASTAGE 1」
ある日の二階堂家。
すったもんだの騒動があった温泉旅行から帰ってしばらく後の日曜日。青空が広がり涼やかな風が吹くその緩慢とした昼下がりの空気をぶち壊すように、女性の大きな声が響いた。
「各々方!おのおのがたぁ!」
声の主は二階堂碧。二階堂家の三女である。
言葉遊びが好きな彼女は、その時々で言葉遣いが変わる。温泉旅行の行きがけに読んだ時代小説の影響がまだ抜けていないらしく仰々しい物言いになっているようだ。
「であえ、であええい!」
「・・・なに、どうしたの?あおちゃん」