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「この声をきみに」

ひとりの時間に、オンデマンドで過去のドラマをみることが自分にとってのリラックスタイムだと、このところ強く思う。実家にいたころ、よく母と夜遅くまで映画やドラマを見ていたことを思えばいまさらな感じだけど、過去のドラマを検索しては“いっき見”するのが楽しみだ。

いま見ているのはNHKのドラマ10で放送されてた「この声をきみに」。

人との交わりよりも“結び目”に夢中な数学教師が、ふとしたことから朗読にはまっていく、というもの。毎回いろんな本が登場人物によって朗読されるシーンがあって、どの図書館にも置いてあるような有名なものから初めて聞くものまであって、特に絵本に疎い私は、スマホで調べながら見たりしている。

これまで本はたくさん読んできたけど、朗読にはあまり興味がなかった。地域のボランティアで“読み聞かせ”をしたことはあっても、そのときちょこっと練習するだけで、指導を受けたことはなかった。読書嫌いな息子を前に、小さいころもっと絵本を読んであげればよかったかと思うけど、当時は、私が一緒に眠ると朝まで眠ってくれた息子に救われていた面もある。

タイトルは、”竹野内豊の魅力は“受容力”にあり”という記事で見つけた。「素敵な選TAXI」も「BOSS」もおもしろかったから、そっちの竹野内豊だと思って見始めたら違った…いや、違ってて、それがまたよかった。

朗読教室の先生、柴田恭兵も、よかった。特に個性を全面に出すことはなかったけど、そのふるまいが知的で、枯れ具合も程よくて、このドラマに合っていると思った。

そして、少し先を行く人の教えは、見渡せば端々にあるということを痛感する。例えばこのドラマで出てきた「今日」という絵本。一日中こどもの世話に明け暮れていたのだろう、“今日、私はお皿を洗わなかった”と始まるこの詩を最後まで聞いたとき、涙が溢れ出た。

食べこぼしも拾わず、洗濯物もたたまず、ただただ小さなこどもと一日を過ごす。安全を見守ること、してはいけないことを教えること、それは生きていく上でとても大切なことだから、それを最優先でやった私は、ダメじゃない、ちゃんとやったんだ。と、“ハナマル”をくれる詩でした。

息子が10歳を迎えてもまだまだ我が家は大騒ぎで、家事を後回しにすることもざらにある。コロナ禍での“代理授業”も加わって責任も感じるし、何よりランチが大変だ。でも、その片付け、夕食の片付けと一緒にしてもいいよね?って思うだけで、気がラクになる。嬉しい一冊です。

ドラマはまだ途中。あれ?と思ったところで戻せるのがオンデマンドのいいところ。続きを見たらnoteにまた書こうと思います。今日はこれから、公園にいきます。パパからの要請で即席カメラマンです。なんと、息子のサッカー動画を撮るそうです。手ぶれ補正の機材を使うから、って言われても。大丈夫かしら…。

https://www.nhk.or.jp/drama10/myvoice/index.html


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