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どうぞ、ご無事で。

何十年も前のことになるけれど、“誰かや何かを思うとき、そこまでの、その間にあるものを、たとえば「音楽」でやってみようかな“とある人が言っていた。それは確か、学校の教室の隣の席の子に向けているものも、地球の裏側にいる人に向けているものも、同じだと思う、と言った後に出てきた言葉で、私は子どもながらに“それって好きな人ってことでしょう?”と思ったことを憶えている。ラブソング、ってそれのことか、と。

いまは新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣の対象地域が全国に拡大され、さらなる自粛を求められています。でも、できることはもうしているよ。買いものも3日に1回にしてるし、電車やバスは窓から見るだけ…あとはもう、“大切な人のことを思って行動すること”くらいしか、そう思ったとき、当時は何となくしかつかめなかったその言葉の意味に、ようやく出会えたのかもしれません。

このところ、いろんなSNSで、ミュージシャンが、アスリートが動画をアップしてくれています。それぞれ“自分ができること”を活かして、行動してくれているんだと思います。でも私はただの主婦なので、すぐそばにいる大切な家族と毎日を平穏に暮らしつつ、離れて暮らす両親や姉、兄、そしてその家族の無事を祈っていようと思います。そう、私にできることは、思うこと。思って、うちにいることなんだと思います。

そして。“元気でいるかな。しあわせにしているかな”、そう誰かのことを思うとき、いつも何かメロディーが流れてくるような気がしています。たぶん、いつも音楽を聴いているからかと思うけれど、そうでない、言ってしまえばさほど趣味ではない音楽も流れてきます。あとは声も。叱られたときの母の声とか。音がするという意味では同じでしょうか。ちなみに昨日はCMソングでした。ACジャパンの「にゃんぱく宣言」。しばらく会っていない、まっさん大好きな義姉…元気でしょうか。またお話したくさんましょうね。次に会えるのはお盆かな。もっと先になるかもしれませんが、どうぞ、ご無事でいてください。

冒頭で記した、ある人については、いつかまた書こうと思います。いまはただ、この、なんとも言いようのない手探りの毎日を、誰かのことを思いながら穏やかにすごしていこうと思います。そう、どこからか聞こえてくる音楽とともに。

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