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ここ数年で最大の気づきのこと

健全な土の中では空気と水がゆっくりと、流れている。

単純な事実ほど気が付きにくいが、いったん気がつくと、とことん腑におちる。真理とはそういったものだろうと思う。

造園家であり環境再生医である矢野智徳さんのいう「大地の呼吸」や、造園家・高田宏臣さんの提唱する「土中環境」が教えてくれたこの事実は、まさにそういう類の真理だ。

直接的に、僕にその真理を気がつかせてくれたのは妻のりょうこさんであった。りょうこさんは、いわゆる普通の造園業に携わっていたことがあって、ある日、仕事でずっと感じていた違和感への答えを教えてくれる考え方に出会ったと言って持って帰ってきたのが高田宏臣氏の『土中環境』という本であった。

読んでみて驚いた。我が家は山裾にあり、土に囲まれて暮らしているが、地面の中のことなど考えたことがなかったし、それが呼吸し、流れているなどとは想像だにしなかった。今にして考えてみれば当たり前なのだが、考える前はまるで気がつくことがない。まさに青天の霹靂、驚天動地の気づきであった。

そんなわけで、私たちは暮らしの中で、土の中のことを意識するようになり、土中の環境を意識した庭を志向するようになり、実際に手を動かして、ときおり人に頼まれたりして、庭づくりをすることになる。

知識先行型の僕は、いにしえから学ぶつもりで現代土木以前の土木関連の書籍を読み、土木が仏教と共に伝来してきたと知ればその中心人物であった道昭や行基について書かれた本を読み、ついでに仏教もかいつまんだ。古代中国の風水に対自然の光明を見るや、風水に関する書籍を読みまくった。

そうやって、いろいろな知見に出会っていくことで、自分の中で、山で暮らすことの意味が大きく変わったのだった。

note では、そんな日々の気づきや、「まのいいりょうし」をやってみるに至った経緯、はたまた、自分のこれまでのこと、そしてこれからのことなどを書き綴ってみたい。


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