強く打ちつけ ひねった手首の痛み
幸手市にある「風ある林整骨院」です。これまで実際にあった症例と、施術/施術後の様子などを書いています。
今回は、70代女性(主婦)の方の ” 腫れた右手首の痛み ” の症例です。
・来院時の状況:お風呂場の段差につまづき転倒。
その際、右手の甲から着地してしまい、そのまま全体重が右手にかかった。
負傷当日に来院。
・問診/検査時の初見と施術方針:右の手首から指先にかけて強い腫れ、肘周辺のあざを確認。
手首や指に可動はあるが、痛みがあり、握る/つかむ動作ができない。
骨折時に表れる限局性圧痛や衝撃痛は少ない様子。
手首の腫れが酷いので、腫れを引かせる施術をし、様子を見ながら早い段階で動かして症状の改善を目指す。
・本人の要望:整形外科に通院することを避けたい。
(但し、状況によっては当院の紹介状を持って病院へ通院するよう説明)
・施術(初回~約1週間毎日):患部に痛みが伝わらないように意識しながら、抹消から中枢に向けて包み込むように施術。施術すると痛みが治まる。
しかし、翌日には痛みが戻るという状態を繰り返す。
施術5日目ごろから、痛みの戻りが少なくなり、物をつかむことができるようになる。
・施術(中期~終了まで):症状の改善が見られたため、施術のペースを週に2~3回とする。
日常生活でも運動療法とストレッチを薦める。
■ 包丁やハサミ、箸を使う → 患部を支えて使ってみることで、運動させる。
■ ペットボトルのふたの開封 → 凝りの残っている肘を押さえ、そこから動かすように意識する。
施術後期まで、タオルを絞る/起き上がり時に右手をつく/手首の腫れぼったさが症状として残り、患部周辺を引きながらストレッチさせて施術し改善。
「タオルを絞れるようになった」と快復を喜んでもらう。
約2ヵ月で日常生活に問題がなくなり、施術終了。
今回の症例のポイントは、“ 転び方 ” です。
人は、赤ちゃんのときから頭や身体を守るために「パラシュート反射」という防御本能が備わっています。
そのため、転びそうになったときなどには、自然と手が出て身体を守ろうとするのです。
手を使って身体をかばうことができることは多くありますが、今回の症例のように、全体重を手が受け止めてしまえば大きなケガとなってしまいます。
とっさの判断で難しいことですが、手首など骨折しやすい繊細な部位を守るためにも、力を抜いて自然に受け身で転ぶこともひとつの方法として知っておくと、大きなケガの予防となると思います。
よくニュースにも取り上げられる厚生労働省の調査(人口動態統計)によると、家庭内での不慮の事故の件数のトップは「転倒・転落」です。
慣れた生活空間の家庭内で、思いがけないケガをしてしまう方は多くいます。
まずは、よくつまづくところや、滑りやすいところなど、家庭内の危険な場所を把握して対策をし、ケガを防ぐことから始めましょう。
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