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ひざの内側の痛み(鵞足痛)

幸手市にある「風ある林整骨院」です。これまで実際にあった症例と、施術/施術後の様子などを書いています。

今回は、高校教師50代男性(趣味:鉄人マラソン)の方の
“ 右ひざ内側(鵞足がそく)の痛み ”
の症例です。

鵞足とは
脛骨(すねの骨)の内側にある、筋肉の腱がくっつく部分のこと。
縫工筋、半腱様筋、薄筋の腱が鵞足という部分にくっついています。

風ある林整骨院|鵞足図解


 来院時の状況 
去年の秋ごろ、130キロマラソンレースに出場。
レース後、右ひざに痛みが表れたため整形外科へ。半月板が半分めくれてしまっており、半月板損傷と診断される。ヒアルロン酸注射を6回ほどしたところで痛みは消失した。
今年1月ごろより、自宅周辺でのマラソンを再開。ペースは、週に3回/約10キロを走る。
3月ごろになり、走り出し~20分くらいの間に右ひざの内側(鵞足)と膝蓋骨周辺に痛みが出るようになる。
不思議と、走り出して20分後には痛みが消えてしまうので問題なく走れる。日常生活にも問題はないが、歩行時にひざ下に重みがあることと、ひざが後ろ側に反っているように感じるため来院。
痛みが出ている部位は図の通り⇩

風ある林整骨院|鵞足痛患部

【 問診/検査時の初見と施術方針 】
長距離を走るランナーであることから、ひざ関節の構成筋に多くの摩擦やストレスがかかっている様子。ひざの屈伸での痛みはなし。
ひざ関節の周辺筋の調整の施術を行う。施術と並行して、週1回ペースの軽いマラソンは継続して様子をみる。

【 本人の要望 】
走り始め20分くらいの間に起こる鵞足付近の痛みを抑えたい。


【 施術(初回)】
大腿回頭筋/縫工筋/ハムストリングスを調整する施術
” ひざ裏が後ろに反っている感覚 ” があるとのことなので、立位にてひざ裏に手を当てて屈伸運動をし調整。間もなく、ひざの違和感は解消。


【 施術(~中期)】
右ひざに起こる痛みとひざ下の重だるさが続き、なかなか解消に至らない。
マラソンの走行法のひとつで、かかとから着地して走るヒールストライク走法で走ると痛みがあるが、つま先から着地するフォアフット走法で走るとまったく痛みがないという。
ただし、痛みが出ないフォアフット走法は、鉄人マラソンには不向きなので、引き続き ” 後脛骨筋 ” を中心に施術し調整。
この ” 後脛骨筋 ” を施術していたところ、鉄人マラソン後にいつも痛みが1番残るところだとのことで、その後は歩行に軽さが戻る


【 施術(~後期/現在)】
歩行などに少しづつ改善はみられるが、走り出しでの痛みが解消できない。
歩く際に、”靴を履いていないときが楽に感じる”とのことで、足底筋群をゆるめる施術ひざ周辺の調整をあわせて行う。
現在、マラソンも距離を延ばせるようになり、走り出しの痛みは徐々に解消傾向となっているが、メンテナンスのため来院を続けている。

足底筋群とは
かかとからつま先まで放射状に広がる筋膜。足の衝撃吸収クッションのような役割をする。
マラソンなどのランニング動作の繰り返し(オーバーユースにより損傷しやすい。また、硬い路面やシューズなどの影響も受けやすい

風ある林整骨院|足底筋群図解



今回の症例は、
” ランニングをする方に起こりやすい ”症状のひとつです。

ひざの屈曲動作の繰り返しとなるランニングは、鵞足をはじめとするひざ周辺の筋肉などへの負担となります。
身体の許容範囲内であれば問題は起きませんが、オーバーユースとなれば痛みとなって症状が表れます。
また、硬いアスファルトの上を走ることで、足底~下腿~大腿への負担が大きくなって疲労が残りやすくなります。

これまで施術をしてきた経験上、痛みが起こるタイミングとして、
・タイムが上がり結果が出るようになった
・記録を伸ばすため、ストイックになった

など、心理的な判断により練習量が急激に増え身体が悲鳴を上げてしまうというパターンが多い気がします。
練習量を増やす場合には、身体の状態をみながら体力に合わせて少しづつ増やすことが鉄則です。

さらに、ランニング前後のストレッチは、とても重要です。

特に、今回のような鵞足周辺に痛みが出る場合、太ももやふくらはぎの硬さが原因となることがあります。
運動前後には、太もも/ふくらはぎ/足底の緊張を、ストレッチやマッサージで十分にほぐしケアすることが大切です。

その他、痛みの原因としてランニングのフォームシューズに問題があることもあります。
・動作や姿勢などを改善すること
・シューズの見直し
・運動を行う環境(走る場所など)

に注意を払うこともランニングを心地よく続けるための要素です。

ランニングをして痛みが出てしまった場合には、
・運動の中止(十分な休息)
・患部のアイシング
・専門家への早期の相談(手当が早いほど悪化を予防できます)

など処置をして、身体を労わり故障やケガを防ぎましょう。


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