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Doors 最終章 〜 Doors

 僕は細長い廊下に立っていた.先が見えないくらいとてもとても長い廊下に.目の前には沢山の扉が並んでいる.すると,その扉が端から順に開いていき,全ての扉が開いたら扉の中から光が流れ出した.眩い光に一瞬目が眩んで目を背けた.
 光が止むとそこには扉が一つだけあった.ドアは開いており,中からキラキラと光が漏れ出ていた.ゆっくりとその中に入ると,中にはまた別の扉が一つ.こちらには鍵が掛かっており厳重に閉ざされているようだった.少しガックリしたが,すぐに前を向いた.鍵を探さなくては.

 扉の先に何が待っているのか僕は知っている.それを手に入れるべく未来から戻ってきたから.あの時,僕はもう一つの方の扉に進んだ.その先の未来は華やかだったが,孤独に溺れている自分がいた.魔女に一度だけチャンスを与えられ戻ってきた.そして,あの時とは別の扉を開けた.未来の自分を救うために.
 目的地までの道のりがどうなっているかは分からない.茨の道かもしれない.実際に,僕の足には棘が無数に刺さっていて痛い.でも,いつかその痛みも癒えることを知っている.だからこうして歩くんだ.先の見えない扉の向こうへと続くこの道を.幸せを信じて.


 〜 おわりに 〜

 人生とは扉を開いていくゲームなんだと思います.全ての扉を開けばクリア.順番を間違えたらセーブポイントからやり直し.ルールはそれしかない.そういう意味では,選択肢とはあってないようなものと言っても的外れではないのかもしれない.人生とはそんなシンプルなゲームであるような気がする.

 たとえ扉を間違えても大丈夫,ほとんどの人は時間を遡ったことも含めて,その記憶など微塵も残らないから.仮に一部残ったとしても,デジャヴとして認識するだけで,時間は連続で不可逆だということを信じて止まないだろうから.

 だから,迷ったときはいつまでも思い悩んでないで,思い切って信じることができる扉を開いてみたらいいんじゃないかな.考えたり悩んだり時には苦しいこともあるだろうけど,それも含めて楽しめるように努めてみればいいのかもしれない.きっとその先の道は素晴らしいものになるのだろうから.

 全ての扉を開いたその先の部屋で待っています.いつかみんなで昔話をしましょう.

  ありがとう

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