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仮想遊園地 #76_92

「あんた、一体・・・」
「だが、その国は貧乏国で金がないときてる。それで取引だ。燃料は先渡してやる。その代わり、死骸の山をごっそりいただく。それで燃料を増産して、他の国にも供給してやる。現物交換の繰り返し。回転取引っていうやつ」 
「あんた、狂ってる」
「ああ、昔から狂った人間が世の中を回してる。これから原料は無限に手に入る。もう、一人や二人の死体なんて目じゃない。おまえも、工場のプールで泳ぎたいみたいだな」太気は椎衣に飛びかかる。
「あんたも、利用されてるだけだよ。あの子供達と一緒」
「何、言ってる。俺なんか、今度、工場長になるんだぜ。なんと燃料自動車で送り迎えの毎日さ。俺が、あの工場全部を仕切るんだ」 
「太気、知らないの?工場長は・・・」