5月3日
ちょっといい珈琲を淹れた。去年のバレンタインに友達に貰った一杯抽出型の珈琲で、産地とフレーバーが全部違うものが数個詰まっていて気分に合わせて楽しめる。とっておきなので、こうやって一年以上かけて消費していっているのだが、珈琲を淹れる度に彼女に思いを馳せられて、素敵なプレゼントだなと思った。
犬が暑さでバテてしまうので、今日は朝早くに散歩に出かけた。昨日はまだ蕾だった赤い薔薇が、見事に花開いていて、思わず頬が緩んだ。朝の散歩は清々しく気持ちよかったが、散歩と同時に始め、終わらないと思われた母とのしりとりが、母の「江頭2時50分」という言葉で終わりを迎え、二人とも人目をはばからず笑い転げてしまった。散歩中は、見かける人の九割九分がマスクをしている光景以外は全く平和に思える。
午後はAsuka Academyの講義を受けようと思っていたが、動画が上手く再生できなかったので、うちの大学図書館がオンライン資料としておすすめしていた心理学ミュージアム を見ていた。なぜ被害者を責めるのか?という研究で、"公正世界仮説"のことが述べられていた。「良い人には良いことが起こり、悪い人には悪いことが起こる」というような秩序があるのだと考えることだ。この信じている世界が揺らぐようなことがあると、世界を信じ続けるために被害者を不当に避難してしまうことがあるという。私はこの題で真っ先に性的被害を受けた女性の例を考えたが、この"公正世界仮説"をもとにし、さらに女性蔑視と性犯罪の軽視が性犯罪被害者への"被害者非難"が目立つ理由かなと思った。また、イラクでのジャーナリストの誘拐事件が起こった時に日本で声高に言われた「自己責任」という言葉と海外の対応の違いを見ると、日本は他国よりこの"公正世界仮説"が揺らぐことに強く拒絶反応を見せるのかなと思った。今度論文を探してみようと思う。
脳の島皮質という部位も知り、初対面の人に「心理学部所属です」と言うと「え〜心読めちゃうの?」と笑いながらちょっと警戒されるのも仕方ないのかなと少し思った。島皮質は「身体」が温かさを感じた時と「心」が温かさを感じた時の両方で反応するために、両者を混合しやすい部位だ。だから、温かいものを触ると心まで温かくなったような気がする。身体感覚の影響を思想や行動が受けていることを「身体化認知」と言い、苦味を感じると間違った行動を「まずい」と感じやすく、重たいものを持つと何かを「重要だ」と感じやすくなるなど、意図してやれば多少人の行動を変えられるかもしれない。手作りのアクセサリーや置物を売る時は、少し重みを感じる素材で作るとか。
はらだ有彩さんの連載、「女ともだち」の最終回が公開された。セーラームーンのみちるとはるかの関係についての話だ。私はセーラームーンは最初の方を幼い頃に見たきりで、二人のことはどうやら素敵なカップルがいるらしい、というくらいにしか認識していなかった。今回この記事で二人の物語を知り、あまりに切なく愛おしく、映画を一本観たような気分になった。「たぶんふたりとも、自分が先んじて死ぬことはある程度想定していた。ただ、残される覚悟がなかっただけだ。」
相手をどんなに愛しているか、本当に思い知る時はどんな時だろう。「赤毛のアン」で、アンが屋根から落ち運ばれてくるのを見たマリラが、自分がどれほどアンを愛しているかを思い知り、頑なだった態度を改め愛情を隠さないようになったことを思い出す。
相手がどんなに大事でも、何よりも世界を優先していた二人が、「彼女のいない世界なんて守っても仕方がない」と行動するようになる過程を描くこの作品がとても好きだ。タキシード仮面に何故か多大なる苦手意識があるため、本編を見るのは難しいかもしれないが二人が登場する回だけでもみたい。今セーラームーンはYouTubeで無料配信されているらしい。
30-day song challenge 21日目は、
"A song you like with a person's name in the title"
大槻ケンヂの「香奈、頭をよくしてあげよう」を挙げる。一番好きなラブ・ソングだ。「抱きしめてあげる以外には何か、君を愛する術はないものか」と、「生きることに君が怯えぬように」、頭をよくしてあげようと歌う。「いつか恋も終わりが来るのだから」「一人ででも生きていけるように」
愛するということはどういうことか、をこの歌で知った気がする。同世代の子たちが聞く、片思いしたりときめいたりセックスしたりのラブ・ソングが好きでない時にこの曲に出会い、こんな風に愛を歌う人もいるんだと安心した記憶がある。
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