マスターズエイト決勝戦part2

「え!?なんだよこの展開…シロナさんは強い。でも、あのダンデさんが一方的に負けてるなんて」サトシは驚きを隠せなかった。
「あなたの友達のアイデアとシロナさんの戦術がダンデ君を追い詰めたのよ。」とカルネは言う。
「友達?」サトシは色々な地方を旅した仲間を思い浮かべる。
少し間が空いてから「カウンターシールドを生み出した人よ!」とカルネは伝えた。
「あっ!」とサトシは理解した。
(確かにヒカリのコンテスト技なら戦闘に役にたつ。)とサトシは笑った。

第六試合 ダンデ:リザードン シロナ:ガブリアス
壊したはずのステルスロックがリザードンを襲う。
「何!?ステルスロックはエースバーンのねっさのだいちで壊したはず。」と焦るダンデ。
「ダンデ君が壊したのはステルスロックを覆っていたりゅうせいぐんよ。」と答えるシロナ。
ダンデはシロナのメガシンカガブリアスとの戦いに備え巨大マックスし、ダイドラグーンを指示した。
だが、シロナがガブリアスにしたのはメガシンカでは無かった。
「光とともに ガブリアス!」
ガブリアスにガラスのような姿になり、頭に岩をモチーフしたものが現れた。効果が抜群のはずのダイドラグーンを軽々と受け止め、いわなだれを繰り出す。
リザードンは巨大マックスをしているため、身動きがとれず、クリーンヒットし、怯んでしまう。すかさずガブリアスはりゅうせいぐんを繰り出し、リザードンは戦闘不能となった。

「完敗だ。おめでとう。」とダンデはシロナに祝福の言葉を送る。
「ありがとう。ポケモン達が私の思いに答えてくれたから勝つことができたわ!コンテスト技を教えてくれたヒカリさんにも感謝しないと!」と答えるシロナ。
「二つ気になることがあるんだ。教えてもらっても良いかな?」と疑問をダンデはぶつける。
「ええ。どうぞ。」とシロナは質問を予想していた。
「まず、一つ目。あのウィンディは何なんだい?初めてみたが…。」
「でしょうね。あの子は遠い昔のポケモンなの。」と答えるシロナ。
「遠い昔のポケモン?」とダンデは掘り下げる。
「ええ。決勝戦の準備をしていた時だった。私の元に急にギラティナが現れた。現れるなりテレパシーで昔のシンオウ地方の出来事を教えてくれた。アルセウスに会いたい気持ちが強くてギラティナの力を使って時空に穴を開け、知らない女の子を呼び出して悪用したこと。プレートを集めさせ、あと一種類揃えばアルセウスに会えるというところで女の子のプレートを強奪しようとしたこと。でも、今まで女の子の手伝いや図鑑を埋めていく様子を目の当たりにしてきたことから、図鑑完成を応援するようにしたこと。そして、最後は女の子を元の世界に戻すために尽力し、アルセウスとの会合に成功して子孫にヒスイの平和を維持するように願った。
テレパシーで昔のシンオウ地方について教えてくれた後にはもうギラティナの姿は無かった。ギラティナがいた所にウィンディのモンスターボールが置いてあったの。それがウィンディだった。」とシロナは経緯を語った。
「なるほど。つまりギラティナはシロナさんの祖先のポケモンを使って決勝戦に挑んで欲しかったという訳か。
もう一つ。最後のガブリアスの変化…あれはなんだい?」と二つめの疑問をぶつける。
「あれは、とある地方で使われているものなの。」とサトシを視線に捉えて説明する。
その視線にダンデが気付き「なるほどな。」と意味深な笑みを浮かべた。
(とある地方で使われているもの…)とサトシは興味を示す。
「なぁ、ピカチュウ。俺達が知らない世界があることをシロナさんはバトルを通じて教えてくれた。また新しい旅に行こうぜ!」とピカチュウに伝え、「ピッカぁ」と喜びの返事をピカチュウはした。


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