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紙でもWebサイトでもない。VRポートフォリオの魅力!

風見です。
2022年11月11日にイラストレーター風見緑哉のVRポートフォリオを公開しました。

クリエイターのポートフォリオ(作品集)というと作品をクリアブックにまとめたものや、個人ウェブサイトのイメージが強いですが、今回はメタバース上にポートフォリオをつくる取り組みに挑戦。
制作する上で気付いたことや反省点などを備忘録的にここに書き残しておきます。
これからVR上にポートフォリオを作りたい方の参考になれば幸いです。

アバターはVRoidで自作

公開場所はメタバースプラットフォーム『Cluster』
いわてVRワールド「VHATOV(ヴィーハトーヴ)」でイベントを行なっていたり、2022年春にCluster GAME JAM に参加したこともあって基本的なワールドの作り方を学んでいたのでこちらを選びました。

UnityとCluster Creator Kitを入れればプログラミングができなくても意外と簡単にワールドが作れます。ワールドクラフトだと自由度は下がるもののさらにお手軽。Clusterに感謝!

まず検討したのがワールドの大きさと形。
実際の展示会などでは会場の形や広さが決まっているため、会場に合わせて展示物の配置を考えますが、今回のVRポートフォリオは展示会場から自分で創るようなものなので、会場の周りやすさと展示のしやすさ、拡張のしやすさを考慮して四角い部屋をいくつか組み合わせる構成にしてみました。
全てを壁で囲ってしまうと窮屈な印象になってしまうので、壁はあえて全体的に透明にして解放感ある空間にしました。

(クリエイター的にワールドの細部にこだわりたくなるのですが、箱の形にこだわりすぎるといつまでも完成しませんので注意!ポートフォリオは作品を置くことが第一目的なのでシンプルでいいのです←自戒の念をこめて)

上から見た図

個人的に宇宙や星空といったモチーフが好きなので、宇宙空間にギャラリーが浮いているシンプルなデザインに。WEBサイトでも使っているイラスト、デザイン、プロジェクトの分類と、岩手関連作品のブースに分けています。

次に置く作品のピックアップ。作品によっては権利の関係で自由に使えないものもあるので、オリジナル作品や許可をとった作品のみ選定しています。

デザインエリア(枠内には本来キャプションが入っています)

会場の構成と作品が決まったら、あとはパーツをUnity上で置いていくだけ。
これが意外と大変でした。かなりシンプルな会場デザインではありますが、微妙にズレたり壁の隙間があったり、マテリアルが思うような色にならなかったりうまく貼れなかったりと色々調べながら試行錯誤の繰り返し。詰まるところはみんな詰まったりしているので調べると大体解決します。

3Dモデルの編集はBlenderも使っているので、こちらでも試行錯誤。使い慣れないと機能が多くて大変。もっと効率良くつくれるようになりたいですね。

プロジェクトエリア 天井に動画を投影しているのがこだわり

最後にBGMの選定。今回はフリーBGM素材を活用させてもらいました。
素晴らしいBGMを創っている方がたくさんいるので、ワールドに合いそうなBGMに出会うだけでも一苦労。捜索に3時間近くかかったかもしれません。

11月1日にUnityを新しいPCにダウンロードし、公開が11月11日でしたので制作に10日かかりました。(途中仕事もしてますが)
なんとか公開までは辿りつけましたが、公開はまだまだ第一歩。どのように活用していくかが今後の課題です。

VRポートフォリオの魅力は「体験」してもらえること。
展示会場を回るように自由に歩き回ってもらい作品を見てもらう体験は、ポートフォリオサイトをただ閲覧するのとは印象が全く違います。
また紙のポートフォリオを持っていない時でも、スマホやPCがあればすぐに体験してもらえるのも便利です。

座りながら見ることもできます

スマホからだと小さく見えますが、VR機器で見てみると迫力があります。
こんな大きなイラストを実際に印刷したらいくらかかるんだ(笑)というような見上げてしまうくらいの大きさにも簡単にできるので展示の幅が広がりますね。

現実世界で自身の美術館を建てるのは超有名作家以外難しくても、バーチャル世界ならクリエイターが1人1つ以上自身の美術館を持つのも普通になってくるでしょう。
去年の段階でVRポートフォリオ自体は作ろうとしていて、箱にこだわりすぎてデータが重くなったり、調べても解決できない問題が重なって一度挫折した経験から、最初は簡単なものから作ってみるのが良いなと思いました。

岩手関連作品エリア

少しでも本記事でご興味持ってくださった方は、ぜひKazami's VR Portfolioに遊びにきてみてください!

ロックハンドも持てます!

【気付きポイント】
・2D作品や動画はQuadに貼ると軽い
・作品が壁にめり込むとチカチカして目に痛いので壁から浮かす
・Clusterで動画をワールドに埋め込む場合は動画をGoogle DriveやGitHubにアップロードする必要があり、何度も再生していると再生されなくなることがある(Google Driveは止まりやすいので、動画サイズが大きくなければGitHubの方が安定するかも)
・音声(動画含む)の範囲は色々調節できる
・入って欲しくないエリアや落ちてはいけない場所には壁(または透明な壁)を必ずつけておくこと
・裏表別のマテリアルを貼りたい場合、Blenderでマテリアルを貼ってからUnityに持っていく
・階段などの細かい段差はVR酔いするので、透明なスロープなどをつけて細かい上下運動が起こらないようにすると優しい
・個人では外部URL(別ワールド以外)にジャンプする機能は入れられない(?)
(公式ワールドには外部URLに飛べる機能あったので出来るのかもしれませんがclusterkit内では見つかりませんでした)

【改善したい点】
・想像していたより広かったので全体的にコンパクトに
・エントランスとイベントスペースが離れ過ぎていると人が集まらない
・自作skybox(空)の切れ目が気になる
・ライトベイクしたら逆に重くなったのでライティングを学びたい
・投げるギミックが公式の記事通りに設定してもうまく行かなかったのでなんとかしたい
・動画が途中で止まってしまったり、更新からしばらく経つと見れなくなる現象をなんとかしたい
・近づいたら出る吹き出しを作りたい

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