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愛すべき世界(ワールド)の終わりに

風見です。

「愛すべき世界(ワールド)が終わる」
もう長らく訪れていなかったはずなのに、その世界がなくなってしまうと思うと
なんとも言えない寂しさと、当時の色鮮やかな思い出が静かな波のように心に押し寄せてきます。

オンラインゲームを初めて体験し、寝食を忘れるほど没頭した時期から10年近く経った今、昔活動していたオンラインゲームがサービス終了するケースが増えてきました。

コンテンツ競争が激しく娯楽も趣味も多様化した現代では、運営側からすればひとつのワールド(オンラインゲーム)という箱を長年提供し続けることは難しいことであると思われます。
プレイヤーの飽きや慣れ、他のワールドとの差別化、年を重ねるごとに変わっていく環境とどう向き合っていくのか。課題は様々ある中で、長年サービスを続けてくれているワールドには感謝と尊敬の気持ちしかありません。

ただのゲームから、自分の住んでいる「世界」のひとつになる。
一時期何かのオンラインゲームや仮想世界に没頭したことのある人なら共感してもらえるかもしれません。
1週間程度ではそこまでの感覚にはなりません。1ヶ月でも短いでしょう。
数ヶ月から数年、喜怒哀楽を感じながら世界を周り、仲間と交流し、成長し、NPCやアイテムにさえ愛着が湧く。BGMを聴けばいつだってその世界が思い浮かぶ。
仮想世界であると頭では理解していても、今という時間を生きているのはここなんだと実感するようになったら、自分にとっての「世界」のひとつになったと言えるのではないでしょうか。

2022年8月31日にサービス終了した「ICARUS ONLINE」も私にとって「世界」のひとつでした。プレイ期間はさほど長くなく、ギルドにも入らず、プレイヤーとの交流もそこまで多くはなかったですが、それでもサービス終了という告知をみた時には衝撃を受けました。
しばらく訪れておらず運営にもほぼ貢献(課金)していなかったので身勝手だとは思いますが、もう訪れることはできないと思うとやはり寂しい。寂しいと思う反面、没入できる世界に出会えたことを嬉しく思う気持ちもあります。

現実世界は私の命が終わっても続いていくでしょう。
でも仮想世界は私が生きる限りその世界の終わりを見届けることもできるかもしれません。「世界(ワールド)」が終わる瞬間を見届けるというのはここ最近まであまりなかった貴重なことかもしれません。
最近メタバース上で新しいワールドが続々と増えていますが、このワールドたちもいつかは終わる時が来るのだろうと思います。諸行無常、盛者必衰。

「愛すべき世界(ワールド)の終わりに」
どのような親しんだ「世界」にも終わりが来る。
それを忘れないように、また新しい「世界」を探しながら今を楽しみたいと思います。

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