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私がメタバースに惹かれる理由

「メタバース」
最近何かと話題になるのでこの言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。

メタバースはインターネットの進化形であり、アバターを介して人々が交流したり、仕事をしたり、遊んだりできるオンライン空間だと言われることが多い。これは共通された空間であり、いつでも好きなときに利用できる。Zoomのように、用が終わったら消えることもない。メタバースという言葉が指すものは非常に広い。

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Andrew Morse Scott Stein (CNET News)


なぜこのメタバースに惹かれるかというと、私が元・重度のMMORPGオンラインゲーマーだからです。
(MMORPG : Massively Multiplayer Online Role-Playing Game /大規模多人数同時参加型オンラインRPG )

「仮想世界の中でアバターを介して交流する」
これはMMORPGの中で当たり前にやっていたことであり、生活の一部にもなっていたため、私にとってはなんら珍しくないものです。

当時は周りにオンラインゲームをやっている人がほとんどいなかったので、あまり共感してもらえなかったのですが、今になってメバタースの盛り上がりで仮想空間での交流が増え、オンラインゲームをやったことのない人にも気軽に勧められるようになりました。

でもまだ完璧な状態ではなく、様々なところで世界やアバターが日々生まれて試行錯誤しながら進化している。
この黎明期のカオスな状態が私がメタバースに惹かれる理由の1つです。

 学生時代はちょうどPCオンラインゲームの全盛期であり、新しいMMOが軒並みサービスを開始した頃でした。
当時のMMOはレベルを1つあげるのにも月単位で時間がかかり、使える装備を揃えるためには1人では攻略が難しい難易度の高いダンジョンを気が遠くなるほど攻略する必要があるなど、いまのスマホゲームでは考えられないほど時間と労力のかかるゲームが多い印象でした。

アバターはキャラクターメイキングで自分好みのキャラを作ることができ、洋服の着せ替えなどもできる。自分の部屋やペットなどを持つこともできる。ユーザー間のアイテム取引もでき、買ったりもらったりあげたりとゲーム内で経済が回っていました。
キャラクターごとに役割(前衛のタンクや回復のヒーラー)などがあるため、パーティー内で自身の役割を全うしようと、スキルを覚えたり装備をより良くしたりと自分磨き(?)に天井がない。

 これでもかというほど中毒性のある要素が凝縮されており、一度ハマるとやめられない。

私がハマりこんだ1番の大きな理由が、「 仲間 」でした。
ゲームなのですが、画面の向こうに「人」がいるためコミュニケーションが生まれます。
ギルドやレギオンと呼ばれるゲーム内のチームに所属し、リアルの顔も名前も年齢すら知らない人たちと毎日一緒にクリアに数時間かかるダンジョンに潜ったり、クエストをしたり、時には雑談やイベントなどもしたり。
それぞれ特徴的なアバターを使っているため、アバター=その人と認識し、よく一緒に活動する人とはゲーム内のフレンドにもなる。当時、ギルドメンバーは家族よりも家族に近い存在でした。
ソロプレイのRPGゲームも元々好きでしたが、やはり仲間と一緒に達成や成長していくという感覚を一度味わってしまうと、ソロプレイでは物足りない。タイミングを合わせて同時にスキルを出すといった連携技も、成功すると鳥肌ものです。
リアルよりもずっと簡単に誰かと一緒に達成感や視覚的成長を得られるというのがMMOの魅力であり、同時に怖いところでもありました。

学生時代にこうした世界に没頭できたのは、現代の日本という恵まれた環境と、理解ある家族のおかげでした。ゲームの弊害はありましたが(これはあとでまた書きます)学校は毎日通っていましたし、大学受験を機に一度仮想世界から強制的に離れて、仮想世界を俯瞰して見るという経験もできました。

オンラインゲームに没頭するなど貴重な学生時代を無駄に過ごしていたのでは、という声も聞こえそうですが、私はむしろ学びが多い体験だったと思っています。

MMORPGを通して得られた大きな学びは「コミュニケーション能力」。
初めた当初は自分から声もかけられなかった人見知りの性格でしたが、たまたま拾ってもらったギルドのメンバーにイチから色々教えてもらえたことで、仮想世界の中での動き方や振る舞い方がわかり、積極的に自分からコミュニケーションがとれるようになりました。おかげで、リアルに初めて会う方でもあまり緊張せずに声をかけられるようになりました。
ほとんどできなかったブラインドタイプは会話に必須だったので自然と習得。
少し慣れてきた頃には、ギルドマスターなどをしていた経験もあります。

また、「やりたいことは、誰かが始めるのを待つのではなく自分からやること」もリアルに生かせる貴重な学びでした。

自動パーティマッチング機能など無かった時代、複数人パーティで攻略する必要のある人気のダンジョンなどは、募集があるとすぐに埋まってしまいました。
募集は操作の難しい職業やステータスが強かったりレベルが高い人が優遇されます。ステータスは廃課金ユーザーにはどうやっても勝てないので、弱いとパーティに入れてもらえないこともしばしば。でもダンジョンに行かないと強くなれないというジレンマ。
(だれか募集出してくれないかな…)とひたすら待っていた時期もありましたが、待っている時に限って募集はないので、「自分から募集する」という選択肢を増やしただけで、ぐっとやりたいことができるようになりました。
このスタンスはリアルでも非常に役立っており、プロジェクト制作やイベント運営の原動力にもなっています。

オンラインゲームのキャラクターを題材にした作品なども色々創りましたし、時には賞をいただくこともあり、創作活動のアイデアの源泉になっていたことは間違いありません。

メタバースの魅力を学生時代から肌で感じていたこそ、より没入感の高い仮想世界や、仮想世界ならではのコンテンツが増えてくるであろうこれからの時代がとても楽しみです。
私もそんな時代を冒険する一人として、「楽しい」を創っていければいいなと思います。

オンラインゲームの話を始めると止まらなくなるので今日はこの辺で(笑)
ここまで読んでくださった方がいましたらありがとうございました。


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