母が語る出産のこと

暇を持て余している母と電話で話しました。

何でかわからんが、私と弟の出産時の話になりましたね。

初産とは思えないほど、母は私のおさんは楽だったとか。

ただどうしても忘れられないことがあるらしい。

母は早朝に病院に行きました。(まだ診察時間前。

どうも前の昼ぐらいから破水していたらしいのですが、遊びに来ていた祖母、伯母にこれって破水じゃないのかなあと言うも否定される。(予定日より結構早かったため

しかし夜になると腹が痛くなる。

それでも耐えられないほどの痛みではない。

けれどどうしても心配になり、早朝に病院に電話して分娩台に行くことに。

陣痛が弱かった母は「いきめ」と言われても、いきめない。

そして怒られる。

「そんなのいきんだうちに入らない。きちんとしなさい」と。

しかし、初産であるため行き味方などわからんし、自分なりに精いっぱいやっている。

そしてまだまだ早朝。

またおっびろげて一時間。

恥ずかしい上に、寒い。

そして母の視界に入るのは、助産婦さんの毛糸の帽子。

(あんたはその毛糸のシャッポで抜く黙ってるだろうけど、おらは寒くて寒くて仕方ねぇのよ!!)

と心で思いながら、怒られながらいきむこと一時間。

助産婦さんがようやく気付いてくれた。

「もしかして、陣痛がそんなに痛くない?」

母はよくわからないまま、頷く。

確かに陣痛は痛いと聞いていないのに、さして痛くはなかったので。

そして助産婦さんが何やら注射。

一時間後、無事に私が生まれたらしい。

出産後、祖母が驚いて母を見ていった。

「おめぇだら、また一人二人簡単に産めそうだな」

そんなことを言うほど、初産にしてはスムーズだった模様。

体力もあり割と元気だったとか。

早朝に生まれたので、伯母も私の顔をしっかり見てから帰ったとか。(帰宅予定日が私の誕生日。


そして弟である。

何せ10年以上ぶりの出産である。

子宮が固く閉じていて、一向に開く気配がない。

医者が子宮を開けるため指を入れてががっとやる(母の言葉そのまま)

それを何度も繰り返し、回数も言っていたのだが私は覚えていない。

この時は、母の友人も廊下で生まれるのを待っていたらしいのですが。(しかもこのご友人は、旅行帰りでひどく疲れている夜。

母の悲鳴を聞いていられないと立ち去る。

人間がこんな悲鳴を出せるのか、こんな声を聴いていたら怖くて怖くて仕方ないと。

そしてその5分後に弟が生まれたとか。

さらに弟は、子宮が固く閉じていたせいなのか、生まれるなり骨を折っていた。

そして首にへその緒が絡まっていた。

この二つは私も当時話を聞いていて覚えているのですがね。

二度目の出産はかなり長時間かけて、母が苦しみながらのものだった。

出産でやつれた母は、二度と子供は生まないと硬く決意したとか。

まあ、弟は弟で災難よね。

生まれるなり骨折アンド首絞め。

さらには生まれてすぐ血液交換。(確か両親と血液型が違ったからだったかな?


そして母は出産の話の時には必ず言う。

私が生まれた時、物理的に私の体重分、母の体重は減ってるはずなのに、変わらなかった。

弟を生んだ直後、変わらないどころか体重が増えた。

なんだこの理不尽は!?

この話は毎回言うので、母は出産後に体重が減ることをどれだけ楽しみにしていたのか。

でもまあ、不思議だよね。

お腹の子を産んで、その分体重が減ってるはずとは誰もが考える。

けれど、私の時は体重が変わらず、弟の時は何と増えてる。

人間の体は不思議。母は理不尽と言っていたが。

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